ページID:22779更新日:2024年10月9日
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当センター看護科は、利用者が安心して健やかに生活できるよう質の高い看護の提供に努めています。利用者の成長を助け、生活を支援するために、摂食嚥下訓練、呼吸リハビリ、身体のポジショニングなど重心看護に必要な知識、技術の向上に努め、看護の専門性を高めています。
利用者がその人らしく、生涯幸せに過ごせるよう療育の心を大切に、これからも日々工夫しながらきめ細やかな看護を実践し、一緒に成長していきたいと思います。
障害児・者の生命と人権を尊重し、健康で一人一人のQOL(生活の質)の向上を目指した質の高い看護を提供します。
重症心身障害看護分野における専門的知識、技術を理論的に探究し、質の高い看護を提供する看護師の育成に努めます。
あけぼの医療福祉センターの看護師は山梨県立病院機構から派遣されています。そのため3施設(山梨県立中央病院・北病院・あけぼの医療福祉センター)共通のキャリアラダーに基づいて、個々の看護師の成長を支援しています。また、令和2年度に重心看護教育カリキュラム「重心看護領域」を作成し運用を開始しました。新任者・新卒者を含め、全ての看護師が重心看護について知識を学び、質の高い看護が提供できる看護師を育成する教育プログラムとしました。
「重心看護領域」
【評価する実施項目】 重心看護 (1)摂食 (2)ポジショニング (3)呼吸リハビリテーション (4)医療的ケア 1. 気管切開 2. 胃ろう 3. 栄養管理 (5)福祉サービス
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【5つの習得段階(ステップ)】 Ⅰ 指導を受けながら実践できる Ⅱ 自立して行える Ⅲ 個別性を重視して行える Ⅳ 状況に応じて行える Ⅴ 指導が行える
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看護科教育委員や所内教育委員が中心となり、新任者や現任者の教育研修を企画・運営しています。また、看護研究や多職種による症例検討会を実施するとともに、安全管理、感染予防、倫理などの研修も行っています。
キャリアラダー研修
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「チームリーダー研修」 チームビルディング、心理的安全性について 「ACPについて考える」 |
新任者研修 |
「呼吸ケア」 重症心身障害児者の呼吸ケアについて 「摂食」 「気管切開 胃瘻」
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看護補助者研修 |
「BLS(一時救命処置)」 「 心理的安全性」 |
子育て中や仕事復帰した看護師がやりがいを感じながら頑張っています
4人の子育てをしながら頑張っている看護師より
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私は2018年にあけぼの医療福祉センターへ異動し、重症心身障害児者入所病棟へ所属となりました。以前はNICUに勤務していたため、異動当初は環境の変化に戸惑いました。入所者さんのほとんどがコミュニケーションをとることが難しく、初めは何を伝えたいのかがわからず、先輩スタッフに指導いただきながら、個々の特性を理解し、コミュニケーションをとることができるようになりました。また、高度な医療ケアが必要な入所者さんが増えてきており、専門知識・技術も多様になりたくさんの学びを得ています。 また、4人の子供の子育てをしながらフルタイムで働く中で、部分育児休業という時短勤務を組み入れて勤務しています。子供との時間を大切にしながら働かせてもらえる環境に感謝しています。そして、経験豊富な先輩スタッフの方が多いため、仕事での相談事はもちろん、子育ての相談にものってもらいやすい雰囲気があり、心の負担が軽くなり、仕事でも家庭でも精神的に安定して過ごせているように思います。重心看護に興味のあるかた、子育てしながら働くママナースさん、ぜひ一緒に働きましょう! |
R4年度よりセンターで働いている看護師より
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1.やりがい 障害児・者の生活支援が中心なこともあり、日々の生活の中から成長や楽しみを一緒に見つけることができるところにやりがいを感じています。自分で訴えることができない方が多いため、気づきが大切ですが、日々の関わりの中で個性が見えたり反応があるのがうれしく、好きなことを見つけてあげて楽しく安心した生活を送れるようにしたいです。 2.入職してよかったこと 重心の看護の特徴をふまえた研修があるので、再学習ができたことがよかったです。ペアリングシステムも導入されていることもありますが、スタッフは皆さん親切でわからないところを聞きやすく、時間の余裕もあるため安心して確認ができる環境だと思います。そのため、仕事に慣れるまでの不安が軽減されたのもよかったです。また、あけぼのは自然に囲まれた環境なので、四季を感じながらの通勤も楽しいですよ。 |
