ページID:91787更新日:2019年10月11日

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PC0048

県指定 有形文化財 (絵画)

絹本著色仏涅槃図

  • 絹本著色仏涅槃図(けんぽんちゃくしょくぶつねはんず)

令和元年9月19日指定

員数 1幅

所在地 身延町身延3567

所有者又は管理者 久遠寺

 

元禄2年(1689)に第2代水戸藩藩主徳川光圀が、生母(久昌院、寛文元年・1662没)の追善供養のために、明からの渡来僧である東皐心越に新様により描かせた、釈尊が涅槃に入る情景を描いた仏涅槃図である。

画面左上隅に墨書された徳川光圀(常山子龍)の賛文があり、画面右下辺に筆者である東皐心越の落款・印章二顆が捺されている。

本図は明治初年の排仏毀釈(はいぶつきしゃく)が断行されている最中、この涅槃図が納められていた久昌寺が荒廃したため日蓮宗の総本山久遠寺に移され奉納されたとみられる。久昌院は日蓮宗を篤く信奉しており、光圀自身も当時の身延山法主第31世日脱上人と親交があり、その縁で久遠寺に伝えられることになったとされる。

釈尊の横臥する宝台の周囲に仏弟子はじめ多くの会衆(72軀)が取り囲み、画面に多数の鳥類、水棲、昆虫など実在、伝説上の生類(239種)が描き加えられている。また、下辺の水辺は釈尊が入滅した跋提河(ばだいが)ではなく海を配する構図や、褶曲の強い沙羅双樹の描法も特徴であり、精確な筆致、彩色美など優れた技倆が伺える。

〈みどころ〉

歴史上の人物として著名な徳川光圀が様式を決めたとされる。

図の下辺に跋提河ではなく海が配され、多くの伝説上の水棲生物が描かれているなど他の涅槃図にみられない特徴がある。

 

 

 

 

 

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