ページID:2938更新日:2021年6月18日
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電気事業は、昭和32年、「野呂川総合開発計画」の一環として西山発電所の運転を開始して以来、早川や笛吹川などで18箇所の水力発電所を運営し、出力11万9,220キロワットで、年間約4億7千万キロワットアワーの電力を家庭や工場などに供給してきました。
さらに、小水力発電の普及促進を目的に、モデル施設として建設した塩川第二発電所(82キロワット)と若彦トンネル湧水発電所(80キロワット)が平成22年4月から、深城発電所(340キロワット)が平成24年4月から、大城川発電所(49キロワット)が平成26年9月から運転を開始しました。また、「やまなし小水力ファスト10」事業により、第一地点の朝穂堰浅尾発電所(12キロワット)が平成27年4月から、第二地点の重川発電所(110キロワット)が平成29年6月から、第三地点の峡東水道第一発電所(100キロワット)、第四地点の峡東水道第二発電所(35キロワット)が平成31年4月から、第五地点の西山ダム発電所(49キロワット)が令和2年8月から運転を開始しました。
平成29年10月から、発電所の改修等により効率に余力がある発電所(野呂川発電所、奈良田第一発電所、奈良田第二発電所、琴川第二発電所、柚ノ木発電所、天科発電所)において最大出力を増加し、27箇所の水力発電所の合計最大出力は12万1,597キロワットとなりました。
再生可能エネルギーである水力発電による電力の供給は、県民の生活や産業を支えるとともに、毎年、約12万5千キロリットル(ドラム缶約63万本)の原油消費を削減し、約35万トンの二酸化炭素を抑制するなど、循環型社会システムの構築を図るとした「さわやか・やまなし」の実現に重要な役割を果たしています。
また、事業の経営状況については、発電所の数、設備規模、利益率等全国25公営電気事業者(令和3年4月1日現在)の中でも上位にあり、安定した経営を続け、ここ数年は、毎年10億円程度の利益を計上してきました。
堅実な事業運営により得られた利益は、ミレーの絵画「種をまく人」などの購入や市町村振興資金の原資、美術資料購入資金等への低利融資などに活用するとともに平成17年度からは、一般会計予算の環境保全等に資する事業に対し、繰り出すなど県政推進に財政面からも貢献しています。
また、施策への取り組みでは、クリーンエネルギーの普及促進に取り組むことにより、低炭素社会の実現と経済活性化の両立を目指すとした「やまなしグリーンニューディール計画」に基づき、「クリーンエネルギー活用推進事業」を積極的に進めることとし、平成24年1月には東京電力(株)と共同で甲府市の米倉山に建設した大規模太陽光発電所が完成しました。この米倉山太陽光発電所に設置したPR施設「ゆめソーラー館やまなし」では、展示や運営を通じ、再生可能エネルギーや地球温暖化などの環境学習の場とすることはもとより、次世代エネルギーの情報発信も行っています。
今後も、豊かな水資源を活用した水力発電による電力の安定供給及びクリーンエネルギーの開発推進により、自立・分散型エネルギーの導入促進など地球温暖化対策の推進に向け、県の環境施策に貢献していきます。
山梨県営では最大の発生電力(27,600キロワット)である「奈良田第一発電所」
平成20年4月に運転を開始した「琴川第三発電所」