トップ > 組織案内 > 観光文化・スポーツ部 > 山梨県埋蔵文化財センター > 埋蔵文化財センター_遺跡トピックス一覧 > 埋蔵文化財センター-遺跡トピックスNo.0294甲ッ原遺跡
ページID:37957更新日:2016年2月25日
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北杜市の遺跡
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甲ッ原(かぶつっぱら)遺跡で見つかったとってもきれいな土器片を紹介します。
この土器片には、ウルシが塗られていました。ベンガラウルシやクロメウルシで彩られています。このためこの土器は、彩色(さいしょく)土器または彩文(さいもん)土器とよばれています。
土器の表面にはベンガラウルシを塗り、縦横の細い線にはクロメウルシで線を引いています。
【甲ッ原遺跡データ】 所在地:北杜市大泉町西井出字和田・字大林 時代:縄文時代前期(今から約5,500年前) 調査機関:山梨県埋蔵文化財センター 遺跡の標高:約790m 調査の原因:一般県道須玉・八ヶ岳公園線建設に伴う発掘調査 住居跡の軒数:112軒 土坑の数:約660基 調査回数:第1次調査~第7次調査まで(1989~1993年、1995年、1997年まで 報告書名:山梨県埋蔵文化財センター調査報告書第96集甲ッ原遺跡(第5次)1. 山梨県埋蔵文化財センター調査報告書第114集甲ッ原遺跡2.(第3次・第4次調査) 縄文時代前期後半(今から約5,500年前)に既にあったウルシ技術縄文時代の大集落である甲ッ原遺跡は、北杜市(旧大泉村)大泉町西井出に位置しています。 縄文時代前期の諸磯(もろいそ)b式期(今から約5,500年前)のこの土器片は、1993年第5次調査の第46号住居跡から出土しました。 土器片の表面と裏面は、やや黒ずんだ淡い赤色で塗られています。 この淡い赤色の層は、土器の表面に極めてよく密着していて、薄い膜となっているのが特徴です。 この赤色はベンガラウルシで、その上に描かれた線の文様は、幅が1mm前後で高く盛り上がっています。 まず、土器を焼いたのち、まだ土器が熱い段階で器の表面にベンガラウルシを塗り、その後クロメウルシで線の文様が描かれています。 このため、ウルシが土器にとてもよく密着しています。 そしてこの細い線は、筆のようなもので引いたのではないかと思われます。 縄文時代の人はすごい技術を持っていたのに感動! それにしても、ウルシにかぶれることはなかったのでしょうか??? もしかしたら、家の中でのたうちまわっていたりなんかして・・・・・・。
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