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ページID:26024更新日:2016年2月8日
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笛吹市の遺跡
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世界最大級とは、ずいぶん大きな話だと、あやしまれるかもしれません。 でも、縄文土器は、わが日本列島に花開いた縄文文化の産物。 この列島において、一番大きければ、一躍、世界最大ということになります。 では、日本で一番大きいのか、確定はできないので、級がつきます。 [写真]花鳥山遺跡出土縄文土器 この縄文土器は、縄文時代前期の終わり頃、土器の型式でいうと諸磯式に相当するもので、いまから約6千年前の時代の生活用具の1つです。 この土器の見どころは・・・朝顔のような形に開く口(口縁部:こうえんぶ)の直径は、98cmとなっています。 この土器は、遺跡の中の包含層(ほうがんそう)と呼ばれるところから、破片で出土したもので、現地調査終了後の整理作業の中で、こうした形に復元されました。 こちらは、この土器の実測図です。この図から、知ることのできる高さは、23cm前後となります。調査報告書の所見では、「胴部の立ち上がりの角度が急であり、深鉢とは思われない」とされています。いいかえると、この図でわかるように、土器の下の方は発見されていませんが、もうちょっとで底になる、高さ30cm程度の浅鉢(あさばち)の形をした土器ではないかというものです。また報告書では、「器厚は超大型の割には厚くなく」ふつうに見る土器とそんなに変わらないとされています。 土器作りをした経験をお持ちの方は、すぐにお分かりになると思いますが、柔らかな粘土を積み上げて、このような角度をつくるのは、非常に困難なことであります。 こんな大きな土器を、どんなふうに使ったのか、ということもありますが、どのように作ったのか、とてもミステリアスです。この土器は、大きさの割に残存した部分が少なく、大部分が石膏(せっこう)復元であることもあって、一般に展示などで公開されることはなく、ふだんは収蔵庫の中に鎮座しています。今回、ホームページ上での初公開となります。 花鳥山遺跡の概要
この花鳥山遺跡は、山梨県の考古学界では、ごく早い時期から知られていた、著名な遺跡です。今回のトピックスで取り上げた大きな土器が出土した発掘調査は、1987(昭和62)年の秋に実施されたのもで、とりわけ縄文時代前期の食生活にかかる資料が豊富に得られていて、これまでの遺跡トピックスでも、次のような記事が掲載されています。あわせてご参照ください。 過去の関連記事一覧遺跡トピックスNo.0135花鳥山遺跡-エゴマ種子塊 遺跡トピックスNo.0194花鳥山遺跡から出土した、縄文人の食生活を知る遺物
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