トップ > 組織案内 > 観光文化・スポーツ部 > 山梨県埋蔵文化財センター > 埋蔵文化財センター_遺跡トピックス一覧 > 遺跡トピックス_No.0330_膳棚遺跡A[ぜんだないせき]-調査概要-
ページID:42041更新日:2017年5月17日
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膳棚遺跡は、山梨市北地内の弟川と笛吹川に挟まれた位置にある標高477.6mの荒神山の裾部に展開する南向きの緩やかな斜面にあります。ここは、約375mの標高を持ち甲府盆地東部が眼下に開け、南方には御坂山地と上方には霊峰富士の頂が僅かに顔を見せています。 所在地:山梨県山梨市北字中膳棚 時代:縄文・古墳・平安 調査機関:山梨県教育委員会山梨県埋蔵文化財センター リンク:遺跡トピックスNo.0325 〈写真〉膳棚遺跡より御坂山地と遠く富士山を望む 〈写真〉膳棚遺跡A区完掘写真 発掘調査について〈写真〉膳棚遺跡の調査区 膳棚遺跡は、平成22年度に路線内の試掘調査を実施した際に新たに発見され周知されました。遺跡の周辺には、建造物群が重要文化財指定になっている大井俣窪八幡神社や、ナウマン象の臼歯などが発見された兄川河床遺跡などが点在しています。 発掘調査は、今年度に設定された調査対象地が約15,000平方メートルと広域に渡っているためにA・B・Cの3区に分割して実施しました。その中のA区は調査対象地の西側約4,900平方メートル分です。 調査の結果調査によって土坑55基・柱穴51基・溝状遺構が5条もの遺構が確認されました。 土坑は、直径40~50cm、深さ30~60cmのサイズが多く、円形または楕円形のものが主体となっています。柱穴は、直径20~40cm、深さ30~40cmの規模で、その形はほぼ円形です。溝状遺構は、長さ約3m、幅約40cm、深さ約30cmを測るものです。今のところこれらの遺構の配置の規則性は見受けられませんが、調査区の中でも、比較的土の様子が安定している北側の等高線の高い位置に集中している傾向がみられるようです。 また、遺物は、縄文・古墳・平安時代を中心とした土器類で、その大半は破片資料で摩耗が激しいことなどから遺構に伴ったものではありませんでした。 〈写真〉調査区北側に集中して見つかった土坑と柱穴群
〈写真〉調査区北側より検出された楕円形の土坑(左)と溝状遺構(右)
今回の調査は、道路建設予定地内のみの調査ではありましたが、これらの調査成果は調査地周辺の遺跡分布状況の一端を探る上で欠くことのできない歴史資料となったと言えましょう。 |