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ページID:37037更新日:2017年5月9日
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「置きカマド」の用法は?〔写真〕平安時代の住居跡から発見された置きカマド カマドは古墳時代後期(約1500年前)ごろから日本で使用されるようになりました。今でこそ見ることが少なくなったカマドですが、1950年代頃までは、地域にもよりますが一般的なものとして使用されてきました。 カマドというと土間に置かれているつくりつけられたものを思い浮かべることが多いと思いますが、今回紹介するカマドは持ち運び可能な「置きカマド」です。カマドの破片がたくさん残っていたので本来の姿に近い形で復元することができました。口径約34cm、高さ約35cmあります。この置きカマドは住居跡のつくりつけのカマド内から発見されました。 〔写真〕置きカマドが発見されたときの様子 古墳時代、平安時代は住居内のつくりつけのカマドと持ち運びできる置きカマドの両方を使用していたようです。つくりつけカマドがもっぱら調理場として使用されたと思われるのですが、置きカマドは何のために用いたのでしょう。 ひとつの説としては、祭祀に用いられたと考える説があります。古代からカマド神を祀(まつ)っていたことは考古学や文献による研究などでわかっていますが、カマドの神様を祀り、専用の置きカマドで煮炊きした食物をお供えしたのかもしれません。 どのような煮炊き具が使用されていたのかもはっきりとしていません。写真はあくまでも想像で、置きカマドにちょうど収まるくらいのもっと口径が大きな羽釜(はがま)や鉢などを使用していたのではないかと思われます。 遺跡の概要二之宮遺跡は中央自動車道建設に先立ち発掘調査が行われました。 調査の結果、住居跡が392件(縄文時代1軒、弥生時代3軒、古墳時代157軒、奈良時代24軒、平安時代198軒、時期不明9軒)と非常に大きな集落跡が存在したことがわかりました。 所在地笛吹市御坂町二之宮地内 主な時代古墳時代、奈良・平安時代 調査期間1979年12月~1981年10月 報告書山梨県埋蔵文化財センター調査報告書第23集「二之宮遺跡」 二之宮遺跡から見つかった甑(こしき)、長胴甕(ちょうどうがめ)の紹介もしています。ご覧になってみてください。 お知らせ平成23年度春季企画展「古代の台所~縄文土器から圧力鍋まで~」(4月23日(土曜日)~6月26日(日曜日))が県立考古博物館で開催されます。 今回紹介した置きカマドも展示しています。ぜひ足を運んでみてください。
※この企画展は終了しました。
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