トップ > 組織案内 > 県教育委員会の組織(課室等) > 埋蔵文化財センター_遺跡トピックスNo.0150稲山遺跡
ページID:23357更新日:2017年5月31日
ここから本文です。
笛吹市の遺跡
|
稲山遺跡(いなやまいせき)[笛吹市]遺跡の概要稲山遺跡は平成19年度に行なわれた山梨リニア実験線建設予定地の試掘調査により新たに確認された遺跡です。甲府盆地の南縁に連なる曽根丘陵の東方に位置し、遺跡東側に浅川、西側に四ツ沢川(よつざわがわ)が流れ、周辺には県史跡の岡・銚子塚古墳などがあります。試掘調査では溝状遺構、土坑(どこう)等が確認され、遺物は縄文時代前期、古墳時代、中・近世の土器片が確認されています。調査状況[写真1]発掘調査の様子
調査は6月中旬ごろから開始し、現在は調査範囲(約3,800m)の4分の1程度を掘り終えたところです。 これまでに溝状遺構、土坑が確認され、遺物は縄文時代から近世にかけての土器片が出土していますが、中世の土器が数多く確認されています。
検出された遺構と遺物これまでに確認された遺構や出土した遺物の一部を紹介します。 写真2は集石の出土状況です。この集石はどのような性質のものか現段階では何ともいえないのですが、集石内からは常滑焼(とこなめやき)の胴部破片2点と土師器片(はじきへん)1点が出土しました。(写真3、4) 写真5は宋銭(そうせん)です。まだどのような遺構に伴うものか不明ですが、太平通寶(たいへいつうほう)(※)という文字が見えます。
太平通寶(たいへいつうほう):中国の北宋で太平興国元年(976年)に鋳造された銅銭。 平安末期から室町時代にかけて幕府や民間貿易により中国の貨幣が輸入され、それらは17世紀後半まで日本で通貨として広く使用された。
[写真2]集石検出状況 [写真3]集石内出土状況
[写真4]集石内から出土した土器片(左2点:常滑片右:土師器片) [写真5]太平通寶(宋銭)
出土した遺物から、稲山遺跡はどうやら中世主体の遺跡と言えそうですが、調査は始まったばかりですので、これから新たな発見、展開があると思います。 今後も調査速報をお伝えしていきますのでお見逃しなく。
|