更新日:2024年2月19日

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山梨のブランド牛肉「甲州牛」に懸ける心意気!
【後編】

渡辺三夫氏

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畜産に携わり50年、現在も「甲州牛・甲州ワインビーフ推進協議会」の会員として、山梨のブランド牛肉の普及や後継者の育成など多岐に渡る活躍を続けている渡辺さん。後編では、渡辺さんが生産する甲州牛の品質の素晴らしさや山梨の畜産業に対する思いなどを紹介します。

「第50回山梨県肉畜鶏卵共進会(肉牛の部)」で金賞(山梨県知事賞)を受賞

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渡辺さんは、品質の優れた肉牛を生産し、畜産に対する一般の理解を深め、食肉の消費拡大を図るなど、山梨県の畜産の振興に寄与することを目的に開催されている「第50回山梨県肉畜鶏卵共進会(肉牛の部)」において金賞(山梨県知事賞)を受賞しました。第50回の節目となった2022年は、和牛・交雑種合わせて68頭の出品があり、日本食肉格付協会の職員をはじめとする専門家により構成された審査員が、歩留まりや肉質等級を細かく確認するなど厳正な審査が行われました。いずれも高品質な肉が揃う中で、渡辺さんが出品した黒毛和種が、肉付きや霜降り(サシ)の入り具合などすべてにおいて高い評価を得て最高賞である金賞受賞となりました。「丹精こめて育て、自信を持って出品した肉で受賞でき、とても光栄に思います。また本当に美味しい『甲州牛』を多くの皆様に知っていただく機会になったことも嬉しく感じています」。

山梨県内に食肉市場があることは強み

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「日本全国を見ても、公立の牧場と、食肉市場の両方が揃っているのは珍しいと思います。畜産が盛んな県でも、食肉市場が無いために遠方まで牛を運搬しているケースが多くあります。しかし長距離の移動は牛にストレスをかけてしまうため好ましくありません。山梨は県内に食肉市場があるおかげで、育て上げた牛の品質の高さを維持したまませりにかけることができるので、大きなメリットになっています。昨今の物価高騰の影響は畜産業にも出ています。しかし、売り値が決まっている牛乳などと違い、肉牛は良いものを作れば高い値段が付くので、企業努力により物価高騰の影響をカバーすることができます。その点でも、県内にせり市場があることは、私たちにとって非常にありがたい事なのです」。

山梨県の恵まれた環境のもと、さらに広がっていく県内畜産業の可能性!

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山梨県立八ヶ岳牧場は大正15年に開設された歴史ある牧場です。県有の優良肉用繁殖雌牛(黒毛和種)を飼養し、優良子牛の生産と配布を行って肉用牛の生産振興に寄与しています。
「私は山梨県の継続的なサポートがあったからこそ、山梨の畜産業がここまで発展できたと思っています。県立牧場で優良な黒毛和種の繁殖をしてくれていることも畜産業の持続的な経営や体質強化に欠かせません。以前は県外から子牛が入っていましたが、今では山梨生まれ、山梨育ちが増えてきています。繁殖から流通まで、全てを県内で完結できる環境がある山梨の畜産業の可能性は、これからさらに広がっていくと思います」。

自慢の甲州牛を味わってください!

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柔らかな肉質と鮮やかな肉色、きめ細やかな霜降り(サシ)、そして豊かな風味が特徴的な甲州牛の美味しさは格別です。
「サシの入り具合に合わせて食べ方を変えると、その肉の持つ1番美味しい味が味わえると思います。サシが多い部位は、脂の甘みや旨味が十分に味わえる焼き肉やステーキがいいですね。あっさり食べたい方にはしゃぶしゃぶもおすすめです。しゃぶしゃぶでも甲州牛独特の旨味と甘みは堪能できますよ。赤身が多い部位はローストビーフにしてみてください。赤身の魅力が引き立ち、本当においしいです」。


畜舎をまわりながら、明るく話をしてくれた渡辺さん。牛に向き合うその姿から、この道一筋50年のプライドと、何より「牛が好き」という思いが伝わってきました。
美味しい未来に向かって、渡辺さんの挑戦は続いています。

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