ページID:59388更新日:2016年8月15日
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山梨県では、野菜栽培を中心に北杜市をはじめとした10市町村ほどで150戸以上の農家が有機農業に取り組んでいる。
県総合農業技術センターでは、有機農業に関する県内の現状を把握し、普及推進に向けた取り組みを迅速に行うために、試験研究と普及機関が連携した有機農業推進プロジェクトチームをH19年5月に設置した。
試験研究機関では、有機栽培に適する果菜類の品種選定やアブラナ科野菜における混作・間作を用いた栽培法の有効性、その他耕種的手法による虫害軽減効果や生産性について検証してきた。
普及機関では、試験研究の成果を現地ほ場で実証し、有機農業技術の地域への普及に取り組んできた。
一方、生産者団体、消費者団体、流通団体、行政等で構成する「やまなし有機農業連絡会議」がH20年に設立され、「オーガニックフェスタ」など普及・啓発に向けたイベントの開催や現地ほ場での「畑の生き物調査」など自主的な活動が行なわれている。
栽培部野菜科
高冷地野菜・花き振興センター野菜作物科
環境部環境保全・鳥獣害対策科
農業革新支援スタッフ
(1)平坦地と高冷地で有機栽培が可能な露地野菜の品目と作付時期(H10~12)
(2)バンカープランツを用いたキャベツの虫害軽減策(H13~14、H18~19)
(3)有機栽培現地ほ場の実態調査および害虫・天敵昆虫の発生消長調査(H15~16)
(4)有機物施用土壌の適正な養分管理技術(H13~)
(5)葉根菜類の有機栽培技術の実証(H19~H21)(PDF:190KB)
1.混作や間作を利用したキャベツ、ブロッコリーの有機栽培
2.野生種エンバクすき込みによる秋どりダイコンの有機栽培
3.有機JAS適合資材(育苗培土、追肥用資材)の特性把握
(6)果菜類の有機栽培実証と有機栽培土壌の改善(H22~H24)(PDF:172KB)
1.夏秋キュウリの有機栽培適品種「光望」「つばさ」「夏すずみ」
2.夏秋トマトの有機栽培適品種「りんか409」
3.夏秋キュウリのニガウリとの混作を利用した有機栽培
4.夏秋トマトのマリーゴールド混植による有機栽培
5.地力窒素の迅速診断法による評価
(7)果菜・葉菜類の有機栽培におけるマメ科緑肥の利用技術(H25~27)(PDF:161KB)
1.秋まきマメ科緑肥の利用効果
2.夏まきマメ科緑肥の利用効果
3.緑肥利用ほ場における土着昆虫類等の発生と動向の解明
(1)有機農業技術普及実証事業
・太陽熱消毒による秋野菜への害虫等軽減効果の実証
・黄色防蛾灯を活用したオオタバコガへの防除効果の実証
・有機栽培における標高差を利用した葉菜類のリレー栽培の実証
2.平成24年度
・平坦地有機栽培に適したトマト品種の導入
・ぼかしを用いた有機質肥料の効率的利用
・太陽熱を利用した土壌消毒の抑草、病害虫防除等の効果確認
3.平成25年度
・天敵農薬を利用したイチゴのハダニ防除対策の検討
・夏秋トマトのマリーゴールド混植による有機栽培の検証
・有機質肥料の利用と有機農業技術の実証
(2)有機栽培現地ほ場における事例収集
栽培品目、作付時期、栽培管理方法、害虫被害状況調査(H20~H23)
(3)有機栽培現地ほ場における害虫および天敵調査
主要野菜の時期毎の害虫および天敵の発生状況調査(H20~H23)
(4)県内の有機農業取り組み実態把握
県内の有機農業生産物の種類や作付け状況、化学合成による肥料や農薬の使用状況、販売方法など生産状況を調査(H24)
(5)普及指導員と有機農業者の交流促進
・有機ほ場における土着昆虫類調査(5~11月)を通じた普及指導員への生物多様性についての理解促進(H25~)
・生産者との交流の活性化支援(H25~)
(1)有機栽培技術を普遍的なデータによって示すことができる。
(2)試験研究成果を現地ほ場で実証することで、技術を波及することができる。
(3)有機物の適正な施用によって、塩基バランスのとれた土壌管理が図られる。
(4)生物多様性の保持など環境と調和のとれた農業が推進できる。
(5)生産者や消費者に対する有機農業の普及啓発が図られる。