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定点情報(2024年第39週:9月23日~9月29日)/ その他情報(公表までに把握した情報)
(10月3日 山梨県立中央病院 三河貴裕 医師)
〇リスクアセスメント
【新型コロナウイルス感染症】
この期間の新規感染者数は前週と比べて若干減少しました。
新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は定点医療機関あたり5.61(報告総数230人)でした。特に中北地域では多く、定点当たり8.38でした。なお、前週(第38週)の新規感染者数は定点医療機関あたり6.10(報告総数250人)でした。
【手足口病】
手足口病はエンテロウイルスが原因の病気で、口の中の粘膜や手足に水疱がでて熱が出る病気です。定点当たり7.13でした。特に報告が多かったのは富士・東部(定点当たり13.80)、中北(定点当たり9.13)でした。このウイルスは発熱、頭痛、嘔吐を症状とするウイルス性髄膜炎を起こすことがあります。
【その他】
インフルエンザの報告は全県で7人でした。
また定点報告数は少ないですが、マイコプラズマ肺炎患者を診断することが比較的多いです。
〇対応
新型コロナウイルス感染症患者数はそろそろ底値かと思います。それでもときどき集団感染事例を見ます。高齢者や免疫抑制者の方は、10月1日からCOVID-19ワクチンの定期接種が開始されました。定期接種対象の方は自治体から補助が出ます。最後の感染やワクチン接種から1年以上経過している方は特に接種をご検討ください。
インフルエンザは増加していません。この間北半球の他の国々や日本の他の都道府県を見ても、沖縄県以外では増加がまだみられません。昨年はワクチン接種前から流行しましたが今年は間に合いそうです。インフルエンザは学校に通う小児や若年者にピークを持つ感染症です。幼児や高齢者では重症化することがありますので、ぜひワクチン接種をご検討ください。2歳から18歳までの方には、鼻に注入するインフルエンザワクチンも承認されました。かかりつけに相談してみましょう。
世界に目を向けてみると、現在戦争が生じているレバノンやパレスチナでは難民がさらに発生しそうです。このようなところではコレラやインフルエンザなど感染症が流行しやすいです。またルワンダではエボラ熱と同じフィロウイルスによって生じるマールブルグ熱の流行が見られます。日本には直接関係しないですが、感染症アウトブレイクは洪水や台風などインフラがダメージを受け、集団生活を余儀なくされるところで発生します。山梨県は災害が少ないですが、住民と行政がともに避難所での生活を想定した感染対策の準備を進めていく必要があります。
◆今週の感染症発生状況はこちら をご覧ください !
*保健所毎や疾患毎(インフルエンザ・コロナ・RSウイルス・感染性胃腸炎など)に今週の状況がご覧になれます。
*3月末までトップページに掲載していたコロナ入院情報は 新型コロナウイルス感染症 のページに掲載しています。
2024年10月3日作成
インフルエンザ及び新型コロナウイルス感染症について県内41箇所の定点医療機関から
報告された患者数及び1医療機関あたりの患者数を集計しました【赤色警報 黄色注意報 現在発令なし】。
対象期間:2024年第39週〔2024年9月23日(月曜日)~2024年9月29日(日曜日)〕
※下記数値は、「初回公表時点での数値」を掲載しています。また、医療機関から報告がなかった場合は定点当たり数値の算出対象から除いています。
インフルエンザ | |||||||
週 | 山梨県 | 中北 | 峡東 | 峡南 | 富士・東部 | 甲府市 | |
39週 | 報告数 | 7 | 4 | 1 | - | - | 2 |
定当 | 0.17 | 0.31 | 0.14 | - | - | 0.22 | |
38週 | 報告数 | 10 | 2 | 4 | - | 4 | - |
定当 | 0.24 | 0.15 | 0.57 | - | 0.44 | - | |
37週 | 報告数 | 5 | 3 | - | - | 1 | 1 |
定当 | 0.12 | 0.23 | - | - | 0.11 | 0.11 | |
36週 | 報告数 | 26 | 3 | 14 | - | 8 | 1 |
定当 | 0.63 | 0.23 | 2.00 | - | 0.89 | 0.11 | |
35週 | 報告数 | 14 | 4 | 2 | 4 | 4 | - |
定当 | 0.34 | 0.31 | 0.29 | 1.33 | 0.44 | - |
新型コロナウイルス感染症 | |||||||
週 | 山梨県 | 中北 | 峡東 | 峡南 | 富士・東部 | 甲府市 | |
39週 | 報告数 | 230 | 109 | 56 | 6 | 19 | 40 |
定当 | 5.61 | 8.38 | 8.00 | 2.00 | 2.11 | 4.44 | |
38週 | 報告数 | 250 | 121 | 46 | 12 | 36 | 35 |
定当 | 6.10 | 9.31 | 6.57 | 4.00 | 4.00 | 3.89 | |
37週 | 報告数 | 285 | 124 | 49 | 18 | 47 | 47 |
定当 | 6.95 | 9.54 | 7.00 | 6.00 | 5.22 | 5.22 | |
36週 | 報告数 | 422 | 172 | 82 | 26 | 85 | 57 |
定当 | 10.29 | 13.23 | 11.71 | 8.67 | 9.44 | 6.33 | |
35週 | 報告数 | 417 | 204 | 73 | 15 | 61 | 64 |
定当 | 10.17 | 15.69 | 10.43 | 5.00 | 6.78 | 7.11 |
◆発生動向に関する各種資料 (定点把握対象疾患・全数把握対象疾患の発生状況や病原体検出状況などがご覧になれます)
◆集団感染事例及び学級閉鎖等措置状況(PDF:33KB) ※過去の分はこちら
(施設から報告のあった事例を保健所及び施設種類ごとにご覧になれます。県保健所管内のみの情報です)
*2024年第36週以降の状況(新型コロナ措置状況(PDF:51KB) / インフルエンザ措置状況(PDF:50KB))
*甲府市の状況は こちら
新型コロナウイルス感染症とは、新型コロナウイルスによって起きる感染症です。主に鼻やのど、気管、肺などの臓器(呼吸器)に感染し、インフルエンザや風邪に似た症状を引き起こします。
*新型コロナウイルス感染症の法律上の位置づけは、令和5年5月8日から「5類感染症」に移行しました。
新型コロナウイルス感染症に関する詳細情報は以下のページをご覧ください。
下水中のウイルスを検査・監視する下水サーベイランス(下水疫学調査)は、受診行動や検査数等の影響を受けることなく、無症状感染者を含めた感染状況を反映する客観的指標としての活用が期待されています。
本県では感染状況のトレンドを把握し、感染対策に活用するため、令和5年7月から下水サーベイランス事業を実施しています。
詳しい情報は こちら
★厚生労働省や国立感染症研究所などが公表する最新・話題のレポート
★警報・注意報疾患に関するページ
★最近のYCDCレポート
警報 |
手足口病(中北保健所、富士・東部保健所、甲府市保健所管内) |
注意報 |
なし |