ページID:118317更新日:2024年11月29日
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第16回(令和6年度)やまなし産業大賞の応募の中から優れた製品、技術、サービスを有する6社の受賞が決定いたしました。選考にあたっては、金沢工業大学の影山和郎教授を審査委員長として、県内外の有識者等で構成する「やまなし産業大賞審査委員会」において公平かつ厳正な審査を実施し各賞を決定いたしました。
最優秀賞
「革新的緩まないねじ”PLB v2(パーフェクトロックボルト ヴァージョンツー)”とその量産用転造金型の開発」
1本のボルトに間隔が異なる2種類のネジ山を作り、そこに1回転で進む距離が違う2種類のナットを入れることで、世界最高レベルの緩み止め効果を持つ「緩まないネジ」。
競合品の多くがナット同士の摩擦抵抗を利用するが振動で緩みやすい弱点を持つのに比べ、当製品は機械的な干渉によるため安定した緩み止め性能を発揮している。
また、特殊な形状を大量生産できる金型を開発し、課題であった低価格化と量産性の両立も実現した。
旧製品でも高い緩み止め性能を発揮していたが、2つのナットを別々に締めるという作業性の悪さや複雑なネジ山形状のためボルトが破損しやすい問題があり、コスト面でも割高であった。こうした課題に不断の研究を重ね、全てを解決した改良品を開発したことは非常に高く評価でき、今後の市場展開も大いに期待できる。
優秀賞
「タイヤ自動検品装置「タイヤプロファイラー」」
倉庫でのタイヤ保管サービスにタイヤ情報を付加した新たな収益源の創出。タイヤ交換での入庫時にタイヤサイズ、製品名、製造年月等の情報をAI等により判別させ検品作業を自動化しただけでなく、その情報を自動車ディーラーやタイヤ販売店、顧客に提供することでタイヤ販売の効果的な促進を可能としている。
自動車用タイヤは市場が大きく、従来のタイヤ保管サービスに販売促進ツールとしての付加価値を追加することで新たなビジネス展開が期待でき、ユーザーへのサービスの高付加価値化も図れることから今後に期待したい。
「SchooMy SPOT(スクーミースポット)」
全国の高校をはじめ小中学校・図書館・企業などに、手軽にプロトタイプ開発やデータサイエンスができるeDIYステーション「SchooMySPOT(スクーミースポット)」の設置と、そこで手にして使うことができるIoTデバイス(スクーミーボード)の開発・提供・レクチャを通じて、すべての人がDXを使いこなせるために必要なベースリテラシー向上に貢献する。
専門知識不要でテクノロジーを駆使して自分たちで新たな価値を生み出す「eDIY」という概念のサービスをスピーディーに展開しており、今後の展開と新たなツールの開発に期待したい。
「KB-eye交通誘導システム」
映像解析AIを活用し、工事現場での交通誘導等を自動化するシステム。人手不足への対応に加えて、従来のタイマー式信号機に比べ状況に応じた安全な誘導が可能。
警備員不足への対応や事故発生の予防といった社会課題に対応する意義深いビジネス。技術の普及と市場の確保を期待したい。
「山梨発!生姜から作るオリジナルジンジャーシロップの販売」
自社農園で栽培した生姜から製造した6種類のジンジャーシロップ。「大人の夜のジンジャーエール」をコンセプトとした独自路線のノンアルコールドリンクとして、お酒を飲めない人がお酒の席で引け目を感じないような商品を提供している。
山梨において生姜という独自性のある農産物を生産から加工販売までの6次化につなげていることに加え、レシピ開発からパッケージデザインに至るまで各分野の専門家と連携し非常に洗練された商品を生み出しており、評価したい。
「ハンディ型シルクスクリーン製版機「handerude」(ハンデルデ)」
メッシュ状のシートに小さな穴を開けインクを通して印刷する、コンパクトな家庭用シルクスクリーン製版機。枠にシートを固定し穴開け機構が移動する従来型は装置が大型化し高価であったが、シートをロール状にすることで大幅な小型化とコストダウンを実現した。
他製品で培った技術を応用して業務用製品からホビークラフト市場向けにインパクトのある製品を開発して新たな価値を生み出しており、評価したい。
令和6年11月19日(火曜日)に山梨県庁別館3階 正庁 にて、表彰式を実施いたしました。