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ページID:38699更新日:2017年5月22日
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夏の夜、富士山を見たことがありますか。先月8月26日に富士山の登山シーズンは終了しましたが、シーズン中は富士山8合目付近からキラキラと光る道ができていたのをご存知でしょうか。
翌日のご来光を見ようと夜中に登る登山者のヘッドライトの小さな明かりが道となり、暗闇の中に光の道となって現れる夏の風物詩ですね。今回のトピックスは「灯り」について紹介しようと思います。 富士山二合目から出土した「灯り」の道具平成19年度の中世寺院分布調査にて、富士山二合目にある冨士御室浅間神社二合目本宮境内地(ふじおむろせんげんじんじゃにごうめほんぐうけいだいち)の西側にある行者堂跡(ぎょうじゃどうあと)の調査で灯明皿(とうみょうざら)が発見されています。時代は一緒に出土した陶磁器類などから16世紀~18世紀のもので、安土桃山時代から江戸時代に使われていたと思われます。所在地:南都留郡富士河口湖町勝山地内 時代:安土桃山時代~江戸時代 報告書:山梨県埋蔵文化財センター調査報告書第260集 調査機関:山梨県埋蔵文化財センター 発見された灯明皿大きさ直径約10センチ、高さ約2センチ 発見された灯明皿の実測図 灯明皿とは明かりを灯すために、お皿の中に油を注ぎ付けたヒモに火を点けるというシンプルなものです。使用例として左の写真の灯明皿(受け皿)の上に灯明皿をのせて使います。上に重ねた灯明皿一枚でも使用可能ですが、油が芯から伝わり床にたれて落ちて無駄にならないよう下の受け皿にためるというものです。電気のような明るさはないのですが、非常に便利なものでした。 左:灯明皿(受け皿)右:灯明皿(使用例:イメージ) やさしい灯りで電気使用量が連日テレビなどで知らされ、節電につとめた夏でした。計画停電の際、ひとつの部屋に家族が集まり炎の灯りで過ごされた方もおおかったのでは・・・夜も昼と変わらない明るさで過ごすことが多い現在ですが、ゆらゆら揺れる炎の“灯り”を囲み、家族で秋の夜長を過ごされるのも良いかもしれませんね。 |