トップ > 組織案内 > 観光文化・スポーツ部 > 山梨県立考古博物館 > 常設展示と周辺施設 > 当館所蔵の重要文化財 > 酒呑場遺跡出土品保存修理事業
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縄文時代の集落遺跡を調査すると大量の遺物が出土します。出土した土器などは発掘調査の結果をまとめた報告書を作成するため、破片をつなぎ合わせ、欠けている部位に石膏などを充填します。ただし、この措置はあくまで応急的に修理したものであり、時間が経過するにつれて、復元した部位は劣化します。また、表面が脆い土器などは、土器を動かす過程で摩耗が進む恐れがあります。
重要文化財の取り扱いを定めた文化財保護法では、「文化財の所有者その他の関係者は、文化財が貴重な国民的財産であることを自覚し、これを公共のために大切に保存するとともに、出来るだけこれを公開する等その文化的活用に努めなければならない」「重要文化財の所有者は、この法律並びにこれに基づいて発する文部科学省令及び文化庁長官の指示に従い、重要文化財を管理しなければならない」とされています。
重要文化財に指定された酒呑場遺跡出土品は、将来的な保存や展示に耐えうるようにするため、文化庁の指導を受けながら、土器62点や土製品6点の保存・修理を行っております。保存修理事業により、欠損部は樹脂で充填され、脆い部分も補強されました。
今後も継続的に事業を進め、公開・展示できる資料を増やす予定でおります。
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勝坂様式の土器群では、朝顔形・樽形・バケツ形などバラエティーに富んだ深鉢形土器と、浅鉢形・鉢形・有孔鍔付・注口・台形・ミニチュア土器などの多彩に器種が加わり、さらには人体文やみみずく状の眼鏡形突起、サンショウウオ状の抽象文、蛇体文など当時の人々の豊かな生活感と精神文化を象徴するものが多数みられます。これらの資料は山梨県周辺のみならず全国的に見ても八ヶ岳周辺の縄文文化の優美性を象徴するものとして高く評価されています。また、深鉢形土器(写真下・左)は、豆類を把手に含んでおり、縄文時代中期における植物栽培を示す資料として注目されています。
保存修理を行う土器は欠損部に石膏などが施され接合されておりますので、最初に接合部を取り外しながら、接着剤などを土器から剥がしとる作業を行います(解体)。土器片に汚れが付着している場合には有機溶剤を用いてこの段階でクリーニングします。土器の表面が脆い資料は樹脂溶剤に浸すことで強化します。
続いて、アクリル系樹脂を用いて土器片を接合します。この際に欠損している部位には事前調査による復元図に従って、エポキシ系樹脂の充填剤で内外面を被覆し、復元します(樹脂充填)。
復元部に文様が施されたと考えられる場合は、土器に観察される文様の形状から補刻を行います。ただし、文様の形状などに複数の可能性が想定される場合は、基本的に補刻を行いません。補刻終了後には彩色を施して、一連の作業は終了となります。
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YouTube版山梨インターネット放送局にて、平成26~31年度まで実施した酒呑場遺跡出土品保存修理事業の紹介動画を公開中です。
今年度は文化庁が実施している「日本の美再発見!文化財美術工芸品魅力開花推進事業」の補助金を受け、深鉢形土器1点・浅鉢形土器1点・鉢形土器1点・有孔鍔付土器1点の修理を行っております。
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国宝・重要文化財などを活用に適した状態に保ち、観光資源としての魅力を向上させるために行う、文化庁の補助事業です。