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ページID:114737更新日:2024年3月25日
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山梨県では、令和元年度より継続してマイクロプラスチック調査を実施しています。令和5年度は、多摩川水系、相模川水系及び富士川水系の河川におけるマイクロプラスチックの実態を把握するため、調査を実施しました。
下保之瀬橋(多摩川(丹波川))、小菅川流末(小菅川)、大橋(桂川)、桃林橋(笛吹川)計4地点
出典:「地理院地図データ」(国土地理院)(https://maps.gsi.go.jp/)をもとに株式会社ピリカ作成
河川マイクロプラスチック調査ガイドライン(令和5年3月環境省)に準拠して試料を採取し、各調査地点におけるマイクロプラスチックの個数密度(個/m3)*や推定質量密度(μg/m3)等を算出しました。調査回数は各地点1回としました。
(河川マイクロプラスチック調査ガイドラインhttps://www.env.go.jp/content/900543325.pdf)
個数密度:河川水域内おける1立方メートル(m3)あたりのマイクロプラスチックの個数で、地点ごとの比較に用いられる。
本調査のマイクロプラスチックの総計と採取時に測定したろ水量から、個数密度(個/m3)を算出しました。
多摩川水系
多摩川の下保之瀬橋と小菅川の流末の2地点において、いずれもマイクロプラスチックの個数密度が0.2個/m3と低い結果となりました。
相模川水系
桂川の大橋では、マイクロプラスチックの個数密度は2.0個/m3であった。令和4年度の調査結果(1.7個/m3)と比較して、微増しています。
富士川水系
笛吹川の桃林橋では、マイクロプラスチックの個数密度が5.0個/m3と、本調査の中で最も高い値でした。桃林橋の上流側には、山梨市、中央市の2ヶ所の人口集中地区が位置しており、これらの区域からマイクロプラスチックが流入している可能性が考えられます。
各調査地点で確認されたマイクロプラスチックの主な材質は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)であり、PEとPPで8割を占めました。
(3)発生源の推定
分析したマイクロプラスチックのうち、成分、色、形状など複数のデータを用いて由来となる製品を推定しました。その結果、大橋と桃林橋の2地点で採取されたマイクロプラスチックのうち、計11個のマイクロプラスチックが人口芝由来と推定されました。桃林橋では、採取されたマイクロプラスチック(78個)のうち、10%(8個)が人口芝由来とみられます。
山梨県内の河川マイクロプラスチック調査は5年目となり、継続的にデータが蓄積され、さらに実態を把握することができました。
調査結果の概要は次の通りです。
・県内の多摩川、相模川、富士川の各水系における河川を流下するマイクロプラスチックの極端な増加(個数 密度の急激な上昇)は確認できない
・富士川水系笛吹川の桃林橋付近の河川水中で採取できるマイクロプラスチックの量(個数密度)は、時期により変動が大きい
・富士川水系笛吹川の桃林橋、相模川水系桂川の大橋の河川水中において、人工芝由来と推定されるマイクロプラスチックが確認された。各地点で採取した全マイクロプラスチックに占める個数の割合は8.8〜10.3%であった
・多摩川水系多摩川の下保之瀬橋、小菅川の流末の河川水中に分布するマイクロプラスチックは微量である(個数密度が低い)。一方で、採取されたマイクロプラスチックのすべてが繊維形状であったことから、周辺や上流域の土地利用、人口分布にかかわらず、供給された可能性がある