ホーム > 水を楽しむ > 水とともに生きる人々 > 山梨県森林総合研究所 主幹研究員 長池卓男
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更新日:2017年4月5日
山梨県の森林の46%は県が管理する県有林となっています。県有林は、経済・社会・環境に配慮した国際的な基準に則った管理をしている森林にしか認められないFSC®森林管理認証を取得しています。私は、国際的な基準により継続的に県有林を管理する上で、どのような管理をすることが望ましいかについての調査研究をしています。
森林から湧き出た水は、おいしいと言われていますよね。それは、森林の地面にある落葉やその腐植、さらにその下にある長い年月をかけて形成された土壌の「フィルター」を通過することが、おいしい水を育むと言われています。しかし、近年はニホンジカが増加しており、森林内に本来は生えているはずの植生が食べ尽くされてしまっています。
なぜニホンジカがそこまで増えたかについては、様々な要因が複合的に影響していると考えられています。その要因の中でも、気候変動による暖冬傾向は、ニホンジカにとって厳しい環境である冬を乗り越えるのに好都合になっています。森林の植生や土壌を適切に守り、おいしい水をいつまでも飲み続けるためにも、ニホンジカの対策が必要になっています。私たちの暮らし方がニホンジカや水にも関係しており、「つながり」で考えることが重要だと思っています。(FSC®C012256)