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ページID:4488更新日:2017年6月16日

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遺跡トピックスNo.0036小井川遺跡〔こいかわいせき〕

中央市の遺跡

  • 0036小井川遺跡-布施荘・五輪塔・大型建物跡その1-
  • 0085小井川遺跡-カマド-
  • 0120小井川遺跡-池状遺構・五輪塔-
  • 0130小井川遺跡-大型建物跡その2-
  • 0041平田宮第2遺跡-井戸-
  • 0060平田宮第2遺跡-祭祀-
  • 0401鎌田川旧堤防遺跡

この遺跡は、甲府盆地の中西部にあって、昨年6月より、新山梨環状道路の建設に先立って発掘調査が実施されています。

遺跡の概要

所在地:中央市(旧田富町)布施小字小井川

時代:中世

報告書:現在調査中につき、平成19年度末刊行の予定

調査機関:山梨県教育委員会山梨県埋蔵文化財センター

西側から見た小井川遺跡の全景

トピック1-「布施荘」の手がかり

山梨では、古代から中世にかけての荘園の実態は、史料もあまり残ってなく、これまで現地に即した解明はあまり進んでいませんでした。

 

今回の発掘調査では、出土した鎌倉時代末の五輪塔の一部(地輪の残欠)に見られた銘文から、「二藤布施忠光」という人物の存在が明らかになりました。

 

この人物の名前から、この地が当時から「布施」であったことや、忠光は、ここに住んで、京都の荘園領主から現地の経営を任されていた有力者の可能性が高いとみられます。

トピック2-県内最古の有銘五輪塔

今回の発掘調査では、いろいろな出土遺物の中に、五輪塔や宝篋印塔などの部材が多く含まれております。これらは出土の状況から、鎌倉時代末から戦国時代にかけて、供養などのために造立されたものが、役割を終えて解体され、新たに戦国時代の終わり頃の施設に再利用されていることがわかりました。

「延慶3年」の銘文

中でも注目されるのは、「延慶三年三月廿九日/未之時/御往生」と記された五輪塔の部材(地輪)です。

 

延慶3年というのは、西暦1310年で、これまで県内最古とされていた甲斐市竜地の応長元年(1311年)よりさらに古いものといえます。

延慶3年銘の五輪塔の地輪

トピック3-16世紀後半の大型建物跡

初めの全景写真でもわかるように、礎石を用いた9間×6間という、当時としては規模の大きな建物の存在があきらかになりました。

 

その性格として、現段階では、有力者の居館のように受けとめられますが、建物規模や古い石塔を礎石に転用していることから寺の可能性もあり、今後の検討課題となっています。

 

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