ページID:681更新日:2021年11月24日
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塩川は、奥秩父山系の高峰金峰山に源を発し、途中須玉川を合わせて流下し、富士川に合流する流域面積389.7km2、流路延長約40kmの一級河川です。
河川の勾配が急峻なため、近くは昭和40年の台風24号等、たびたび洪水の被害を受けてきました。
県は、河川改修工事を継続して行なってきましたが、塩川沿岸は、耕地として高度に利用され、また市街地周辺では住宅が密集しているため、河道拡幅による再改修は用地取得が非常に困難であり、工事費も莫大となることから、ダムによる洪水防御の方法が最も経済的と考えられて計画されました。
また、茅ヶ岳山麓は、広大な面積をもつ火山噴出物によって形成された台地であるため、かんがい用水には恵まれず農業の発展がはばまれてきました。
さらに、北杜市(須玉町、明野町)、韮崎市、甲斐市(旧双葉町)の水道用水は、湧水や地下水に水源を求めていましたが、近年、市街地への人口集中や周辺部においても住宅地等の開発が進み、また産業経済の発展と生活文化の向上により、水道用水の需要は急激に増加しています。
このため県は、塩川総合開発事業として多目的ダムを建設し、洪水調節と合わせてこの地域にかんがい用水と水道用水を供給し、ダムからの放流による落差を利用した水力発電も行ない、水資源の有効利用を図っています。
ダム地点において、洪水の起こる場合の水量を450m3/sと見込み、そのうち200m3/sをダムに溜め、残りの250m3/sを下流へ流します。このようにして、大門ダムと併せて洪水調節を行うことにより、塩川沿岸地域の水害を防除します。
既得用水の補給(かんがい面積1,128.1ha)ならびに大門ダムと合わせて黒沢基準点で維持流量1.2m3/sを確保します。
北杜市(須玉町、明野町)、韮崎市、甲斐市(旧双葉町)に対し、峡北地域広域水道企業団から、江草地点において1日最大17,000m3(0.197m3/s)を供給します。
茅ヶ岳山麓地区の520haの農地に対して、最大0.376m3/s、平均0.075m3/s、年間総取水量2,370,000m3のかんがい用水を供給します。
ダムからの放流水を利用して、山梨県企業局が最大1,100kWの発電を行います。県営発電所としては18か所目となるこの塩川発電所の監視制御は、山梨県発電総合制御所で行っています。詳細は山梨県発電総合制御所のページになります。
塩川ダムのダムおよび貯水池諸元表
ダム名 |
塩川ダム(みずがき湖) |
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河川名 |
一級河川富士川水系塩川 |
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位置 |
山梨県北杜市須玉町比志地先 |
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ダム |
貯水池 |
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|
本体 |
左岸遮水工 |
流域面積 |
85.3km2 |
型式 |
重力式コンクリートダム |
傾斜土質コア型フィルダム |
湛水面積 |
0.43km2 |
堤高 |
79.0m |
48.9m |
平常時最高貯水位 |
EL879.5m |
堤頂長 |
225.0m |
399.0m |
洪水時最高水位 |
EL889.5m |
堤頂巾 |
9.25m |
8.0m |
設計最高水位 |
EL892.0m |
堤体積 |
388,000m3 |
957,000m3 |
堆砂面 |
EL859.0m |
堤頂標高 |
EL894.0m |
EL895.0m |
洪水調節水深 |
10.0m |
堤体勾配 |
上流一分 |
上流二割五分 |
貯水容量 |
|
下流七分六厘 |
下流一割八分五厘 |
総貯水容量 |
11,500,000m3 |
|
地質 |
砂岩、粘板岩、その互層 |
火山砕層物、湖沼堆積物、旧河床堆積物、粘板岩 |
有効貯水容量 |
8,900,000m3 |
堆砂容量 |
2,600,000m3 |
塩川ダム建設事業総事業費は490億円です。
事業の経緯は、以下の通りになります。
昭和45年04月県費にて予備調査開始
昭和50年04月国庫補助実施計画調査開始
昭和57年04月建設事業採択
昭和60年12月補償基準調印
平成01年06月遮水壁工事着手
平成01年12月本体工事着手
平成02年06月起工式
平成02年09月本体掘削開始
平成03年08月仮排水路通水
平成05年11月定礎式
平成08年10月本体打設完了
平成09年11月湛水開始
平成10年06月完成
塩川ダム管理課
住所:〒408-0102 北杜市須玉町比志3783-1
電話番号:0551(45)0789 ファックス番号:0551(45)0788