トップ > 組織案内 > 県教育委員会の組織(課室等) > 埋蔵文化財センター_遺跡トピックスNo.0460身洗沢遺跡
ページID:79282更新日:2017年4月27日
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身洗沢遺跡とは?身洗沢遺跡は笛吹市八代町に所在し、これまでに何度も発掘調査が行われています。調査で確認された時代は多岐にわたっていますが、主な時代は弥生時代後期から古墳時代初頭にかけてです。平成元年におこなった調査では、弥生時代後期の集落跡(住居跡、水田跡)が確認され、多くの木製品が出土しました。クワなど、一部の木製農具は県の有形文化財に指定され、山梨県立考古博物館に展示されています。 また、平成27年に行われた発掘調査では、弥生時代後期の溝の中からモモの種が出土しました。
身洗沢遺跡 所在地 :笛吹市八代町南地内 時代 :弥生時代、古墳時代、奈良・平安時代、中世 報告書 :山梨県埋蔵文化財センター調査報告書 第310集 平成29年2月刊行 調査機関:山梨県埋蔵文化財センター
弥生時代とモモこちらが出土したモモの種です。残念ながら果肉は残っていません。遺跡周辺は地下水位が高く、環境の良い土壌であったため、種だけが残りました。 これを分析した結果、約1,900年前のものであることが明らかになりました。平成元年の調査でもモモの種が見つかっていますが、理化学的な年代測定をおこなっておらず、評価が難しい状態でした。 モモは中国大陸から伝わってきた植物で、観賞用・食用・薬用・祭祀用など、様々な目的で利用されていたと考えられています。直接、中国大陸と関係があったとは考えにくいですが、様々な仲介を通して種や栽培方法が伝えられたのでしょう。すでに水田稲作も始まっていることから、大陸で行われていた様々な農耕がセットで伝えられていた可能性もあります。当時の社会が決して狭い範囲に閉ざされたものではなく、物資や情報の伝達が、かなり広い範囲で行われていたことが推測されます。 また、古代中国ではモモの実には長寿・不老不死の力があると考えられており、『古事記』においても魔除けの力を持つような記述がみられます。このような考えが、すでに山梨県にまで到達していた可能性も考えられます。
遺跡の周辺には、現在もモモ畑が広がっています。 約1,900年前もモモの栽培が行われていたと考えると、なんだか身近に感じられますね。
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