当センターには「重症心身障害領域における看護の質の向上を図る」ことを目的とした、日本重症心身障害福祉協会認定の重症心身障害看護師5名が活動しています。活動内容は、「呼吸に関するケア」「気管切開」「胃瘻」に関わる知識や技術の研修を行い、各病棟でも教育的活動を行っています。
また、山梨県のインクルーシブ教育システム推進事業に協力して、医療的ケアを必要とする児童生徒が通う特別支援学校の教員等に対し、特定行為実践のための基本研修など知識・技術の指導を行い、障害者が地域で生活できる体制づくりを支援しています。
<月1回の重症心身障害看護師会議> <気管切開患者に関する看護の研修会>
・重症心身障害児者それぞれの障害や年齢に応じた健康問題への対応、身体・精神面における健康維持や生活の質の向上に向けた看護実践と、入所者が安心・安全に日常生活が送れるような生活支援を他職種と協働しながら行っています。
・高齢化に伴う身体能力の低下や、人工呼吸器や胃瘻等の医療的ケアを必要とする入所者増加しているため、質の高い看護が提供できるよう、看護実践能力の向上に努めています。
・短期入所も受け入れており生活支援から高度な医療的ケアを必要とする利用者さんの在宅での生活を支えています。
【医療型障害児入所施設・療養介護・入院(ビオラ病棟)】
・支援学校の通学生が多く在籍しています。そのため、心身の成長発達、身体機能の維持・獲得を目指し、個々に応じた支援を行っています。
・入所児の将来を見据え、障害の程度や個々のライフスタイルに合った豊かな生活が送れるように支援学校と協力しながら卒後支援に取り組んでいます。
・障害児・者の整形外科手術や全身麻酔下歯科集中治療等のための入院病床があるため、入院患者さんが安心、安全に入院生活が送れ、不安なく退院後の生活に移行できるよう、外来受診時より面談を行うなど計画的に援助を行っています。
医療型児童発達支援センター、生活介護の2つが開設されています。
それぞれに看護師が配置され、医療的管理のもと、支援課職員とともに保育園・所外活動・機能訓練など日常・社会生活が充実したものになるよう日々支援をしています。また、障害児者や家族が地域で安心して生活できるように家族支援にも力を入れています。
通園する在宅障害児の児童発達支援および治療(医療の提供)を行っています。集団生活の中で幼児期の発達を促しながら社会性と協調性を育てることを目的とし、遊びや体験を通して精神面の発達や摂食・排泄などの基本的生活習慣の習得を支援します。また戸外活動を行い、丈夫な体づくりをします。 母子ともに、安定した状態で、毎日通園できるよう保護者の心理的サポートや医療ケアの相談などに乗り、在宅での生活が安心して継続できるように支援しています。 |
在宅の障害者が通所することで、日常生活動作・運動機能の低下を防止するとともに、四季の移り変わりを感じるような行事や多くの人との関わりの中から社会性の向上を図ることを目的に活動しています。利用者の健康管理・摂食訓練・機能訓練を行い、健康の維持・管理に努め、保護者の家庭での療育の悩み等について相談・助言などを行っています。週に1回の入浴、散策や制作などの活動、スヌーズレンなどにより感覚を刺激し、集団活動を通して人とのふれあいを支援していきます。 |
心身障害児(者)を対象に、整形外科、小児科、泌尿器科、皮膚科、リハビリテーション科の外来診療を行っています。外来患者には、在宅療養の重症心身障害児(者)や発達遅滞児及び発達障害児、社会福祉村内の施設に入所や通所をしている障害者等が通院しています。
来院する患者家族が安心して、安全に受診目的が果たせるように、診察時の見守りや、家や学校でどのように過ごしているのか家族から聞き取り、医師に情報提供を行っています。初めて来院する患者家族には、診察前・後での声掛けを行い、家族の受けとめや思いに傾聴し、不安軽減に努めています。
様々な障害をもつ児者やその家族が日々を安定した状態で過ごせるよう支援していきます。
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手術担当看護師4名(病棟と兼務)が交代で手術室に入っています。 <歯科治療>何らかの障害で歯科治療が困難であり特別な配慮が必要とされる患者に対して、全身麻酔下での歯科集中治療を行っています。 <整形外科手術>主に運動発達を阻害する痙性や拘縮を解除する手術や、内反則・股関節脱臼に対する手術を全身麻酔下で行っています。 患者やその家族が安心して手術や治療が受けられるように一人一人の障害にあった関わりを行い、環境を整え安全安楽に治療が行えるように、医師や病棟看護師と連携し支援を行っています。 |