ページID:26194更新日:2022年8月29日
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松くい虫の被害木
実は、松くい虫という虫はいません。
松くい虫被害の正体は、「マツノザイセンチュウ」という体長1mmにも満たない線虫によるものです。
また、線虫は自分では移動できません。「マツノマダラカミキリ」というカミキリ虫の体内にもぐり込み、このカミキリ虫が松から松に移動することによって、被害を広げています。
マツノザイセンチュウ(左)マツノマダラカミキリ(右)
被害にあった松は、夏から秋にかけて変色し、だいたい1ヶ月後には真っ赤になり枯れてしまい、春までには完全に枯死してしまいます。
また、被害木は、松ヤニがほとんど出ないか、全くでません。
もし、松くい虫の被害にあってしまったら・・・。
残念ですが、被害木を元にもどすことはできません。その被害木を処理しないと、さらに松くい虫の被害が広がってしまいます。
ただ、松にもさまざまな病気があります。松くい虫以外の原因も可能性もありますので、まずは、緑の相談所、樹木医などの専門家にご相談ください。
その後、松くい虫の被害によるものと分かったら、処理等について、お近くの森林組合、林務環境事務所、市町村の担当にご相談ください。
関連リンク
昭和53年の被害発生以来、被害量は増え続け、昭和62年にはピークとなる約23,318立方メートルに達しました。その後は減少し、平成22年以降は、年間被害量が10,000立方メートルを下回っています。
こうした中、県と市町村は、効果的・効率的に被害対策を進めるため、県内のアカマツ林について「守るべき松林(高度公益機能森林・地区保全森林)」と、その周辺に位置し「守るべき松林」への被害を防止する「被害拡大防止松林(被害拡大防止森林・地区被害拡大防止森林)」をそれぞれ指定しました。これらの事業対策対象区域の松林について、公益的機能の高い県有林等の松林については山梨県が、その他の民有林については、市町村が主体となり予防や駆除事業を行っています。
松くい虫被害対策には、予防と駆除の2種類があります。
薬剤散布:羽化脱出したカミキリムシの成虫を駆除します。
樹幹注入:線虫の侵入増殖を防ぐ薬剤を注入し松枯れを予防します。
また、「被害拡大防止松林」では、「守るべき松林」に被害がおよぶことを防ぐため、アカマツから別の樹種へ転換する事業を行っています。
薬剤を使って、伐倒後、カミキリムシの幼虫の駆除を行っています。
伐倒薬剤処理
伐倒くん蒸処理
被害拡大を防ぐため、森林組合や市町村による松くい虫被害対策事業にご協力をお願いします。
「守るべき松林」への被害を防ぐため、「被害拡大防止松林」において、県や市町村が進める樹種転換事業にご協力ください。
処理していない被害木を移動させると、他の地域への被害を広げる原因にもなります。
松くい虫の被害発生時の問い合わせ窓口一覧 |
松くい虫事業対策対象区域図 |