トップ > 組織案内 > 県教育委員会の組織(課室等) > 埋蔵文化財センター_遺跡トピックスNo.0224安道寺遺跡
ページID:28799更新日:2017年5月17日
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甲州市の遺跡
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安道寺遺跡土器に付く飾りの謎安道寺遺跡は甲州市にある小倉山の南側に張り出した台地上に位置する縄文時代中期(今から約4,500年前)の遺跡です。この一帯には縄文時代中期の遺跡が集中しています。 土器に付く動物モチーフのアップ 今回は、安道寺遺跡の住居跡内の土坑(どこう:あなのこと)から見つかった土器のモチーフについて紹介してみましょう! 所在地山梨県甲州市中萩原安道寺 時代縄文時代中期(今から約4,500年前) 調査機関山梨県埋蔵文化財センター 報告書山梨県教育委員会1978『安道寺遺跡調査報告書(概 報)』 動物モチーフの付いた土器安道寺遺跡から見つかった土器には、ある動物のモチーフが付いています。 そう、イノシシです。土器の中をのぞき込むように、イノシシの頭がちょこんとのっています。 このイノシシ、実は、後ろから見ると全く違う生き物の姿をしています。・・・というか、頭はイノシシですが、その下はヘビに変身しているのです。また、前から見るとイノシシで、後ろから見ると大きな口を開いたヘビの姿だという人もいます。 黄線内が、かぱっと大きく開いたヘビの口? この土器に付いている、イノシシとヘビは縄文土器によく見られる動物モチーフです。なぜイノシシ、そしてヘビなのでしょうか? その意味はよくわかっていませんが、イノシシは一度に4~5匹の子を産む多産な動物であり、豊かな恵みの象徴だったとも言われています。また食料にもなり、縄文人にとって身近な動物で、モチーフにし易かったのかも知れません。 ヘビは手足がない特異な姿をしており、脱皮して生まれ変わり、冬眠してもまた春には姿をあらわすことから、不死の生き物と考えられていたと言われます。またマムシなどに噛まれれば人が死んでしまうこともあることから、縄文の人々はヘビを恐れ、神と見なしていたのかも知れません。 このように、その理由については想像の域をでませんが、縄文人がイノシシそしてヘビを特別視していたことは間違いないでしょう。 現代でもヘビは神様今でも、ヘビは身近なところで神に寄り添い、その役割を果たしています。 諏訪神社(富士吉田市)の拝殿 例えば、神社などでよく見られるしめ縄、このしめ縄は神域と俗世とを隔てる結界(けっかい:宗教的な意味をもつ境目)を意味しており、また「神がここに宿っています」という印であるとも言われています。 しめ縄部分のアップ このしめ縄は‘ヘビ’をあらわしているとも言われていますが、このように時代は変わっても、同じ生き物をある意味信仰の対象にしていることを考えると、何だか不思議な気がしますね。 |