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ページID:39165更新日:2017年6月13日

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埋蔵文化財センター_遺跡トピックスNo.0306県指定史跡甲府城跡

県指定史跡甲府城跡一覧

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昔から、お城には「抜け穴伝説」がつき物です。甲府城跡にも抜け穴伝説がありますが、甲府城跡の暗渠(あんきょ)は抜け穴ではありません。甲府城の石垣の雨水を外へ排出する、大事な排水設備であることがわかっています。

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平成9年に発掘調査された本丸北側石垣の暗渠

左側の写真は、石垣内部から検出された暗渠です。手前が本丸側、写真奥が石垣の表面になります。

右側の写真は、暗渠の蓋を取ったもので、トンネル状になっています。構造は、底部には平らな石を並べ、両脇に壁を作り、蓋をしている石材はすべて安山岩。大きさは長さ約7m、水路幅は0.6mでした。現在は排水機能を維持したまま埋設保存されていますので、取水、排水口を見ることができます。

暗渠の役目

豊臣時代に築城された甲府城は、当然戦うことを目的とした城郭ですが、石垣にとって一番の敵は、敵軍ではなく雨なのです。

甲府城の石垣は石と土だけで構築されていますが、土で版築された盛土は水分(雨水)が苦手のようです。石垣が崩れるメカニズムとしては、雨水を含んだ盛土がゆるくなり、石の間に入り、滑り出して石垣共々崩壊してしまうのです。全国的にも雨が原因で石垣が崩れた事例はたくさんあります。

現在は、材料も発達し樹脂製品の管を土中に埋めて効果的に排水する仕組みが一般的です。甲府城跡でも、排水が悪いところは現代工法の導入を検討して整備してきました。

盛土について、こんなエピソードがあります。

甲府城を築城した浅野幸長の弟長晟(ながあきら)が和歌山藩主だった慶長19年。江戸城公儀普請で担当していた石垣が崩れるという事故がおきました。一方、他藩の石垣工事現場では盛土に萱を敷き、その上を子供たちに遊ばせていたのですが、浅野家はその様子を笑ってみていたそうです。

実は、単に萱の上で子供が遊んでいたのではなく、盛土の間に植物を敷き子どもに踏み固めさせることで、盛土自体の強度を強くしていたのです。実際に、この藩の石垣は崩れなかったという逸話が残っています。

石垣は、それ自体が頑丈に見えますが、背後の裏栗石や盛土があって初めて一体の構造物となります。ですから、盛土が嫌がる水分を上手に排水してあげることは、石垣にとってとても大切なことなのです。

本年度の石垣工事の施工箇所でも、暗渠が2ヶ所あります。石垣の高所にありますので排水口は簡単に見られませんが、本丸南側に取水口はしっかりと残っています。

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今年度施工箇所の暗渠

 

さて、甲府城跡では鉄門復元工事が進んでいますが、それに関連して今年も県民の日に甲府城跡にてイベントを開催します!

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平成22年の県民の日イベントの様子

 

今年のイベントも楽しい体験が盛りだくさん。詳細は今後ホームページにアップしていきますので、お楽しみに!

 

 

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