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ページID:31318更新日:2017年5月15日

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遺跡トピックスNo.0234御坂中丸遺跡

笛吹市の遺跡

  • 0014経塚古墳-復元古墳-
  • 0217経塚古墳-内部構造-
  • 0251経塚古墳-石室の石積み-
  • 0280経塚古墳-列石-
  • 0396経塚古墳-八角形の意味-
  • 0019桂野遺跡-石皿・磨石-
  • 0100桂野遺跡-陥し穴-
  • 0111桂野遺跡-前期土偶-
  • 0262桂野遺跡-縄文時代前期の住居跡-
  • 0265桂野遺跡-土器に描かれた物語-
  • 0020四ツ塚古墳群-玉類-
  • 0235四ツ塚古墳群-装身具-
  • 0022狐原遺跡-墨書土器-
  • 0059平林2号墳-副葬品-
  • 0079平林2号墳-青銅鏡-
  • 0102平林2号墳-ガラス玉-
  • 0202平林2号墳-馬具類や装身具類-
  • 0240平林2号墳-勾玉-
  • 0337平林2号墳-勾玉(2)-
  • 0081身洗沢遺跡-田んぼと木製品-
  • 0230身洗沢遺跡-プラント・オパール-
  • 0339身洗沢遺跡-農具の今と昔-
  • 0125水口遺跡-柄鏡形敷石住居跡(1号住居跡)-
  • 0355水口遺跡-敷石住居跡(3号住居跡)-
  • 0135花鳥山遺跡-エゴマ種子塊-
  • 0194花鳥山遺跡-縄文時代の食生活を知る遺物-
  • 0199花鳥山遺跡-世界最大級の縄文土器?-
  • 0406花鳥山遺跡-耳飾り-
  • 0145竜安寺川西遺跡-発掘調査速報-
  • 0155竜安寺川西遺跡-発掘調査速報2-
  • 0165竜安寺川西遺跡-発掘調査速報3-
  • 0179竜安寺川西遺跡-ミニチュア土器-
  • 0147境川中丸遺跡-発掘調査速報-
  • 0157境川中丸遺跡-発掘調査速報-2008年9月10日~2008年9月18日
  • 0181境川中丸遺跡-S字状口縁台付甕-
  • 0148一の沢遺跡-縄文時代中期の住居-
  • 0293一の沢西遺跡-ヒトをモチーフにした土器-
  • 0307一の沢遺跡-縄文土器-
  • 0350一の沢遺跡-みんなで応援しよう!「ミュージアムキャラクターアワード2012」のいっちゃん-
  • 0150稲山遺跡-発掘調査速報-
  • 0160稲山遺跡-発掘調査速報2-
  • 0170稲山遺跡-発掘調査速報3-
  • 0209稲山遺跡-常滑甕-
  • 0229稲山遺跡-すり鉢-
  • 0288稲山遺跡-かわらけ-
  • 0151三光遺跡-発掘調査速報-
  • 0166三光遺跡-発掘調査速報5-
  • 0171三光遺跡-発掘調査速報6-
  • 0186三光遺跡-耳飾り他-
  • 0173二之宮遺跡-食材をふかす道具-
  • 0284二之宮遺跡-置きカマド-
  • 0219亀甲塚古墳-盤龍鏡-
  • 0264亀甲塚古墳-碧玉製管玉-
  • 0234御坂中丸遺跡-縄文時代早期-
  • 0275馬乗山2号墳-甲府盆地最後の前方後円墳-
  • 0331地耕免遺跡-斎串と馬の歯-
  • 0354中丸東遺跡-縄文時代前期の土器と古墳時代の住居跡-
  • 0356石橋条里制遺構-古代の土地区画整理-
  • 0371太鼓畑遺跡-調査概要-
  • 0382六ッ長遺跡-調査概要-

0234_御坂中丸遺跡遠景0234_御坂中丸遺跡完掘

〈写真〉左:遺跡遠景(矢印が御坂中丸遺跡・手前の道路は国道137号)右:完掘の状況

御坂中丸遺跡は、笛吹市御坂町上黒駒の、笛吹川に下る金川の右岸にあるなだらかな西向きの傾斜地(標高約590m)にあります。この周辺は縄文時代の遺跡が点在する地域として以前より注目されており、やや甲府盆地に下った所には桂野遺跡などの存在が確認されています。

また、当遺跡は「黒駒土偶」の名称で知られる奇異な表情を持つ3本指の土偶が、大正6年に発見された遺跡として古くから全国的に有名です。

山梨リニア実験線建設に伴って、平成21年度に調査された結果、県内では出土例の少ない縄文時代早期の古屋敷遺跡第4.群土器が多数出土しました。

所在地:笛吹市御坂町上黒駒6209-1他

時代:縄文時代早期~後期

調査機関:山梨県教育委員会山梨県埋蔵文化財センター

リンク:平成21年度御坂中丸遺跡発掘調査状況つくって学ぶペーパークラフト「黒駒の土偶」

縄文時代早期の土器片

0234_御坂中丸遺跡古屋敷土器口縁0234_御坂中丸遺跡古屋敷土器底部

〈写真〉縄文時代早期古屋敷遺跡第4.群土器

左:口縁部付近の破片、右:胴部から底部にかけての破片

縄文時代早期(約9,000~7,000年前)の土器の出土は少なく完全な形で出土することはほとんどありません。御坂中丸遺跡で発見された早期の土器も、完全な形ではありませんでした。

0234_御坂中丸遺跡早期土器完形

〈写真〉縄文時代早期の土器

この時代の土器の形は一般的に底が尖っており、いわゆる砲弾形をしています。用途は、ものを入れて保存するよりは、煮炊きに多く使われていたと考えられています。

今回、出土した土器片には無文のものと、口縁部に縄文が施されているものの2種類があり、なかでも無文のタイプの口縁部は、厚くやや丸みのある角を作り出しています。縄文時代中期にみられるような派手な装飾を持たず、全体的に非常にシンプルなつくりとなっています。

さて、この土器片ですが、1981年に発掘調査された富士吉田市古屋敷遺跡より出土した古屋敷遺跡第4.群の深鉢型土器(縄文時代早期後半・約7,000年前)の破片の状況に類似しており非常に珍しい資料といえるでしょう。さらに、古屋敷遺跡第4.群の土器片は笛吹市境川町机遺跡・寺平遺跡などでも発見されていることから、富士北麓から甲府盆地南東部にかけての御坂山地を越えた交流が十分に感じ取れるものです。

 

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