ページID:34254更新日:2024年9月1日
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多くの人は、自分は自殺と関係ないと考えがちですが、実際は自分や家族、友人など周りの人が当事者となる可能性があります。
県民一人ひとりが、自殺は誰にも起こり得る身近な問題であることを認識する必要があります。
自殺は、病気の悩み等の健康問題のほか、倒産、失業、多重債務等の経済・生活問題、介護・看病疲れ等の家族問題等、様々な要因が複雑に関係しています。
自殺は個人の自由な意思や選択の結果ではなく、その多くが様々な悩みにより心理的に「追い込まれた末の死」ということを認識する必要があります。
世界保健機関(WHO)が「自殺は、その多くが防ぐことができる社会的な問題」であると明言しているように、自殺は社会の努力で避けることのできる死であるということが、世界の共通認識となっています。
心理的な悩みを引き起こす様々な要因に対する社会の適切な介入により、また、自殺に至る前のうつ病等の精神疾患に対する適切な治療により、多くの自殺は防ぐことができます。
死にたいと考えている人は、心の中では「生きたい」という気持ちとの間で激しく揺れ動いており、不眠、原因不明の体調不良、自殺をほのめかす言動等、自殺の危険を示すサイン(予兆)を発している場合が多いとされています。
自殺を図った人の家族や職場の同僚など身近な人でも、自殺のサインに気づきにくい場合もありますので、身近な人以外の人が自殺のサインに気づき自殺予防につなげていくことが必要です。
事実:世間に広く存在する自殺への偏見を考慮すると、自殺を考えている人の多くは誰にそのことを話せばいいのかわからない。隠し立てせずに自殺について語り合うことは、自殺関連行動の助長ではなく、その人に自殺以外の選択肢や決心を考え直す時間を与えることができる。結果として、自殺を防ぐことにつながる。
事実:自殺について語る人は、外側に向けて助けや支援を求めているのかもしれない。自殺を考えているきわめて多くの人が、不安、うつ、絶望を感じており、自殺の他に選択肢がないと考えている可能性がある。
事実:反対に、自殺を考えている人は「生きたい」気持ちと「死にたい」気持ちの間で揺れ動いていることが多い。例えば、農薬を衝動的に飲んでしまい、生きたいと思っても数日後に亡くなることがある。正しいタイミングで情緒的支援にアクセスすることができれば、自殺を防ぐことができる。
事実:自殺のほとんどの事例で自殺前に、言葉か行動に周囲の人が気づくような兆候(warning sign)を示していた。もちろん兆候無しに起きる自殺もある。しかし、周囲の人が気づくような兆候とはどのようなものかを理解し、それに注意を払うことが大切である。
事実:自殺リスクが高まることは一時的なものであり、その時の状況に依存することが多い。自殺念慮が繰り返し起きることはあるかもしれないが、長く継続するものではなく、過去に自殺念慮や自殺未遂があった人でも、その後の人生を長く生きることができる。
事実:自殺関連行動は深い悲しみや不幸を示すものであるが、必ずしも精神疾患があることを示すものではない。精神疾患がある人の多くは自殺関連行動を示すことはなく、自ら命を絶った人すべてに精神疾患があった訳ではない。
事実:自殺は単一の要因または単一の出来事から生じた結果ではない。人を自殺へ追い込む要因は多様かつ複雑であることが多く、単純化して報道すべきではない。自殺関連行動を理解しようとする上では、保健、精神保健、ストレスを感じるような人生の出来事(stressful life event)、社会的要因、文化的要因を考慮する必要がある。衝動性の存在も大きな要因である。精神疾患はその人の
生活上のストレス要因や人間関係の葛藤に対処する能力に影響を与えることがあり、精神疾患のある人は自殺のリスクが高くなる傾向にある。しかし、精神疾患だけで自殺を説明しようとするのは不十分である。ほとんどの場合、自殺は試験の失敗や人間関係の破綻といった、特定の出来事が原因であるという誤解につながって行く。死因がまだ十分に解明されていない状況では、原因やきっかけについて時期尚早な結論を出すのは適切ではない。
