ページID:127503更新日:2026年8月31日

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知事臨時記者会見(令和8年8月28日金曜日)

 

発表事項

0828kaiken

発表事項

 山梨地方最低賃金審議会の答申について

知事

山梨地方最低賃金審議会におきまして、山梨県の最低賃金を61円引き上げ、時間額1,113円とする答申が示されたと伺っております。

国の目安額を5円上回る水準になっています。

まずは大変厳しい諸般の状況の中で、本県の実情を踏まえながら、真摯な議論を重ねていただきました審議会の委員の皆様、そして事務を担われた山梨労働局の皆様に敬意を表したいと思います。

併せまして、厳しい経営環境の中で、この引き上げを受け止めていただくことになります県内事業者の皆様にも感謝を申し上げたいと思います。

県ではこれまで最低賃金近傍で働く方々の生活の安定や、若者の県外流出の抑制、さらには、地域間格差の是正の必要性につきまして強く訴えてきたところであります。

また、独自の調査・分析結果を審議会に提供するとともに、今月の4日には、企業への直接支援金の創設方針を表明するなど、引き上げに向けた環境整備に努めてきたところであります。

事業者を取り巻く環境が依然として大変厳しい中、あるいはまた隣接する都県が国の目安額と同額または1円の上乗せとなる中で、目安額を5円上回る答申が示されたことは、審議会としてこれまでにない踏み込んだ判断であると受け止めております。

これによりまして、東京都との賃金差は174円から167円に、長野県との差は9円から4円に縮まります。

まだ決して十分ではないとは思っておりますが、地域間格差の是正が現実に動き始めたという点におきまして評価をしております。

これは、企業、働き手、行政が一体となり、オール山梨で賃上げに取り組んできた積み重ねが、このご判断に繋がったものと受け止めています。

一方で、繰り返しとなりますが、これで必ずしも十分なものとは考えておりません。

今回の答申をもってしても、隣接都県との格差は解消せず、最低賃金の水準は、単身世帯が生計を営むに足る額になお届いていないものとなっています。

県が審議会に提供した調査分析におきましても、その点を示しております。

本県が抱えます若者の流出の問題は、賃金の地域間格差と密接に関係しており、地域経済や雇用の基盤そのものに関わる深刻な課題であります。

今回の議論を通じまして、現行の地域別最低賃金制度のもとでは、こうした地方が抱える構造的な課題を解決していくことの難しさを改めて認識させられるものでありました。

とりわけ、現行の制度が生み出した地域間格差によって、私ども地方が極めて苦しい状況に追い込まれている中で、この審議に先立ちまして、厚生労働省の本省から、地方の実態を踏まえた格差是正の議論をあたかも否定するかのような通知が出されたということは誠に遺憾であります。この旨は重ねて表明させていただきたいと思います。

地方が自らの実情に即して議論する余地を狭めるが如き運用は、ぜひ改めていただきたいと思います。

併せまして、地域別最低賃金制度そのもののあり方につきましても、ぜひ、国においてご検討いただきたいと思います。

そのような状況の中にありましても、目安額を5円上回る答申が実現をしたことは、オール山梨で賃上げに取り組んできた成果であると考えています。

今回の答申は決してゴールではなく、新たなスタートであると受け止めています。

審議会における議論も、労使双方の意見が乖離し、調整が難しいものであったと承知しております。

今後の最低賃金の着実な引き上げに向けましては、例えば、公労使の間で中長期的な目標を設定することも一案ではないかと考えています。

中長期的な目標があれば、企業の皆様はそれに沿った経営計画を立てることができ、他方、働き手も将来に希望を持つことができるようになります。

先行して取り組む他県の例もしっかりと勉強しながら、今後、山梨労働局とも意見交換を重ねていきたいと思います。

県としても、今回の答申を起点といたしまして、賃上げの好循環をさらに加速させ、県全体の賃金水準の向上に向けた取り組みを、なお一層強化をして参りたいと思います。

繰り返し申し上げておりますが、山梨県におきましては、賃上げを企業だけの努力に委ねるのではなく、企業、働き手、そして行政が一体となって取り組むべき課題として位置付けております。

