トップ > 組織案内 > 県教育委員会の組織(課室等) > 埋蔵文化財センター_遺跡トピックスNo.0053大木戸遺跡
ページID:4649更新日:2017年5月19日
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甲州市の遺跡
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大木戸遺跡は、塩山東バイパス建設のため、平成10~11(1998~1999)年度・平成14(2003)年度に発掘調査が行われました。遺跡では、縄文時代前期・中期・平安時代の集落跡が確認されました。 とくに平安時代の集落は、北から南へゆるやかに傾斜する台地の上に、住居跡21軒、溝9条が発見されました。古いものは9世紀(今から1,100年前)、新しいものは11世紀(今から900年前)に建てられた住居跡で、集落が200年以上脈々と営まれていたことを知ることができます。
所在地:甲州市塩山熊野(旧塩山市) 時代:縄文時代前期・中期、平安時代 報告書:山梨県埋蔵文化財センター調査報告書第205集2003(平成17)年刊 山梨県教育委員会山梨県埋蔵文化財センター 〈写真〉平安時代の集落跡を調査中 出土した遺物〈写真上〉大木戸遺跡出土の緑釉陶器〈写真下〉緑釉陶器が出土した状況
大木戸遺跡では、破片も含め約30点の緑釉陶器が出土しました。このうち1点は皿で完全な形で出土しましたが、それ以外は細かな破片での出土であったため、全体の形を知ることは困難でした。完全な形で出土した皿は、出土状況などから祭祀などに使ったものと考えられます。またそれ以外の緑釉陶器は破損したため、溝に廃棄されたようです。
このように遺跡の中でも緑釉陶器の出土数は数少なく、当時はとても貴重なものでした。大木戸遺跡では、緑釉陶器が比較的数多く出土していることから、平安時代にはこの地域の中心的な集落でした。 |