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  手足口病について  *厚労省作成リーフレットは こちら

YCDC医師からのメッセージ

 定点情報(2024年第45週:11月4日~11月10日)/ その他情報(公表までに把握した情報)

                             (11月14日 山梨県立中央病院 三河貴裕 医師)

〇リスクアセスメント
【新型コロナウイルス感染症】
この期間の新規感染者数は前週と比べてさらに減少しました。
新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は定点医療機関あたり1.80(報告総数74人)でした。なお、前週(第44週)の新規感染者数は定点医療機関あたり2.73(報告総数112人)でした。

【手足口病】
手足口病はエンテロウイルスが原因の病気で、口の中の粘膜や手足に水疱がでて熱が出る病気です。定点当たり5.88でした。特に報告が多かったのは富士・東部(定点当たり12.00)でした。全国的にもこの感染症の流行は、ピークから少し低下しましたがそれでも依然多数の報告があります。

【インフルエンザ】
インフルエンザの報告は全県で8人でした。山梨県定点のデータではこのように少数ですが、身近でインフルエンザA陽性者が見つかったりしていますし、首都圏では確実にインフルエンザ感染者が増えていますから、そろそろ山梨県でも流行しそうです。

【マイコプラズマ肺炎】
全県で18人の感染者が報告されています。本疾患は症状がわかりにくいことと、迅速検査の精度が低いため、実際にはより多くの感染者が潜在していると考えられます。

【その他】
小学校でノロウイルスの集団感染が報告されました。感染経路は不明ですがその総発症者は非常に多く、改めて本ウイルスの驚異的な感染力がわかります。ノロウイルス感染症を含んだ感染性胃腸炎報告数は多くありませんが、そろそろノロウイルスやロタウイルス感染症に注意を向ける必要がありそうです。

〇対応
 新型コロナウイルス感染症患者数は低めで安定しています。高齢者や免疫抑制者の方は、10月1日からCOVID-19ワクチンの定期接種が開始されました。一部の方は自治体から補助が出ます。現在は本疾患の感染者が下火になっているとはいえ、年に2-3回の流行を起こします。ここ数年は年末年始に大きな感染者の波がありました。最後の感染やワクチン接種から1年以上経過している方は特に接種をご検討ください。
 インフルエンザは本県では増加していません。しかし東京、神奈川、千葉をはじめとする山梨に近い都市圏では感染者が右肩上がりです。インフルエンザは学校に通う小児や若年者にピークを持つ感染症です。報道が下火なのでワクチン接種の必要性を感じにくいかもしれませんが、幼児や高齢者では重症化することがありますので、ぜひワクチン接種をご検討ください。2歳から18歳までの方には、鼻に注入するインフルエンザワクチンも承認されました。かかりつけに相談してみましょう。
 マイコプラズマ感染症はのどや肺に感染します。一部は肺炎を起こしますが、肺炎を起こさない人もいます。発熱や咳が主症状ですが普通の肺炎と比べてぐったりしないことが特徴です。診断にはその日に結果が出る迅速抗原検査などが使われていますが、診断精度がわるいという弱点があります。LAMP法などの遺伝子検査が最善ですが、結果が出るのに1-3日かかるという弱点があります。治療にはマクロライド系あるいはキノロン系抗菌薬が使われます。本疾患の流行はまだ続きそうです。

 

 *マイコプラズマについては、5学会合同の提言が10月18日に出されました。
   マイコプラズマ感染症(マイコプラズマ肺炎)急増にあたり、その対策について(5学会提言) 

 

感染症発生状況

今週の感染症発生状況はこちら をご覧ください ! 

 *保健所毎疾患毎(インフルエンザ・コロナ・RSウイルス・感染性胃腸炎など)に今週の状況がご覧になれます。
 *3月末までトップページに掲載していたコロナ入院情報は 新型コロナウイルス感染症 のページに掲載しています。

      2024年11月14日作成

インフルエンザ及び新型コロナウイルス感染症について県内41箇所の定点医療機関から
報告された患者数及び1医療機関あたりの患者数を集計しました【赤色警報 黄色注意報 現在発令なし】。

対象期間:2024年第45週〔2024年11月4日(月曜日)~2024年11月10日(日曜日)〕

        toppage_infmap202415w               新型コロナウイルス感染症流行マップ38w                           

  ※下記数値は、「初回公表時点での数値」を掲載しています。また、医療機関から報告がなかった場合は定点当たり数値の算出対象から除いています。

インフルエンザ
山梨県 中北 峡東 峡南 富士・東部 甲府市
45週 報告数 8 - 3 2 - 3
定当 0.20 - 0.43 0.67 - 0.33
44週 報告数 9 3 - 2 3 1
定当 0.22 0.23 - 0.67 0.33 0.11
43週 報告数 9 3 - - 4 2
定当 0.22 0.23 - - 0.44 0.22
42週 報告数 13 7 3 - - 3
定当 0.32 0.54 0.43 - - 0.33
41週 報告数 10 2 8 - - -
定当 0.24 0.15 1.14 - - -
新型コロナウイルス感染症
山梨県 中北 峡東 峡南 富士・東部 甲府市
45週 報告数 74 35 13 3 13 10
定当 1.80 2.69 1.86 1.00 1.44 1.11
44週 報告数 112 42 32 4 21 13
定当 2.73 3.23 4.57 1.33 2.33 1.44
43週 報告数 120 61 20 2 16 21
定当 2.93 4.69 2.86 0.67 1.78 2.33
42週 報告数 128 72 23 2 16 15
定当 3.12 5.54 3.29 0.67 1.78 1.67
41週 報告数 149 78 24 4 30 13
定当 3.63 6.00 3.43 1.33 3.33 1.44

 

発生動向に関する各種資料 (定点把握対象疾患・全数把握対象疾患の発生状況病原体検出状況などがご覧になれます)

集団感染事例及び学級閉鎖等措置状況(PDF:471KB)   ※過去の分はこちら
 
施設から報告のあった事例保健所及び施設種類ごとにご覧になれます。県保健所管内のみの情報です)

  *2024年第36週以降の状況(新型コロナ措置状況(PDF:555KB) / インフルエンザ措置状況(PDF:551KB)
  *甲府市の状況は こちら

 

新型コロナウイルス感染症について

 新型コロナウイルス感染症とは、新型コロナウイルスによって起きる感染症です。主に鼻やのど、気管、肺などの臓器(呼吸器)に感染し、インフルエンザや風邪に似た症状を引き起こします。
   *新型コロナウイルス感染症の法律上の位置づけは、令和5年5月8日から「5類感染症」に移行しました。

新型コロナウイルス感染症に関する詳細情報は以下のページをご覧ください。

 

下水サーベイランス

 下水中のウイルスを検査・監視する下水サーベイランス(下水疫学調査)は、受診行動や検査数等の影響を受けることなく、無症状感染者を含めた感染状況を反映する客観的指標としての活用が期待されています。
 本県では感染状況のトレンドを把握し、感染対策に活用するため、令和5年7月から下水サーベイランス事業を実施しています。

 詳しい情報は こちら

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山梨県で発生している感染症情報

警報

手足口病(中北保健所、峡東保健所、富士・東部保健所、甲府市保健所管内)

注意報

なし