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ページID:24338更新日:2017年5月17日

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遺跡トピックスNo.0151三光(さんこう)遺跡発掘調査速報、第4報

笛吹市の遺跡

  • 0014経塚古墳-復元古墳-
  • 0217経塚古墳-内部構造-
  • 0251経塚古墳-石室の石積み-
  • 0280経塚古墳-列石-
  • 0396経塚古墳-八角形の意味-
  • 0019桂野遺跡-石皿・磨石-
  • 0100桂野遺跡-陥し穴-
  • 0111桂野遺跡-前期土偶-
  • 0262桂野遺跡-縄文時代前期の住居跡-
  • 0265桂野遺跡-土器に描かれた物語-
  • 0020四ツ塚古墳群-玉類-
  • 0235四ツ塚古墳群-装身具-
  • 0022狐原遺跡-墨書土器-
  • 0059平林2号墳-副葬品-
  • 0079平林2号墳-青銅鏡-
  • 0102平林2号墳-ガラス玉-
  • 0202平林2号墳-馬具類や装身具類-
  • 0240平林2号墳-勾玉-
  • 0337平林2号墳-勾玉-
  • 0081身洗沢遺跡-田んぼと木製品-
  • 0230身洗沢遺跡-プラント・オパール-
  • 0339身洗沢遺跡-農具の今と昔-
  • 0125水口遺跡-柄鏡形敷石住居跡(1号住居跡)-
  • 0355水口遺跡-敷石住居跡(3号住居跡)-
  • 0135花鳥山遺跡-エゴマ種子塊-
  • 0194花鳥山遺跡-縄文時代の食生活を知る遺物-
  • 0199花鳥山遺跡-世界最大級の縄文土器?-
  • 0406花鳥山遺跡-耳飾り-
  • 0145竜安寺川西遺跡-発掘調査速報-
  • 0155竜安寺川西遺跡-発掘調査速報2-
  • 0165竜安寺川西遺跡-発掘調査速報3-
  • 0179竜安寺川西遺跡-ミニチュア土器-
  • 0147境川中丸遺跡-発掘調査速報-
  • 0157境川中丸遺跡-発掘調査速報-
  • 0181境川中丸遺跡-S字状口縁台付甕-
  • 0148一の沢遺跡-縄文時代中期の住居-
  • 0293一の沢西遺跡-ヒトをモチーフにした土器-
  • 0307一の沢遺跡-縄文土器-
  • 0350一の沢遺跡-みんなで応援しよう!「ミュージアムキャラクターアワード2012」のいっちゃん-
  • 0150稲山遺跡-発掘調査速報-
  • 0160稲山遺跡-発掘調査速報2-
  • 0170稲山遺跡-発掘調査速報3-
  • 0209稲山遺跡-常滑甕-
  • 0229稲山遺跡-すり鉢-
  • 0288稲山遺跡-かわらけ-
  • 0151三光遺跡-発掘調査速報-
  • 0166三光遺跡-発掘調査速報5-
  • 0171三光遺跡-発掘調査速報6-
  • 0186三光遺跡-耳飾り他-
  • 0173二之宮遺跡-食材をふかす道具-
  • 0284二之宮遺跡-置きカマド-
  • 0219亀甲塚古墳-盤龍鏡-
  • 0264亀甲塚古墳-碧玉製管玉-
  • 0234御坂中丸遺跡-縄文時代早期-
  • 0275馬乗山2号墳-甲府盆地最後の前方後円墳-
  • 0331地耕免遺跡-斎串と馬の歯-
  • 0354中丸東遺跡-縄文時代前期の土器と古墳時代の住居跡-
  • 0356石橋条里制遺構-古代の土地区画整理-
  • 0371太鼓畑遺跡-調査概要-
  • 0382六ッ長遺跡-調査概要-

2区西全景

[写真12区西全景]

9月までに3.区中央・東2.区東の調査が終了し、現在は残りの1.区・2.区西・中央、3.区西の調査に入っています。2.区西からは試掘調査で大型の土器が出土しており、発掘にもさらに力が入る区域です。

縄文時代の土坑群がみつかりました。

この2.区西・中央から縄文時代の土坑群がみつかりました。6月から9月までの調査で45基ほどの土坑(どこう・土に堀りくぼめられた穴)がみつかっていますが、それまでの調査区より狭い範囲に、密度が濃く存在し、現在も次々と発見されています。この土坑の中には縄文土器や石器が入ったものも数多くあります。

石棒の土坑石の入った土坑

[写真2石棒の入った土坑][写真3扁平な石の入った土坑]

 

上の写真2・3はいずれも2.区西で見つかった土坑です。土坑の半分だけ土が残された状態になっています。(写真では上半分が土の残された部分)

写真2の土坑には割れた石棒(せきぼう・石柱(せきちゅう)ともいう)が埋められていました。石棒は長い棒状の磨製石器(磨いて仕上げられた石器)で、お祭りに使われたと考えられています。東日本の縄文時代前期に出現し、中期以降に発展しました。中期は大型の石棒が多く、最大2.5mにも達する物があります。後期になると小型化し、全体が丁寧に磨かれ、頭部に彫刻を施した精巧(せいこう)なつくりの物がみられるようになります。後期末からは精巧さは減り、断面もまるい形から徐々に平らな形になっていきます。今回出土した石棒は割れているため長さはわからないのですが、直径は12cmほどあり、かなり太いものが埋設されてるという印象を受けます。見た目ではちょうどCD(コンパクトディスク)程の直径です。

写真3の土坑には平らな石とその下に縄文土器の破片が埋まっていました。

1974年から1975年に三光遺跡を発掘調査した際も数多くの土坑が発見されましたが、この時も大きな土器片が扁平に加工された石をはさむ形で埋められた土坑がありました。この土坑のそばには立石もありました。また、この土坑以外にも以前紹介したヒスイ製の大珠(たいしゅ)や大型の深鉢型(ふかばちがた)土器が底に穴をあけられ、さかさまに埋められた土坑がありました。いずれも呪術的なものであることから、これらの土坑はお墓として使われたと考えられます。

本年度の調査で検出された土坑についてはまだ用途はわからないのですが、これから調査を進める中で徐々に明らかになっていくかと思います。

平安の住居跡の中に縄文の土坑が

1号住居跡1号住居跡土坑

[写真4平安時代の住居跡][写真5その住居跡の中に縄文の土坑]

同時に調査を進めている2.区中央にも同じく土坑群が見つかっています。ここからは平安時代の住居跡も発見されています。これは一辺が5mほどの大型の住居です。この住居跡の北西隅からも縄文土器の入った土坑が見つかりました。縄文時代の土坑が埋まった上に、平安時代の住居が作られたものと考えられます。

下に掘り進めるほど時代が昔になることがよくわかる例です。

 

 

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