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 ★山梨県の現在の警報  感染性胃腸炎(富士・東部保健所管内)

YCDC医師からのメッセージ

 定点情報(2025年第11週:3月10日~3月16日)/ その他情報(公表までに把握した情報)

                             (3月21日 山梨県立中央病院 三河貴裕 医師)

【要約】
新型コロナ感染症:横ばいで推移
感染性胃腸炎:拡大中。アルコールでの消毒は無効で、手洗いは石鹸と流水で、消毒は次亜塩素酸ナトリウムなどを用いる。嘔吐や下痢症状のある方は家でしっかり休み、家族が同居している場合にはトイレを使った後はしっかり消毒し、手洗いをしましょう。
麻しん:日本国内でも感染者が発生しています。

〇リスクアセスメント
【新型コロナウイルス感染症】
新型コロナウイルス感染症は横ばいで推移しています。
定点あたりの新規感染者数は4.59(188人)です。第10週は定点当たり4.15でした。

【感染性胃腸炎】
定点あたり15.25(366人)でした。特に中北地域では定点あたり19.50、富士・東部地域では定点あたり17.80と地域内流行が現在も拡大中です。ノロウイルスであると推定されます。

〇対応
【感染性胃腸炎】
ノロウイルス感染症と思われる胃腸炎が流行しています。流行のピークは少し過ぎた印象です。ノロウイルス感染症はヨーロッパでも流行しており、GⅡ株が世界的に主流です。家族内で広がることも多いです。ごく少数のウイルスで感染してしまうことがわかっており、非常に強力な感染力を持ちます。
アルコールでの消毒は無効で、手洗いは石鹸と流水で、消毒は次亜塩素酸ナトリウムなどを用いる必要があります。
発熱は少なく、特に子供では嘔吐のみであることもあります。高齢者には激しい下痢や、嘔吐で窒息したりと命取りになることがあります。嘔吐や下痢症状のある方は、家でしっかり休みましょう。家族が同居している場合にはトイレを使った後はしっかり消毒し、手洗いをしましょう。高齢者施設や病院で感染が拡大すると容易に収まりません。

【麻しん】
アメリカで麻しんが拡大しています。アメリカCDCによると、3月13日現在、301人の麻しん患者さんが見つかっており、テキサス州で最も拡大しています。すでに2024年の総患者数を超えており、ワクチン未接種か、接種の記録がない方が95%を占めています。2人死亡者が出ています。
日本では2023年に28人、24年に45人、25年に入ってまだ3ヶ月ですがすでに22人の感染者が見つかっています。神奈川、兵庫などの都市圏に多いようです。どこで感染したかわかっていない人もいるため、国内で静かに増えているかもしれません。ワクチンを2回打った記録がある方はまずかかりませんが、1回しか接種していない方や未接種者は要注意です。

 

*関連ページ :感染性胃腸炎  厚労省 ノロウイルスに関するQ&A

        麻しん  厚労省:麻しんについて

感染症発生状況

今週の感染症発生状況はこちら をご覧ください ! 

 *保健所毎疾患毎(インフルエンザ・コロナ・RSウイルス・感染性胃腸炎など)に今週の状況がご覧になれます。
 *3月末までトップページに掲載していたコロナ入院情報は 新型コロナウイルス感染症 のページに掲載しています。

      2025年3月21日作成

インフルエンザ及び新型コロナウイルス感染症について県内41箇所の定点医療機関から
報告された患者数及び1医療機関あたりの患者数を集計しました【赤色警報 黄色注意報】。

対象期間:2025年第11週〔2025年3月10日(月曜日)~2025年3月16日(日曜日)〕

      トップページインフルエンザ流行マップ警報・注意報なし                              新型コロナウイルス感染症流行マップ(白)                           

  ◆下記数値は、「初回公表時点での数値」を掲載しています。また、医療機関から報告がなかった場合は定点当たり数値の算出対象から除いています。

インフルエンザ    ※県内定当1を超えると流行入り
山梨県 中北 峡東 峡南 富士・東部 甲府市
11週 報告数 37 16 5 1 8 7
定当 0.90 1.23 0.71 0.33 0.89 0.78
10週 報告数 33 13 1 2 10 7
定当 0.80 1.00 0.14 0.67 1.11 0.78
9週 報告数 18 9 1 - 7 1
定当 0.44 0.69 0.14 - 0.78 0.11
8週 報告数 23 3 9 3 4 4
定当 0.56 0.23 1.29 1.00 0.44 0.44
7週 報告数 18 6 4 - 5 3
定当 0.44 0.46 0.57 - 0.56 0.33
新型コロナウイルス感染症*
山梨県 中北 峡東 峡南 富士・東部 甲府市
11週 報告数 188 75 32 10 47 24
定当 4.59 5.77 4.57 3.33 5.22 2.67
10週 報告数 170 81 43 2 22 22
定当 4.15 6.23 6.14 0.67 2.44 2.44
9週 報告数 138 72 17 10 25 14
定当 3.37 5.54 2.43 3.33 2.78 1.56
8週 報告数 191 100 24 10 29 28
定当 4.66 7.69 3.43 3.33 3.22 3.11
7週 報告数 190 87 27 18 35 23
定当 4.63 6.69 3.86 6.00 3.89 2.56

*本県独自基準 以下の数値を目安にYCDC医師と協議の上決定(注意報目安:定点あたり10以上、警報目安:定点あたり15以上)

発生動向に関する各種資料 (定点把握対象疾患・全数把握対象疾患の発生状況病原体検出状況などがご覧になれます)

集団感染事例及び学級閉鎖等措置状況(PDF:34KB) ※過去の分はこちら
 
施設から報告のあった事例保健所及び施設種類ごとにご覧になれます。県保健所管内のみの情報です)

  *2024年第36週以降の状況
    新型コロナ措置状況(PDF:58KB)
    インフルエンザ措置状況(PDF:57KB)
    感染性胃腸炎措置状況(PDF:57KB)
  *甲府市の状況は こちら

 

新型コロナウイルス感染症について

 新型コロナウイルス感染症とは、新型コロナウイルスによって起きる感染症です。主に鼻やのど、気管、肺などの臓器(呼吸器)に感染し、インフルエンザや風邪に似た症状を引き起こします。
   *新型コロナウイルス感染症の法律上の位置づけは、令和5年5月8日から「5類感染症」に移行しました。

新型コロナウイルス感染症に関する詳細情報は以下のページをご覧ください。

 

下水サーベイランス

 下水中のウイルスを検査・監視する下水サーベイランス(下水疫学調査)は、受診行動や検査数等の影響を受けることなく、無症状感染者を含めた感染状況を反映する客観的指標としての活用が期待されています。
 本県では感染状況のトレンドを把握し、感染対策に活用するため、令和5年7月から下水サーベイランス事業を実施しています。

 詳しい情報は こちら

最新・話題のレポート

 ★近県で麻しん(はしか)患者の発生が報告されています! 
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 梅毒感染者数が増えています!  詳細はこちら (県HP)   / 厚労省HP /  厚労省Q&A

 

 〇厚生労働省や国立感染症研究所などが公表する最新・話題のレポート

 〇YCDCレポート

 〇感染症対策グループHP

山梨県で発生している感染症情報

警報

・感染性胃腸炎(富士・東部保健所管内)

注意報

なし