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ページID:71110更新日:2016年3月3日
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KSC0032 県指定 有形文化財(考古資料) |
平成17年12月26日指定 員数 53点 (内訳 土器類6点、石器類43点、土製品1点、石製品3点) 所在地 北杜市(北杜市須玉町大豆生田961-1) 所有者又は管理者 北杜市
上北田遺跡出土品は、平成3年(1991)に、北杜市(旧白州町)教育委員会が実施した県営圃場整備事業に伴う発掘調査で出土した縄文時代前期前葉(約6000年前)の尖(丸)底のものを主体とした土器、石器など53点である。 上北田遺跡は、黒戸山東麓の緩斜面に位置し、釜無川が形成した河岸段丘上の標高685mに立地し、縄文時代前期を主体とする集落遺跡と平安時代を主体とする集落遺跡で構成されている。調査では、縄文時代前期前半の住居跡22軒、平安時代の住居跡3軒が確認されている。 本資料のうち47点が出土した第18号住居跡は、調査区東側東端付近に住居跡が密集して確認された9軒のうちの1軒であり、形状は隅丸長方形を呈し、長辺3.8m、短辺3.0mの竪穴式住居である。北西コーナー付近にはテラス状の施設、住居跡中央付近には地床炉(じしょうろ)が見られる。住居跡の南壁付近には、台形の安山岩製の石皿が置かれ、覆土中には深鉢形土器、スクレイパー、石匙(いしさじ)、石錐(いしきり)、磨製石斧(せきふ)、横刃石器、打製石斧、磨石(すりいし)、敲石(たたきいし)等の石器、炭化種子(ドングリ、クリ)が出土するなど、当時の狩猟具と植物食加工具の生活什器の組成状況をよく表している。 第18号住居跡出土遺物の他には、第20号住居跡の大型深鉢形土器1点、滑石製装飾品1点、第23号住居跡の硬玉製装飾品1点、第24号住居跡の丸石1点、第25号住居跡の凹石(くぼみいし)1点、滑石製装飾品1点が含まれる。 県内で数少ない縄文時代前期前葉の土器や、生活用具の貴重な一括資料など、前期から中期への文化的発展の在り方、文化の流入経路やその広がりなどを研究する上で、本資料は極めて貴重な資料といえる。
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