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ページID:65490更新日:2015年5月26日
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都留市の遺跡
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遺跡名:谷村城〔やむらじょう〕 所在地:都留市中央二丁目1番1号 時代:縄文時代、奈良・平安時代、中世、近世、近代 調査機関:山梨県埋蔵文化財センター 正しい遺跡名は?よく間違われるのですが、遺跡名は谷村城跡や谷村城遺跡、谷村城跡遺跡ではなく、『谷村城』(やむらじょう)です。ややこしいですか!? 本遺跡は都留市役所や谷村第一小学校の近くにある甲府地方裁判所の敷地内にあり、所在地が都留市中央二丁目1番1号です。都留市中央から上谷一・二丁目にかけて『谷村城』という遺跡名称で登録されています。 谷村城の歴史と変遷については、以前に掲載された遺跡トピックスNo.400谷村城歴史と変遷をご覧下さい。 石列遺構明治5年(1872年)に谷村区裁判所が置かれました。その裁判所と入り口を結ぶ道には、石を敷設した通路が設けられました。石をよく見てみると、両端の石が中央の石列と比べて黒色をしていますが、これは石材の違いによるものです。真ん中の石には緑色凝灰岩、両端の石は溶岩が使われています。また中央の石列にはモルタルのようなもので、欠損した部分を補修した箇所も見られました。 石材を使い分けて色彩の違う道を敷設し、壊れたら補修して直して使う所に当時の人たちの美意識が感じられます。 両端の石には溶岩、中央には緑色凝灰岩が使われている石列遺構 瓦溜まり遺構今回の調査で瓦がまとめて捨てられた跡が見つかりました。全部で9基、近代の面で3基、近世の面で6基が検出されました。主に近代に捨てられたものと考えられます。遺構の形は不整形なものや四角いものがあり、遺構の規模も大小様々でした。遺構の中には、瓦の破片や石とともに陶磁器の破片が見られました。 方形の穴に捨てられた瓦、石、陶磁器片 江戸時代にアワビを食べていた?江戸時代の近世の面では、アワビやサザエ、サルボウガイなどの貝や、魚・動物の骨が出土しました。特に海から採られる魚貝類は、海に接していない甲斐国では自然に入り込む可能性は無く、当時の人が持ち込んだ証拠であり、当時の人の食生活と嗜好性を知る上で重要な遺物が見つかりました。 写真のアワビは3枚並べられ、真ん中のアワビの近くには小さな陶磁器も見つかりました。地鎮などの祭祀行為にアワビの貝が使われたのでしょうか。 左から内側、外側、外側を上に向けて埋設されたアワビの貝 遺跡見学会と遺跡発掘展平成26年10月19日(日曜日)には遺跡見学会が行われ、123名の方が参加されました。普段では間近で見ることができない遺構や遺物を写真に撮る方や、担当者の説明に聞き入る方も多数いらっしゃいました。 また平成27年3月7日(土曜日)~4月5日(日曜日)まで、山梨県立考古博物館の企画展示室において谷村城から出土した遺物の一部が展示されています。他にも県内の遺跡から出土した遺物や写真パネルを展示しておりますので、県立考古博物館まで足をお運び下さい。 遺跡発掘展の詳細はこちら。 遺跡見学会にて担当者の説明を聞く123名の参加者 遺跡見学会と同時に開かれた鎧武者体験コーナー |