ページID:96553更新日:2020年9月17日

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令和2年9月定例県議会知事説明要旨

令和2年9月定例県議会の開会に当たり、提出致しました案件のうち、主なるものにつきまして、その概要を御説明申し上げますとともに、私の所信の一端を申し述べ、議員各位並びに県民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。

先ずはじめに、収束の見えない新型コロナウイルス感染症に向き合う困難な環境にあって、日常生活からお仕事まで、様々に御努力くださっております全ての県民の皆様に、そして、私ども県民の生活と生命に日々向き合われてくださっております全ての医療関係者の方々に、この場をお借りして深く、深く感謝を申し上げます。

次に、望月幸明元知事の御逝去に対しまして、衷心より、哀悼の意を表したいと存じます。

望月元知事におかれましては、昭和54年に山梨県知事に初当選されて以来、12年間にわたり、県政の推進に御尽力されました。

この間、「活気ある山梨づくり」を基本理念に掲げ、中央自動車道の用地取得や開通後を見据えた企業誘致の推進、山梨リニア実験線の誘致など、本県経済の発展の礎を築かれるとともに、「かいじ国体」の開催を実現されるなど、県政の推進に御尽力をいただきました。

生前の御功績に対し、県民の皆様とともに感謝申し上げ、心から御冥福をお祈り申し上げます。

さて、国の緊急事態宣言が解除され、一旦は収束に向かうかと思われた新型コロナウイルス感染症は、6月中旬から、東京都など大都市圏の夜の街を中心に感染が拡大し、7月に入ると、緊急事態宣言の発令時を上回る感染者が発生する状況となりました。

その後、感染の拡大は地方にも波及し、これまで感染者が確認されていなかった岩手県や離島部での確認、島根県の高等学校でのクラスター発生、沖縄県における急速な感染拡大など、第一波を上回る勢いとなりました。

本県においても7月下旬以降、家庭や職場を通じた感染の広がりや、経路の特定できない市中感染の増加など、拡大の兆しが現れ始め、8月には十分な感染防止対策がとられていない夜の街の店舗でクラスターが発生するなど、予断を許さない状況となりました。

こうした第二波とも言える再度の感染拡大に際し、県民・事業者の皆様に対して、感染防止対策の更なる徹底を呼びかけて参りました。

また、県民の皆様の不安を取り除くために、PCR検査体制の拡充や病床の確保など、感染防止対策や医療提供体制の強化にも積極的に取り組んで参りました。

一方で、この新型コロナウイルスについては、有効なワクチンや効果的な治療薬が開発されない限り、完全な収束は見込めず、しばらくの間は感染症の脅威との共存を余儀なくされるものと考えております。

本県は全国で唯一、新型コロナウイルスの特別措置法に基づく休業要請を解除しておりませんが、これは感染症を恐れるのではなく、その存在を前提としつつ、感染拡大防止と経済活動が両立できる社会、「超感染症社会」への移行を目指す、本県独自の構想に基づくための措置であります。

9月補正予算につきましては、今後訪れるであろう第三波、第四波に対して十分な医療提供体制を確保しつつ、超感染症社会への移行戦略である「やまなしグリーン・ゾーン構想」の更なる推進、県民の生活と経済活動の維持、反転攻勢のための対策に重点を置いて編成致しました。

先ず、最重要課題である新型コロナウイルス感染症対策について、これまでの対応状況と9月補正予算の内容について御説明申し上げます。

はじめに、感染拡大防止と医療提供体制の整備についてであります。

本県の新型コロナウイルス感染症対策は、先手対応・事前主義を基本姿勢とし、胆大心小の心得のもと、推進しております。

それはすなわち、到来し得る展開を先んじて読み、必要となるであろう対応と対策を先んじて講じる備えと構えにほかなりません。

こうした考えのもと、これまでも、全国的にも先進的な取り組みを行って参りました。

第一に、国の指針に縛られない県独自の保健所への相談基準の緩和、第二に、早期の相談を促すための感染者・濃厚接触者への休業補償制度の創設、第三に、接触確認アプリCOCOAにより陽性者との接触通知があった方全員のPCR検査の実施、第四に、人権・風評被害対策として甲府地方法務局・県弁護士会・警察本部との連絡会議の設置や相談ダイヤル・弁護士無料法律相談の開設、第五に、特措法に基づく休業要請の個別解除とグリーン・ゾーン認証制度の創設などであります。

