トップ > 組織案内 > 県教育委員会の組織(課室等) > 埋蔵文化財センター_遺跡トピックスNo.0487甲府城跡?石垣の移築復元?
ページID:87600更新日:2018年10月23日
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甲府城下町の遺跡
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遺跡の概要甲府城跡 所 在 地 :甲府市 時 代:近世 調査機関:山梨県埋蔵文化財センター 報 告 書 :山梨県防災新館石垣移築保存工事報告書 2013.3
防災新館の建設工事に伴って平成22年度に発掘調査が行われました。調査の結果、甲府城跡南西部の内堀に面した石垣が東西約27m、高さ4mにわたり残存していることが確認されました。
写真:発掘調査風景 写真:発掘調査で確認された石垣 石垣は、甲府城内城の南限である楽屋曲輪の位置や追手門の位置を示す重要な遺構であるとともに、甲府城築城期の石垣の築造技術を知る上でも大変貴重な遺構であることから保存されることとなりました。 しかし、石垣は防災新館建設予定地であることから、原位置での保存は難しく、発見された石垣のうち約13m分を将来的な復元ができる詳細な記録保存調査を行ったうえで解体し、原位置から約3m北側の防災新館内に設けた「甲府城石垣展示室」へ移築復元展示されることとなりました。 移築復元作業石垣の移築復元作業は本来オリジナル通りに移築されるのが基本ですが、今回は観覧者が間近かで石垣を観覧できるような展示を目的としているため、安全に見学できるように配慮した移築作業が行われました。
写真:破損石材の調査風景 写真:石積み作業状況 まず、石垣解体時に石材の再利用が可能なのか検査を行いました。しかし、仮置き場に石材が置かれている間に自然に割れたもの、クラックが入ったものなどがあったことから再度検査を行ったうえで、補強あるいは補修を行いました。 石積みの際には、石垣解体時に付けられた50cmごとの墨付けラインを基準に図面と実際に積んだ石とを見比べながら積んでいきました。中には、石が前に出て孕(はら)んでいる石材も見られたことから、石垣の安全性を考えて、面をそろえるように積んだ石材もあります。 移築復元された石垣は、当時の石垣技術と甲府城の歴史を知り、後世の人々に伝えていけるような展示となっています。 みなさんも山梨県庁へ立ち寄った際には、「甲府城石垣展示室」で、甲府城築城期の姿を残す貴重な文化財をぜひご覧になってみてはいかがですか?
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