トップ > 組織案内 > 県教育委員会の組織(課室等) > 埋蔵文化財センター_遺跡トピックスNo.143大木戸遺跡
ページID:4385更新日:2017年6月16日
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甲州市の遺跡
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大木戸遺跡は、甲府盆地の東を流れる重川右岸の河岸段丘上(かがんだんきゅうじょう)、標高約390m地点に位置しています。遺跡は塩山東バイパス建設工事のため、平成10~11・14(1998~1999・2003)年度に発掘調査が行われ、縄文時代(約6,000~4,500年前)のムラの跡や平安時代(約1,000年前)の集落跡が発見されました。
遺跡ではたくさんの土器や石器が出土しましたが、中には硬(かた)い水晶を巧(たく)みに加工した石器や長野県和田峠(わだとうげ)や静岡県天城柏峠(あまぎかしわとうげ)、東京都神津島(こうずしま)など様々な地域からもたらされた黒曜石などがあり、当時の人々の技術の高さや交易の広さなど、豊かな暮らしぶりを知ることができます。
所在地:甲州市塩山熊野(旧塩山市) 時代:縄文時代前期・中期・平安時代 報告書:山梨県埋蔵文化財センター調査報告書第205集2003(平成17)年刊行 調査機関:山梨県教育委員会・山梨県埋蔵文化財センター 写真甲州市塩山の大木戸遺跡を遠くからみたところ※赤丸は発掘調査地点 縄文時代前期(約6,000年前)のイエの跡写真大木戸遺跡でみつかった約6,000年前のイエの跡
大木戸遺跡では、縄文時代前期(約6,000年前)のイエの跡が10軒確認されました。しかしこの10軒は同時に存在したのではなく、一時期に2~3軒ずつ、時には1軒しか所在していなかったことが、出土した土器などからわかります。
上の写真は大木戸遺跡で確認された約6,000年前のイエの跡です。円形ですり鉢状にイエの中央部が低くなっていて、壁際にはイエを支えた柱の跡が8本巡っていました。中央やや右側では火を焚いた痕跡が見つかっていることから、ここで調理したり暖(だん)をとったりしていたのでしょう。
このイエは人が住まなくなってからは土器捨て場として利用されており、発掘調査ではたくさんの土器や石器が出土しました。
大木戸遺跡から出土した土器や石器などの遺物は、甲府市の県立考古博物館に展示されています。 写真左上:たくさんの土器や石器が捨てられていた様子写真右上:隣にはさらに古いイエがありました。
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