ページID:68613更新日:2024年10月25日

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KSC0042

県指定 有形文化財(考古資料)

安道寺遺跡出土品No0

安道寺遺跡出土品No1

安道寺遺跡出土品No2

安道寺遺跡出土品No3~6

安道寺遺跡出土品No7

安道寺遺跡出土品No8

  • 安道寺遺跡出土品 (あんどうじいせきしゅつどひん)

平成27年9月14日 指定

員数 土器8点(内訳 深鉢形土器3点、有孔鍔付土器1点、把手残欠4点)

所在地 山梨県立考古博物館(甲府市下曽根町923)

所有者又は管理者 山梨県立考古博物館

  

安道寺遺跡は甲州市塩山中萩原安道寺に所在し、源次郎岳から恩若峯の北西麓に発達した標高約500mの台地上に立地する。周辺の台地上には、重郎原遺跡、殿林遺跡など、山梨県を代表する縄文時代の著名な遺跡が濃密に分布している。

昭和51年(1976年)に山梨県教育委員会により、笛吹川沿岸灌漑水利事業の基幹線埋設に伴い発掘調査が実施され、縄文時代中期の住居跡19軒、土器集積遺構1基、土器埋設遺構2基などが検出され、重複の激しい住居跡の分布状況から、縄文時代中期の遺構が集中する集落の中心的な地区であったと考えられる。

深鉢形土器(№1)と水煙文土器(№2)、4個の水煙文把手(№3~№6)は同一土坑内部に意図的に埋納されたもので、完全な深鉢形土器(№1)を水煙文把手(№3~№6)4個で囲い、さらに分解した水煙文土器(№2)で覆う行為が、厳重に行われていることから、水煙文土器とその把手の呪術性がうかがわれる。こうした埋納行為の特異性から縄文時代の習俗や信仰を知る上で学術的な評価の高い一括出土遺物である。また、復元された大型の水煙文土器(№2)は高さ83㎝を測り、水煙文深鉢形土器でも最大級の規模であること、復元された破片がすべて完全に残されていたことは、学術的のみならず造形的にも価値が高い。

有孔鍔付土器(№7)はほぼ完形土器であり、酒蔵具あるいは種子壺などの用途が想定されている。胴部につけられたヘビの文様は、縄文時代中期の土器に多くつけられる文様であるが、ヘビの頭部が三角形をしていることからマムシと考えられる。マムシの造形は、土器の口縁部や胴部、人面装飾の頭部などを飾ることが多く、これはマムシの強力な毒を持つ力によって、土器内部に災いを持つものが入らぬよう威嚇するためと想定される。この有孔鍔付土器にもそうした目的からヘビの文様が胴部中央にシンプルに付けられた土器で、学術的に価値が高い。

イノシシ把手付土器(№8)は、縄文中期中葉に多く見られる動物意匠であるが、抽象的な造形が多い中で、この土器は小型ながらイノシシの頭部を写実的に表現している点で評価が高い。また、イノシシ文様の背面は三角形の頭部を持つマムシ文様となっており、外部への威嚇を表現しているものと思われる。これらは土器の内容物への豊穣祈願や腐敗などのリスク回避を願う縄文時代の習俗、信仰を探る上で学術的な価値が高い。

 

実物は山梨県立考古博物館で観覧できます。←こちらをクリックで地図がご覧いただけます。

 

 

 

 

 

 

 

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