トップ > 組織案内 > 県教育委員会の組織(課室等) > 埋蔵文化財センター_遺跡トピックスNo.0441久保田・道々芽木遺跡
ページID:73065更新日:2018年6月8日
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甲府市の遺跡(甲府城関連・曽根丘陵公園を除く)
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久保田・道々芽木遺跡の概要久保田・道々芽木遺跡は新環状・西関東道路建設に伴い2000年4月から10月まで発掘調査が行われました。調査地点は甲府市横根町内で、国道140号線(青梅街道)と新環状・西関東道路の交わる十郎橋西交差点の北側に位置します。本遺跡は調査前から久保田遺跡および道々芽木遺跡として知られていましたが、遺跡内容や地形の連続性などから一体の遺跡と考え報告書では「久保田・道々芽木遺跡」と統合しています。 久保田・道々芽木遺跡の調査風景 所在地:甲府市横根町 時代:縄文~中世 報告書:『久保田・道々芽木遺跡-新環状・西関東道路建設に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書-』山梨県埋蔵文化財センター調査報告書第197集2002年3月 調査機関:山梨県教育委員会・山梨県埋蔵文化財センター 軟らかい土器が出土調査の結果、本遺跡からは縄文から中世の遺構、遺物が確認されました。特出すべき遺物としては金属製の海老錠(遺跡トピックスNo.0411)がありますが、今回は次の写真の土器を紹介します。 これらの土器は遺跡で出土したとき「ぬれセンベイ」のように軟らかかったのです。 土器1(トップページの土器を別角度から撮影) 土器2 土器1の出土状況(矢印の土器) 軟らかい土器は手で触れると変形して崩れてしまいそうでした。そこで、表面を軽く水洗いし、水で希釈した木工用ボンドを数回に分けて塗布して土器に浸透させ、ある程度の硬度を得たところで取り上げました。色が黒っぽくなっているのは水洗いが不十分なためと木工ボンド塗布により変色したためです。 軟らかい土器の特性を調べるため、化学分析を行いました。分析の結果、軟らかい土器は、一般的な土器と同程度の焼成を受けていなかった可能性が高いものと推定されました。しかし、成形後に乾燥されただけなのか、何らかの火熱を受けたのかについては明かにはなりませんでした。
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