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  手足口病について  *厚労省作成リーフレットは こちら

YCDC医師からのメッセージ

 定点情報(2024年第46週:11月11日~11月17日)/ その他情報(公表までに把握した情報)

                             (11月21日 山梨大学医学部附属病院 井上修 医師)

〇リスクアセスメント
【新型コロナウイルス感染症】
定点医療機関から報告された新規感染者数は、前週の74人(定点あたり1.80)に対し第46週は112人(定点あたり2.73)へと僅かに増加しました。下水中のウイルスRNA量も前週の約3倍に増加しており、今回の増加は山梨県内で感染が再び拡大する兆候をみている可能性があります。報告数が多い中北エリアでは定点あたり3.92でした。感染者は10歳未満から50歳代まで幅広い年齢層で発生しています。60歳代以上のシニアも報告の18%を占めており、全ての年齢で注意が必要です。国内でも新たな流行を起こすことが懸念される変異株(XEC株)が検出されており、今後さらに気温が低下し換気や手洗いが疎かになれば、全国的に感染の再拡大がおきる可能性があります。

【インフルエンザ】
定点医療機関から報告された新規感染者数は、前週の8人(定点あたり0.20)に対し第46週は38(定点あたり0.93)へと増加しました。定点あたり1.0を超えると県内も流行期入りとなります。コロナ禍が始まる前は例年11月下旬〜12月上旬に流行期入りしていましたので、本年はコロナ禍以前と類似した流行パターンとなる可能性があります

【手足口病】
県内では徐々に減少してきていますが、依然として流行が続いています。報告総数は前週は141人、第46週は123人でした。富士・東部、中北、甲府、峡東の各エリアでは警報レベルです。

【マイコプラズマ肺炎】
発熱と乾いた咳が特徴で、肺炎を引き起こすこともある細菌感染症です。小児や若者を中心に、友人や家族の間で感染が拡がりやすい病気です。咳のしぶきで感染が拡がります。現在も全国的に流行中です。県内でも前週(18人)とほぼ同じ17人の報告がありました(定点あたり1.7)。これは過去5年間の同時期の平均と比較してかなり多い報告数です

【感染性胃腸炎】
甲府市や富士・東部エリアなど地域的にノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の報告が増えています。学校や保育施設等では感染が拡がりやすく、大規模な集団感染を引き起こす恐れがあります。

〇対応
 新型コロナウイルス感染症の報告数が増加し、感染状況の目安となる下水中のウイルス量はこの夏の流行が始まる直前の第29週(7月中旬)と同じレベルに増加しています。流行を先読みして手指衛生や換気の徹底を再び意識し始めるちょうど良い時期といえます。咳やくしゃみ、鼻汁など調子が悪い方はマスクを着用しましょう。健康に不安のある方や受験生は、不特定多数が利用する屋内でマスクを着用することも、感染機会を減らす一つの方法です。ワクチン接種を受け体内の抗体量を増やしておくことも万が一感染してしまった場合の安心材料になります。これはそのままインフルエンザ対策にもなります。受験生やその保護者様、そして年齢自体が重症化リスクとなる65歳以上の年齢の方々には特に真剣に検討いただきたいと思います。
 手足口病や感染性胃腸炎はアルコール手指消毒薬の効果が乏しいため、これらの症状がある方や看病する方々は石鹸での手洗いを優先しましょう。特にノロウイルスについて、学校や保育所では吐物の処理やトイレ清掃の際に必ずマスクを着用する必要があります。各職場で処理マニュアルを再確認下さい。
  吐物処理は こちら
 (具体的な吐物などの処理方法は、リーフレット中の「感染を広げないために」をご覧下さい。

  手洗い方法は こちら

 

*マイコプラズマについては、5学会合同の提言が10月18日に出されました。
   マイコプラズマ感染症(マイコプラズマ肺炎)急増にあたり、その対策について(5学会提言) 

感染症発生状況

今週の感染症発生状況はこちら をご覧ください ! 

 *保健所毎疾患毎(インフルエンザ・コロナ・RSウイルス・感染性胃腸炎など)に今週の状況がご覧になれます。
 *3月末までトップページに掲載していたコロナ入院情報は 新型コロナウイルス感染症 のページに掲載しています。

      2024年11月21日作成

インフルエンザ及び新型コロナウイルス感染症について県内41箇所の定点医療機関から
報告された患者数及び1医療機関あたりの患者数を集計しました【赤色警報 黄色注意報 現在発令なし】。

対象期間:2024年第46週〔2024年11月11日(月曜日)~2024年11月17日(日曜日)〕

        toppage_infmap202415w               新型コロナウイルス感染症流行マップ38w                           

  ※下記数値は、「初回公表時点での数値」を掲載しています。また、医療機関から報告がなかった場合は定点当たり数値の算出対象から除いています。

インフルエンザ
山梨県 中北 峡東 峡南 富士・東部 甲府市
46週 報告数 38 20 5 2 5 6
定当 0.93 1.54 0.71 0.67 0.56 0.67
45週 報告数 8 - 3 2 - 3
定当 0.20 - 0.43 0.67 - 0.33
44週 報告数 9 3 - 2 3 1
定当 0.22 0.23 - 0.67 0.33 0.11
43週 報告数 9 3 - - 4 2
定当 0.22 0.23 - - 0.44 0.22
42週 報告数 13 7 3 - - 3
定当 0.32 0.54 0.43 - - 0.33
新型コロナウイルス感染症
山梨県 中北 峡東 峡南 富士・東部 甲府市
46週 報告数 112 51 18 5 19 19
定当 2.73 3.92 2.57 1.67 2.11 2.11
45週 報告数 74 35 13 3 13 10
定当 1.80 2.69 1.86 1.00 1.44 1.11
44週 報告数 112 42 32 4 21 13
定当 2.73 3.23 4.57 1.33 2.33 1.44
43週 報告数 120 61 20 2 16 21
定当 2.93 4.69 2.86 0.67 1.78 2.33
42週 報告数 128 72 23 2 16 15
定当 3.12 5.54 3.29 0.67 1.78 1.67

 

発生動向に関する各種資料 (定点把握対象疾患・全数把握対象疾患の発生状況病原体検出状況などがご覧になれます)

集団感染事例及び学級閉鎖等措置状況(PDF:31KB)   ※過去の分はこちら
 
施設から報告のあった事例保健所及び施設種類ごとにご覧になれます。県保健所管内のみの情報です)

  *2024年第36週以降の状況(新型コロナ措置状況(PDF:52KB) / インフルエンザ措置状況(PDF:51KB)
  *甲府市の状況は こちら

 

新型コロナウイルス感染症について

 新型コロナウイルス感染症とは、新型コロナウイルスによって起きる感染症です。主に鼻やのど、気管、肺などの臓器(呼吸器)に感染し、インフルエンザや風邪に似た症状を引き起こします。
   *新型コロナウイルス感染症の法律上の位置づけは、令和5年5月8日から「5類感染症」に移行しました。

新型コロナウイルス感染症に関する詳細情報は以下のページをご覧ください。

 

下水サーベイランス

 下水中のウイルスを検査・監視する下水サーベイランス(下水疫学調査)は、受診行動や検査数等の影響を受けることなく、無症状感染者を含めた感染状況を反映する客観的指標としての活用が期待されています。
 本県では感染状況のトレンドを把握し、感染対策に活用するため、令和5年7月から下水サーベイランス事業を実施しています。

 詳しい情報は こちら

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山梨県で発生している感染症情報

警報

手足口病(中北保健所、峡東保健所、富士・東部保健所、甲府市保健所管内)

注意報

なし