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県民の貴重な財産である恩賜林は、明治末期に相次いで発生した大水害の復興に役立てるよう、明治44年、明治天皇から御下賜されました。これが県土の約3分の1を占める県有林の基になっており、一般には「恩賜林」の名で呼ばれています。
以来、県土の保全、木材の供給、水源のかん養など様々な役割を担いながら、県政の発展に大きく貢献し、平成23年3月11日に御下賜100周年を迎えました。
これまで恩賜林の果たしてきた役割や歴史を再認識するとともに、多様な公益的機能を有する森林を県民全体で守り育て、次の世代に引き継ぐための契機となるよう、平成22~23年度にかけて「恩賜林御下賜100周年記念事業」を実施しました。
記念事業の趣旨や基本理念、記念事業の構成を定めたものです。
・恩賜林御下賜100周年記念事業基本計画(PDF:85KB)
平成21年12月1日から平成22年1月22日まで開催テーマの公募を行い、410点の応募がありました。
選考委員会による選考の結果、
「まもられてるから まもりたい」 を開催テーマとして決定しました。
開催テーマは、ポスター、パンフレット等に掲載するほか、各種PR活動に活用していきます。
平成22年1月28日(木曜日)に選考委員会を開催し、最優秀賞1点、優秀賞2点、及び佳作2点を選考しました。
区分 |
作品 |
作者 |
最優秀賞 |
まもられてるから まもりたい |
渡辺 里織(大月市) |
優秀賞 |
みんなでつなごう 緑のバトン |
野口 悦子(都留市) |
優秀賞 |
百年の森を 未来に バトンパス |
前山 君子(山梨市) |
佳作 |
子に孫に つなぐ世紀の 森づくり |
仲田 貴三(甲斐市) |
佳作 |
ありがとう 未来へつなぐ 恩賜林 |
細田 行男(甲府市) |
平成22年2月18日(木曜日)午前9時40分から、知事室において表彰式を行いました。
(最優秀賞、優秀賞受賞者の皆さん) (横内知事との懇談の様子)
「次代を担う子どもたちとともに豊かな森づくりを進めます。」という記念事業の理念をイメージできるような、親しみやすいデザインを採用しました。
御下賜以来の県有林の歴史や取組みを紹介したパンフレットを作成し、PRに活用しました。
記念事業の実施に当たっては、多くの県民の皆さんにも幅広く参加していただくとともに、100周年の節目にふさわしい記念事業を実施するため、林業関係団体をはじめ、多くの関係者に御参加いただき、実行委員会を組織しました。
設立総会 |
平成23年度第1回総会 |
解散総会 |
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開催日 |
平成22年4月23日 (金曜日) |
平成23年4月15日 (金曜日) |
平成24年3月11日 (日曜日) |
場所 |
恩賜林記念館大会議室 |
恩賜林記念館大会議室 |
恩賜林記念館大会議室 |
議事 |
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【報告事項】
【審議事項】
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(設立総会における横内知事あいさつ)
御下賜100周年の年として、3月11日の記念式典を皮切りに、1年を通して県内外の多くの方が参加する様々な事業を実施するとともに、11月には天皇陛下の御名代として皇太子殿下の御臨席を仰ぎながら御下賜100周年を祝う記念大会を盛大に開催しました。
平成23年5月14日(土曜日)、北杜市内の県有林において、次の100年に向けた森づくり活動のスタートとなる記念植樹を実施しました。
親子三世代120組の家族をはじめ約千人が参加、五月晴れのすがすがしい空のもと、カエデやミズナラなど約2千本の苗木を植樹しました。
(青空の下、式典を開催) (主催者による標柱の設置)
(子どもたちも植樹しました。) (緑の少年少女隊が緑化園を散策)
