更新日:2024年8月28日

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4パーミル・イニシアチブについて

 

 4パーミル・イニシアチブとは

4パーミル・イニシアチブとは、世界の土壌表層の炭素量を年間4パーミル増加させることができれば、人間の経済活動などによって増加する大気中の二酸化炭素を実質ゼロにすることができるという考え方で、農業分野から脱炭素社会の実現を目指す取り組みです。

「パーミル(‰)」とは「パーセント(%)」の10分の1の単位で、4パーミルは1000分の4、パーセント(%)では0.4%に相当します。

4パーミル・イニシアチブ

2015年のCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)においてフランス政府が主導で提唱し、2022年12月現在で、日本を含む744の国や国際機関などが参画しています。

山梨県は2020年4月に、国内の地方自治体として初めて参加しました。

 

 果樹王国やまなしの取り組み

山梨県では、4パーミル・イニシアチブの取り組みとして、まず、県の主要農産物である果物に着目しました。

モモやブドウなどの果樹園では、冬に枝などを切る剪定を行います。その際に発生する剪定枝には、植物の光合成によって炭素が貯蓄されているので、剪定枝を燃やすと、炭素が酸素と結合して二酸化炭素になり、大気中に放出されます。

しかし、剪定枝を炭にすることで二酸化炭素の発生を減らすことができるだけでなく、微生物などによる分解がされにくくなります。その炭を畑にまくことで半永久的に炭素を土壌中に留めることができ、大気中の二酸化炭素の増加量を抑えることにつながります。

剪定枝の炭化

剪定枝の炭化

 

 

 

この他にも、土壌環境の改善などのため果樹園内に草を生やす草生栽培や、堆肥などの有機物を畑にまくことなども、土壌中に炭素を貯めることにつながります。

 

もも園での草生栽培

もも園での草生栽培

 

 

野菜や水稲での取り組みにも力を入れています。畑に生えている草や稲わらを畑にすき込むこと、籾殻くん炭などを畑にまくことなどが、土壌中に炭素を貯めることにつながります。

 

二酸化炭素の他にも、温室効果ガスの一種である亜酸化窒素やメタンの発生抑制への取り組みにも注目しています。

野菜や作物(水稲除く)では、畑全面ではなく農作物の根の周辺などに集中的に肥料をまく局所施肥や、肥料成分がゆっくりと溶け出す緩効性肥料を使用すること、土を覆って使う被覆材であるマルチの利用などで、亜酸化窒素の発生抑制を目指します。

局所施肥の様子

局所施肥の様子(白い縦縞が肥料)

 

 

水稲では、夏に田んぼの水を抜いて土を乾かす「中干し」の期間を長めにすることなどで、メタンの発生抑制を目指します。

田んぼの中干しの様子

田んぼの中干しの様子

 

 

山梨県の4パーミル・イニシアチブの取り組みをアニメーションにしました。ぜひご覧ください。

4パーミル・イニシアチブアニメーション【詳細版】

 

 やまなし4パーミル・イニシアチブ農産物等認証制度について

4パーミル・イニシアチブの取り組みにより生産された農産物を、脱炭素社会の実現に貢献した農産物として認証する「やまなし4パーミル・イニシアチブ農産物等認証制度」を、2021年5月に制定しました。

4パーミル・イニシアチブの認証制度は、全国で初めての試みです。

認証基準は当初、果樹のみでしたが、全県に取り組みを広げるため、2022年11月に野菜と水稲の認証基準を新たに設けました。

 

やまなし4パーミル・イニシアチブ農産物等認証制度には2つの認証区分があります。

  1. エフォート〔取組(計画)認証〕
    実施する具体的な取組について目標を定め、土壌への炭素貯留量が確実に見込まれる計画を認証します。
  2. アチーブメント〔実績(成果)認証〕
    土壌への炭素貯留量の実績に基づき認証します。

認証基準の概要(PDF:687KB)

認証制度の詳細については、山梨県農業技術課のページをご覧ください。

 

 4パーミル・イニシアチブのロゴマークについて

山梨県は、4パーミル・イニシアチブの取り組みによって生産されたブドウやモモなどの農産物を「4パーミル・イニシアチブ農産物」としてブランド化を進めています。

4パーミル・イニシアチブに取り組む生産者や4パーミル・イニシアチブ農産物を使用したメニューを提供する飲食店などが、ロゴマークを使用して農産物や加工品をPRしています。

ロゴマークを目印に、探してみてください。

4permille_logo

山梨県の4パーミル・イニシアチブロゴマーク(商標登録 第6444093号)

 

 

ロゴマークの使用には届出が必要です。

使用したい方は、山梨県販売・輸出支援課の「4パーミル・イニシアチブ認証農産物等ロゴマークについて」のページをご覧ください。

 

ロゴマーク届出者一覧表(PDF:48KB)

 

ロゴマークの使用例

県内公立高校のシャインマスカット(販売実習)

販売事例


南アルプス市内のワイナリーのワイン
ワイン


 令和6年度「やまなし4パーミル・イニシアチブ認証農産物」(ぶどう)の販売フェアを実施します。

「エシカル」(地球温暖化対策に貢献する)という新たな価値を消費者のみなさまに提供するため、「4パーミル・イニシアチブ認証農産物」を販売するフェアを開催します。

 

○内容

やまなし4パーミル・イニシアチブ認証農産物の販売(ぶどう)

 

○日程・場所

・サンフレッシュ 高島屋玉川店他、全10店舗(令和6年9月4日~)

・澤光青果 阪急百貨店大井町店他、全6店舗(令和6年9月6日~)

・イオンスタイル新浦安他、全3店舗(令和6年9月9日~)

・無印良品 銀座店(令和6年9月13日~)

※日程等、詳細はこちら(PDF:82KB)をご覧ください。 

 

本県には、4パーミル・イニシアチブ認証農産物以外にも、エシカル消費につながる多くの農畜産物等があり、今後もプロモーションを強化していきます。

 

 4パーミル・イニシアチブの実写動画

実写動画もご覧ください。

 

 

 

 

 4パーミル・イニシアチブ推進全国協議会について

4パーミル・イニシアチブの取り組みを全国に展開し、日本の農業全体で温暖化抑制に積極的に取り組むため、山梨県が提案し4パーミル・イニシアチブ推進全国協議会を2021年2月に設立しました。

協議会の活動内容や参加申し込みについては、山梨県農業技術課のページをご覧ください。

 

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