トップ > 組織案内 > 県教育委員会の組織(課室等) > 埋蔵文化財センター_遺跡トピックスNo.0412県指定史跡甲府城跡
ページID:65311更新日:2017年5月12日
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県指定史跡甲府城跡一覧
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県指定史跡甲府城跡石垣の積み方県指定史跡甲府城跡には築城当時の石垣が良好にのこっています。今からおよそ420年前に造られたこれらの石垣は、近世のお城づくりの歴史の中でも特に古い時期のもので、貴重な文化財です。 石垣を観察すると、上部に石を積み上げる当時の技術の一端をみることができます。今回はその1つをご紹介します。
写真1石垣の角にみられる石積み技術「算木積み」 石垣の角の部分(隅角部(ぐうかくぶ)と呼びます)には、構造上とても強い圧力がかかるため、上手く積まないと崩れてしまうと考えられています。 各地のお城の石垣を観察すると、この隅角部を頑丈に積もうとする工夫がみられます。それが「算木積み(さんぎづみ)」と呼ばれる積み方です。 写真1をご覧ください… 石垣の隅角部に積まれた石を下から1段ずつ見ていくと、まず左に長く置かれた石があり、その上の石は右に長く置かれ、横長の石が左右交互に張り出すように積まれているのがわかります。 これが算木積みの特徴です。石を左右交互に張り出させることで、張り出し部分にまで荷重がかかり、ガッチリと崩れにくい角になるのです。 この算木積みと呼ばれる積み方は、甲府城よりも後の時期につくられたお城の石垣でも取り入れられ続けます。 所在地:甲府市丸の内 時代:中世末~近世 調査機関:山梨県埋蔵文化財センター 甲府城跡築城期の算木積みの特徴 甲府城跡の算木積みと、甲府城よりも新しい時期につくられた算木積みを比較すると、甲府城跡の算木積みの特徴を浮き彫りにできます。 写真2は甲府城跡にのこる、築城期よりも新しい時期の石垣です。隅角部は算木積みになっています。長い、短い、長い、短い…と、交互に積まれているのがわかります。しかし、写真3の築城期の算木積みをみると、短い、長い、短い、長い、もっと長い…というように、順番が乱れているのです。石の形や大きさもバラバラですね。 また写真2では、短い石の左隣に、同じくらいの大きさの石が積まれていますが、築城期の石垣である写真3では、大きさの不揃いな石が組み合わさって積まれています。 甲府城築城期の算木積みは、より新しい時代の算木積みと比べて、まだ十分に確立されていないものであったことがわかります。 写真2築城期よりも新しい時期の石垣写真3築城期の算木積み
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