ページID:103808更新日:2022年12月14日
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(平成27年12月11日選定。平成28年3月18日顕彰)
大村智氏は、韮崎市に生まれ、山梨県立韮崎高等学校、山梨大学学芸学部を卒業、東京都立墨田工業高等学校の教員を経て、昭和38年に東京理科大学大学院理学研究科を修了された。
その後、山梨大学文部教官助手を経て、昭和40年に社団法人北里研究所に入所、北里大学教授、米国ウェスレーヤン大学客員教授、北里研究所理事・所長などを歴任、50年にわたり微生物由来の有機化合物の研究において世界的に活躍されている。
この間、氏は、新規化合物を約500種類発見し、そのうち26種が医薬、動物薬、農薬及び研究用試薬として実用化されている。特にイベルメクチンは、重篤な熱帯病であるオンコセルカ症(河川盲目症)とリンパ系フィラリア症を撲滅するためにアフリカで年間約3億人に使用され、前者は2025年、後者は2020年に撲滅の見通しとされるなど、人類の健康と福祉の向上に多大な貢献をされた。
こうした功績により、平成27年11月3日に文化勲章を受章されるとともに、同年12月10日には、ノーベル生理学・医学賞の受賞という世界最高の栄誉に輝かれた。
また、氏は、山梨県総合理工学研究機構の初代の総長を務められるとともに、平成7年に代表世話人となって設立され、昨年、20周年を迎えた山梨科学アカデミーの取組を通じて、子どもたちに科学の楽しさを知ってもらう活動を献身的に行うとともに、学術奨励事業などを通して、本県の科学技術の振興や普及啓発に多大な貢献をしておられる。
これらの功績は極めて顕著であり、県民の誇りとしてひとしく敬愛を受けているところである。
平成28年3月18日