まさに社会全体で実現することを目指しており、6月にはその旨共同宣言も行ったところです。

企業の皆様方におかれましては、生産性の向上や事業の高付加価値化をぜひとも進めていただき、その成果を賃金として着実に還元をしていただきたいと思います。

また、働く方々におかれましては、スキルアップに努め、生産性の向上と価値の創出に貢献をしていただきたいと思います。

そして、県は、企業と働く方々の双方の取り組みをしっかり後押しして、このスリーアップを力強く回して参りたいと思います。

そして、その柱といたしまして、賃上げの原資を持続的に生み出すための生産性向上への支援につきましては、引き続き重視をしていくとともに、加えて、今般新たに直接支援金を用意することといたしました。

お手元に資料が配られていると思いますが、こちらの制度案は今後議会にお諮りし、ご審議をいただいた上で決定するものとなりますが、企業の皆様の賃上げの検討に間に合うように、本日の答申を受けて現時点の案を踏み込んでお示しするものであります。

対象は、スリーアップ認証を受けた中小企業です。

従業員の賃金を50円以上引き上げ、今回答申された最低賃金額の1,113円以上とした場合、正規・非正規を問わず、支援の対象として参ります。

支給額は、賃上げによる増加額の6か月相当分について、その5割から7割程度を支援する水準とし、制度設計をしています。

例えば、従業員10人、正規社員9人、非正規社員1人の企業の場合、10人全員の賃金を50円引き上げた場合は、合計38万円の支給となります。

また、同じ会社で、例えば90円の賃金を引き上げた場合は、合計58万円の支給となります。

このように、賃金引き上げの幅に応じて、支給額単価及び上限を設定しております。

これを見ておわかりのように、小規模な企業の皆様にも幅広く活用できる制度としていますので、ぜひご活用いただきたいと思います。

賃上げに挑戦する企業をこれからもしっかりと力強く後押ししながら、オールやまなしで賃上げの流れをさらに加速させ、「頑張れば報われる山梨」の実現に向けて全力で取り組んで参りたいと思います。

また、これを通じ、県民の皆様の生活水準の向上と地域間格差の是正、人口流出の阻止といった大きな目的を達成していきたいと思いますので、引き続き、県民の皆様のご理解とお力添えを何卒よろしくお願い申し上げます。

記者

最低賃金について2点お伺いします。

1点目ですが、今日の審議会で、使用者側の委員から「今年の審議について県から圧力があったことは事実である。そのことを国の方に伝えてほしい。」という発言がありました。

おそらく知事が最低賃金の審議について発言することについて、使用者側の一部には不満があると思うのですが、それについて改めてどのように考え、行政にどのような役割があると知事はお考えか伺います。

知事

まず、ぜひお考えいただきたいことは、今の最低賃金の水準が、単身世帯ですら、つまり働いているその人の生活すら支えることができないという問題を抱えていることです。

これはそもそも最低賃金なるものの趣旨にも反するのではないだろうか。やはり健康で文化的な最低限度の生活水準を営む権利を有しているわけで、これは憲法によって保障されておりますが、実質それが保障されていないのではないかと。

まずこの問題について、社会全体としてこの最低賃金の水準に対して向き合っていくべきだと思っています。

特に山梨県におきましては、現にこのことが原因で人口流出につながっているという現状もあります。

そして、この状況をこのまま放置してしまうと、若年層がどんどん外に出て行ってしまい、最低賃金は制度で定めますけれども、結果として中長期的に見れば、市場原理を通じてより高い賃金を出す、さらにもっと高い賃金を支払っていく、こういうことも余儀なくされることになるのではないかと思っています。

使用者側の皆さんは、確かに今こういう状況の中で、賃金を上げることについては大変厳しい状況であり、決して楽なものではないと思いますが、そこは私たち行政ができる限りお支えをしていきます。

これまで生産性の向上について様々な支援策を講じておりますので、引き続き最大限ご活用いただきたい。

もう1つは、今般の向こう6か月分相当程度の部分をカバーする直接支援金も出すという支援。これから議会でご議論いただくこととなりますが、こういう支援策を踏まえて、ぜひご理解を賜りたいと思います。