事実:自殺は問題対処の建設的または適切な手段でもなければ、深刻なうつ状態への対応や苦しい生活状況に対処する唯一の方法でもない。自殺念慮の経験を持ちながら苦しい生活状況に上手く対処できた人の報道記事は、現在自殺関連行動を考えている可能性のある人へ、実行可能な他の選択肢の存在を示すことができる。また自殺は家族、友人、コミュニティー全体に甚大な影響を与える。そうした人々は自分が見逃した兆候があったのではないかと戸惑ったり、罪や怒りの感情を引き起こしたり、汚名を着せられた、あるいは社会から見捨てられたと思ったりすることがある。このような複雑な力動を慎重に追及する自殺報道は、悲しみに暮れる遺族を非難することなく、遺族へ適切な支援を提供するために必要なものを人々に伝えることができる。
出典 WHO「自殺対策を推進するためにメディア関係者に知ってもらいたい基礎知識」(2017年最新版)(訳:自殺総合対策推進センター)
山梨県では、山梨いのちの日(3月1日)、自殺対策強化月間(3月)、自殺予防週間(9月10日~16日)を中心に、年間を通してさまざまな広報・啓発活動に取り組んでいます。
自殺に関する適切な知識の普及啓発を図るとともに、自殺は誰にも起こり得る身近な問題であるという認識を持っていただき、自殺対策を県民運動として定着させる契機とするため、「山梨いのちの日」の取り組みの一環としていのちのセーフティフォーラム2024を開催します。(フォーラムの詳しい情報はこちら)
若年層も含め自殺の現状や取り組みなどについて広く周知を図り、”いのち”の大切さを考えてもらうため、ラジオトーク番組を放送します。(ラジオトークの詳しい情報はこちら)
平成28年4月に制定された「山梨県自殺対策に関する条例」では、3月1日を『山梨いのちの日』と定めています 『山梨いのちの日』は、私たち一人ひとりが命と真剣に向き合う日です 。(山梨いのちの日、自殺対策強化月間の詳しい情報はこちら)
自殺対策基本法(平成18年法律第85号)において、9月10日から9月16日の1週間を「自殺予防週間」と位置づけており、国や各地方公共団体では啓発活動を広く展開しています。 (自殺予防週間の詳しい情報はこちら)
一人で悩まず、まずは、ご家族や友人、あるいは相談機関などにあなたの気持ちを話してみてください。以下の相談窓口で、こころの健康・悩みなどの相談に応じています。
LINE等のSNSによる相談は厚生労働省が実施しています。
リンク:厚生労働省ホームページ
自殺未遂経験のある方や心に悩みを抱えている方、そのご家族からの相談に応じます。
生きるのがつらいと悩まれている方、あなたの気持ちをお聴かせください。
秘密は守られます。まずはご相談ください。
電話番号:0570-064-556
<受付時間>
365日24時間(平日12時00分~13時00分を除く)
山梨県内のいのちを守るボランティア15団体で構成されたいのちを守る山梨県民運動推進会議の取り組みはコチラで紹介しています。(外部サイトへのリンクです)
平成28年4月、全ての県民が明るく希望に満ち、安心して暮らせる山梨の構築を目的に、都道府県においては全国で初めてとなる議員提案による「山梨県自殺対策に関する条例」が制定されました。(山梨県自殺対策に関する条例の詳しい情報はこちら)
県では、将来にわたって誰も自殺に追い込まれることのない、安全で安心して生きることができる社会を実現するため、自殺対策の推進に関する基本的な考え方や具体的な施策、数値目標などを示した山梨県自殺対策推進計画を定めています。(山梨県自殺対策推進計画の詳しい情報はこちら)
精神保健福祉センター(自殺防止センター)の取組はコチラで情報公開しています。
県内で自殺対策に取り組む民間団体等を対象に、事業に係る補助金の交付を行っています。
令和6年度の募集要項等については、こちらをご覧ください。
山梨県では、自殺リスクの低い社会の実現のため、本県の自殺の社会的・経済的要因の調査・分析を
行いました。
調査結果については、こちらをご覧ください。