トップ > 組織案内 > 県教育委員会の組織(課室等) > 埋蔵文化財センター_遺跡トピックスNo.352甲府城跡
ページID:46703更新日:2017年5月10日
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平成22年度に発掘調査が行われた県庁構内「甲府城跡」。ここからは、石垣などの遺構が確認されました。 甲府城は、かつて19ヘクタールほどの広さを誇っていましたが、現在史跡として保護されているのは6ヘクタールほどです。県庁構内は主に楽屋曲輪に位置し、政務を掌った建物や大手門などがありました。 発見された石垣の解体調査時に確認された胴木と呼ばれるもので、脆弱地盤面に石垣を構築する際に部分的な不等沈降による石積みの崩壊を防止するために、根石(石垣の一番下の石)の下に敷かれた木材のことをいいます。写真は根石を移動しながら胴木を確認しているときの様子のものです。 石垣の部材をすべて取り外した状況です。手前の方は軟岩層で安定しているため胴木はありません。奥に向かって脆弱な地盤となることから胴木が敷かれていました。材種は松で、脂が腐るのを防ぐ効果があるとされ、杭などに用いる水利事業などには比較的使用されています。 胴木の継手部分です。縦木と横木のクロス部分で、横木は斜めにスライスした組み合わせとなっています。丸太状のものと板状のものがあり、地盤のレベルに合わせて加工が施されていました。 胴木の継ぎ手部分です。丸太状のものは組継ぎとなっており、主に西側の脆弱地盤面から認められました。 縦木と横木の組み合わせ部分です。下側の胴木は上の胴木がずれないように加工してありました。また、右上の胴木は使用されずに放置されたものですが、運搬時に縄を通すために設けられた臍穴が認められます。 胴木下の基礎構造です。灰色の土層が自然地盤で、礫が入った黄色い層が人工的に造成された地盤です。胴木が載る部分はこのように地盤改良され、沈降防止の工事が施されていることが確認されました。地下水が湧き出る状況の中で、築城期の人々はどのように作業していたのでしょうか?当時の土木技術水準の高さが窺えます。 現在、胴木は保存処理を行っており、将来的には公開を予定しております。 <参考文献・引用文献> 山梨県埋蔵文化財センター2012『甲府城跡2.-楽屋曲輪地点-』山梨県埋蔵文化財センター調査報告書第284集 |