国との関係で申し上げますと、繰り返しになりますが、単身世帯ですら生活が営めないような水準を最低賃金と称している今の現状について、国においてしっかりと問題意識を持ってもらいたいと思います。

我々は県民の皆さんの生活を守る責務があります。

経営者の皆さんとも力を合わせていきたいと思います。

スリーアップ制度もしかり、働く人、経営者の皆さん、そして我々行政も、それぞれの企業の皆さんが収益を上げることを目標にしてやっておりますので、そこに向けて引き続き力を合わせていく必要があるだろうと思います。

記者

フォローして中長期的な目標設定するというのも一案ではないか。確かに他県でそういうことをやっているところもありますが、具体的に今後話をしていくわけですか。

知事

今般の賃上げの最低賃金上げ幅の中でも、例えば茨城県の事例を見ると、国の目安額よりもさらに高い水準となっており、何故実現したのか。

やはりそこは、茨城県の取り組みの1つの特色として、中長期的な見通しを出すような取り扱いをなさっていることだと思っております。

まず、そこをしっかり勉強させていただいて、それが今お話にあった企業の皆さん、働く方々にとって、よりスムーズな賃上げを実現するためにお聞きするものだとすれば、我々としても取り入れるべきことかと思います。

ただ、これから研究する話ですので、他にも良い取り組み事例が他の県でもあれば、今後そういうものもしっかり取り込んでいって、できる限り多くの会社を経営される方、あるいはその会社で働かれる方が、賃上げに向けて円滑に歩みを進められるように考えていきたいと思っています。

記者

直接支援金の関係でお伺いしたいのですが、現時点で考えている事業所数ですとか、規模感として、現状お答えできる範囲でお答えいただけるとありがたいです。

統括官

まだ検討中の案ということで、これからしっかりと検討を行いながら、議会の際にはきちんと説明できるようにさせていただきたい。

記者

それに合わせて、今回中長期的な計画が付随すると思うが、県が積極的に賃上げに関与してきて、来年再来年以降、格差を埋めるという意味では、単年ではなくて長い目で見てやらないといけない部分があるかと思います。

そのあたり、来年以降も含めて、県としての関与のあり方をどうお考えでしょうか。

知事

基本的にはこれまでのスリーアップの取り組みをさらにしっかりと進めていきたいと思います。

繰り返しになりますが、賃上げは企業だけに求めるべき話ではなく、働かれる皆さんのスキルアップ、それによるそれぞれの企業の収益拡大に対する貢献、これができるようにキャリアアップ・ユニバーシティをはじめ、さらに取り組みを充実させていきたいと思います。

企業の皆さんに対しては、引き続き生産性向上のための支援をしっかりと充実させていき、賃金原資が少しでも厚く確保できるようにしていきたいと思います。

この取り組みがベースになるということは、変わりがないことだろうと思います。

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 「クビアカツヤカミキリ」緊急防除に係る専決処分について

知事

「クビアカツヤカミキリ」の緊急防除に係る2回目の専決処分についてご報告いたします。

1回目を7月に行いました、このカミキリムシに対する緊急防除。市町村あるいはJAをはじめとする関係団体の皆様と連携をしながら、迅速に取り組んできたところであります。

今般、市町村への調査を行った結果、農地以外にある桜などの樹木のうち、防除が必要となる本数については、当初の想定を大幅に上回った数字が判明したところであります。

このため、全県での面的な防除の徹底に向けまして、追加の専決処分による予算措置を講ずることといたします。

お手元にございますように約11億円弱、10億9250万4000円という金額を予定しております。

大変大きな規模とはなりますが、緊急に実施する必要がありますので、専決処分で行いたいと思います。

これまでの短期間におきまして防除活動にご尽力を賜りました県民の皆様、そして市町村、さらにはJAの関係者の皆様、関係団体の皆様に、この場をお借りいたしまして改めて感謝を申し上げたいと思います。

県としては、今後も「早期発見・早期防除」を基本に、県民共通の財産であります本県の果樹産業、そして地域の景観を守り抜いていくため、こちらもオール山梨で取り組んで参りたいと思います。

引き続き、被害の拡大防止に向けまして、県民の皆様、市町村の方々、関係団体の皆様のご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

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