トップ > 組織案内 > 県教育委員会の組織(課室等) > 遺跡トピックスNo.449十五所遺跡
ページID:75139更新日:2016年9月29日
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南アルプス市の遺跡
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十五所遺跡とは?
十五所遺跡は、弥生時代後期から古墳時代前期にかけての集落の跡です。平成6年度から8年度の3年間にわたり、国道52号(甲西バイパス)と中部横断自動車道の建設工事に伴って発掘調査が実施されました。 南アルプスの唐松峠・ドノコヤ峠付近を源とする御勅使川が形成する大扇状地は、その規模で全国的にも有名ですが、土質が砂利土で以前より遺跡の存在や発見が困難な地域と考えられていました。しかし大規模な道路建設工事に伴う発掘調査により、砂利層の下や中からも多くの遺跡が発見されました。十五所遺跡では甲府盆地西部で初めてとなる方形周溝墓が18基発見されました。
所在地:南アルプス市(旧中巨摩郡櫛形町)十五所および吉田 時代:弥生時代、古墳時代 調査機関:山梨県教育委員会、建設省甲府工事事務所、日本道路公団東京建設局 事業名:一般国道52号(甲西バイパス)建設工事および中部横断自動車道建設工事 調査期間平成6年5月9日~12月27日 平成7年4月10日~12月26日 平成8年4月15日~12月26日 調査面積25,300平方メートル 報告書:『十五所遺跡』1999山梨県埋蔵文化財センター調査報告第158集 十五所遺跡の過去のトピックスはこちらをご覧ください→0006十五所遺跡-方形周溝墓 十五所遺跡10号方形周溝墓
主体部?のある方形周溝墓
18基発見された方形周溝墓の中で10号方形周溝墓から不思議な施設が発見されました。方形周溝墓の中心よりやや南西部分に、四角い穴が周囲に等間隔に配置され、ちょうど一体分の遺体を埋葬できる主体部のような竪穴が検出されたのです。竪穴の西端には炭化物と焼土が残っていて、意図的に何かを燃やした可能性が考えられました。周囲の穴では柱痕は発見されていないものの、やはり柱状に木を立てて、上屋を載せたのか、単に布状のもので周囲を囲んだのか、そのような施設の存在が推測できます。遺体を一定期間放置する「殯(もがり)」の関係施設との意見もあります。他に類例がないため、いまだに大きな謎を秘めた施設です。
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