恩賜林への理解を深めていただくため、県立博物館と共催で、100年の歴史等を写真や資料等で振り返るシンボル展を開催しました。
開催期間中は、学芸員による「ギャラリートーク」や、「楽つみ木広場」などのイベントも実施し、5000人を越える方々に御来場いただきました。
(歴史を感じさせる古い道具類) (木材搬出に使ったトロッコなども展示されました)
・子供工房「木をつかってあそぼう!」 実施日:平成23年5月22日(日曜日)
(山梨県産ヒノキの箸づくり教室を開催しました)
・ギャラリートーク 実施日:平成23年6月5日(日曜日)、26日(日曜日)
(担当学芸員が展示の見どころを解説しました)
・楽つみ木広場 実施日:平成23年6月19日(日曜日)
(間伐材で作られたつみ木のワークショップを開催しました)
環境に配慮した県有林の管理経営を広く発信するため、FSCジャパンと共催で、国内外の有識者、全国のFSC認証取得者、関連事業者等が一堂に会するサミットを開催しました。
<メイン行事>
・トークセッション 「認証面積日本一! ~FSCがもの語る山梨の森の底力~」
FSC本部アンドレ事務局長を迎え、やまなし県有林の価値と魅力、今後の活用について討議しました。
・鼎談(メイントークセッション) 「森林・文化・そして復興」 ~世界のブランドが重視するFSCのソーシャリティ~
ゲストに女優の秋吉久美子さん、岩手県住田町多田町長を迎え、震災後、変わりつつある価値観の中で、森林と文化の価値の再考について、FSCを通じて討議しました。
(講堂でトークセッションの様子)
・オープンディスカッション
海外有識者を交え、 「森と文化の関わり」 をテーマに、誰もが参加できる学生主体の討議を行いました。
(ディスカッションの様子)
・分科会
全国の森と人との関わりに関する成功事例の発表を行いました。
山梨の事例として、 「やまなし森の紙」、「富士山の森づくり」 「木netやまなしの活動」などが発表されました
(「分科会」の様子)
・県有林エクスカーション
県有林及び県内FSC製品加工施設を紹介しました。
(県内エクスカーションの様子)
<併催事業>
・FSCマーケット(FSC認証製品の展示・販売)
・FSCプレイグラウンド(紙ひこうき大会や積み木広場など、認証材の紙や木にふれて遊ぶコーナー)
・FSCフードコート(木質ペレットで作るアウトドアフード、やまなし食材等の飲食販売など)
・「FSC国際彫刻シンポジウム」 [新制作協会 協力]
国内外の気鋭彫刻家が、世界の森林保全をテーマに山梨県有林FSC認証材を用いて、彫刻を作成しました。
・「やまなし森の学校」 [FEEジャパン 協力]
小学生を対象に、国際的なLEAF環境学習プログラムを体験していただきました。
(会場の様子) (FSCマーケットの様子)
(「やまなし森の学校」の様子) (「彫刻シンポジウム」の様子)
恩賜林への理解を深めていただくとともに、森林・林業に親しんでいただくため、森林のフェスティバル内で恩賜林御下賜100周年記念ブースを出展しました。
当日は、恩賜林や森林文化の森を紹介するとともに、木工教室などの体験イベントを開催し、多くの方々に御来場いただきました。
・恩賜林及び森林文化の森紹介
(パネル展示とパンフレット配布を行いました)
・木工教室
(山梨県産材を使った木工教室を開催しました)
・ツリークライミング体験
(小瀬スポーツ公園内の樹木でツリークライミング体験を実施しました)
・積み木広場
(山梨県産材で作られた積み木で遊ぶ広場を設けました)
・きのこ汁の配布
(山梨県産きのこを使ったきのこ汁を配布しました)
恩賜林の歴史や森林の大切さ等への理解を深めていただくとともに、森の魅力を紹介するため、テレビ特別番組を放映しました。
山梨県のFSC森林管理認証取得について、森の癒し効果について、山梨における四季の森林風景、
謝恩碑・恩賜林記念日の歌の紹介 他
(番組では森林の機能や、果たしている役割などが紹介されました)
(山梨の森林が荒廃していった理由と、その後起こった明治の大水害、そして、御下賜へといたる歴史が紹介されました。
写真は番組内で紹介された恩賜林御下賜を象徴する「謝恩碑」と、その建立の様子です)
天皇陛下の御名代として、皇太子殿下の御臨席を仰ぎ、恩賜林の御下賜100周年を祝う記念大会を開催しました。
森林公園や道の駅などで行われるイベントにブース出展を行い、恩賜林の歴史や役割を紹介するパネルや時代ごとに使用された古い道具類を展示するとともに、恩賜林に関するクイズの実施、PRグッズの配布など、楽しみながら恩賜林について理解を深めていただくためのPRキャラバン活動を行いました。
出展会場で実施した恩賜林クイズの回答者は3千5百人を超え、身近にありながら意外と知らない恩賜林について、理解を深めていただけたと思います。
(歴史を伝える展示品) (県民の日記念行事への出展)
イベント名 |
開催日 |
開催場所 |
|
1 | 森と湖に親しむつどい | 平成22年8月1日 | 塩川ダム |
2 | 県産材フェア | 平成22年8月21日、22日 | 木の国サイト |
3 | 金川の森公園祭り | 平成22年10月3日 | 森林公園金川の森 |
4 | 森林のフェスティバル | 平成22年10月16日、17日 | 小瀬スポーツ公園 |
5 | 県民の日記念行事(吉田会場) | 平成22年10月23日 | 富士北麓公園 |
6 | 甲府市農林業祭り | 平成22年11月3日 | 小瀬スポーツ公園 |
7 | 富士川の郷秋祭り | 平成22年11月6日、7日 | 道の駅富士川ふるさと工芸館 |
8 | 県民の日記念行事(小瀬会場) | 平成22年11月13日、14日 | 小瀬スポーツ公園 |
9 | 大月市役所PR展示 | 平成22年12月1日~3日 | 大月市役所 |
8月には、横内知事とフリーアナウンサーの草野満代さんによる記念対談を行いました。
対談では、知事から恩賜林の歴史や県有林のFSC森林管理認証など県の取組みの紹介があり、草野さんからは、ヒノキの産地として古くから山や森林との関わりが深い岐阜県中津川市で育った自身の経験も交えたお話を伺い、森林の多面的な機能や森づくりの重要性、次の世代に引き継ぐことの大切さなどについて、幅広く意見が交わされました。
知事からは、「記念事業を、恩賜林を県民共有の財産として大切にし、次世代に引き継いでいくきっかけにしたい。」というお話がありました。
対談内容は、9月12日付け山梨日日新聞紙面に掲載しました。
(横内知事と草野さんの対談)
県内の民間団体が実施する森づくり等のイベントに助成を行う「県民自主企画応援事業」を行いました。
イベント実施の際には、参加者に恩賜林の歴史等を紹介していただくとともに、パンフレットなどPRグッズの配布をお願いするなど、県民参加による記念事業の展開を図りました。
イベント名 | 主催団体 | |
1 | 県産材フェア | (社)山梨県木材協会 |
2 | シオジの森を歩いてみよう | シオジ森の学校 |
3 | 打楽器「カホン」づくり | (財)山梨県林業公社 |
4 | 第6回八ヶ岳の森シンポジウム | 八ヶ岳の森連絡会議 |
5 | 石和高温温泉湧出50周年記念イベント | 石和温泉観光協会 |
6 | 「木登り体験」in本栖の森 | NPO法人みのぶ観光センター |
7 | 増富地域の自然環境を活用した健康づくり活動 | (財)みずがき山ふるさ振興財団 |
8 | 森のコンサート | (財)オイスカ山梨県支部 |
9 | 木づかいからの森づくり | 木netやまなし推進協議会 |
10 | 笹子滝子山ふれあい登山 | 笹子町第二区 |
11 | ドールハウスづくり教室 | やまなし森と住まいのネットワーク |
12 | エコでアートな森づくり | 北杜エコアートプロジェクト |
13 | 若者たちが触れて考える山梨の森の未来 | 大月森つくり会 |
14 | 森のようちえん全国交流フォーラムin山梨 | 森のようちえん全国交流フォーラムin山梨実行委員会 |
100周年の周知と気運の醸成を図るため、ポスターや幟旗、記念品などのPRグッズを作成し配布しました。
特に、記念品として作成した「木のしおり」は、山梨県産材を使い、子どもたちにも「かわいい!」と好評でした。
(山梨県産材のしおり)