今回の補正予算においては、先ずPCR検査体制について、現在、1日当たり260件の検査が可能でありますが、先般新たに示された国のシナリオに基づくと、ピーク時の検査件数は380件と算定されることから、検査体制を更に強化することとし、所要の経費を計上致しました。

更に、医療提供体制については、これまでも医療機関の機器整備などを積極的に支援して参りましたが、陽性と判明した方が適切な治療を受けられるよう、国の基準による新たな病床確保計画を策定し、先月、重点医療機関及び協力医療機関を指定したところであります。

現在、病床については、計画の250床を上回る285床を確保したところであり、入院治療の必要がない軽症者等の療養先となる宿泊療養施設についても適切に確保することとし、所要の経費を計上致しました。

また、社会福祉施設等における感染防止対策を徹底するため、保護施設や介護施設、障害者施設、保育所や放課後児童クラブ等の衛生用品の購入等を支援することとし、所要の経費を計上致しました。

更に、インフルエンザとの同時流行に備え、65歳以上の高齢者や、60歳から64歳の方で呼吸器等の機能障害をお持ちの方の重症化を予防し、医療機関の負担を軽減するため、高齢者等のインフルエンザ予防接種を無償化して参ります。

今後も県民、事業者の皆様の御理解と御協力のもと、感染防止対策を徹底し、今般の新型コロナウイルス感染症はもちろんのこと、更に将来、本県が再び未知の感染症に見舞われたとしても、命に不安なく、同時に経済活動が停滞することのない山梨を築くため、本年を「やまなし感染症対策再生元年」と位置付け、今後も新しい体制確立に最大限の努力をして参ります。

次に、県民生活に与える影響の最小化と新しい生活様式への対応についてであります。

新型コロナウイルス感染症の早期の収束が見込めない中、本県の最重要課題は、感染防止対策の徹底により、県民の皆様の安全・安心な生活と経済活動を両立させることであります。

このため、感染症に強い社会「超感染症社会」への移行を目指す戦略である「やまなしグリーン・ゾーン構想」に基づき、県が事業者の感染防止対策を認証する制度の運用を開始するとともに、認証制度の普及を強力に推進するために、グリーン・ゾーン推進課を新設致しました。

認証制度については、9月11日時点で1160件の申請があり、これまでに621件の施設を認証して参りましたが、引き続き、事業者の皆様に積極的に認証を取得していただき、安全・安心な山梨を築きあげることが重要であります。

そのためにも、点から面へ、ポイントからゾーンへと感染症の安全地帯を拡げていくことができるよう、あらゆる施策展開を検討して参ります。

こうした観点から今回の補正予算においては、認証取得に向けた機器の購入支援について、対象を従来の小規模事業者から中規模以下の事業者にまで拡充することとし、所要の経費を計上致しました。

今後も、なお一層の周知に取り組み、認証取得を促進するとともに、認証施設については、県の施策と連動し、観光客や県民の利用促進に資するよう、様々な支援策を講じて参ります。

認証制度はまた、収束後を見越した、海外からの観光需要の呼び込みにおいても、本県における最大のアピールポイントの1つとして、積極的なPRを始めております。

また、収入の減などにより生活困難な方を支援するため、生活に必要な資金を貸し付ける事業については、9月4日現在で約8200件、23億6000万円余の実績があり、引き続き十分な貸し付けができるよう、県社会福祉協議会に追加の貸付原資を助成して参ります。

更に、県立学校や私立学校の修学旅行における感染リスクを低減するため、移動時のバスの台数や、宿泊部屋数を増やす際に増加する経費に対して助成するとともに、予定していた旅行を実施できなかった場合に保護者の負担となるキャンセル料についても支援して参ります。

加えて、ICT教育につきましては、質の高い教育を提供する観点からこれまでもその充実を図ってきたところでありますが、今後、感染症の拡大により学習環境に様々な制約が生じたとしても、子どもたちの学びの機会を保障していくため、環境整備を加速化して参ります。

具体的には、県立学校において、情報端末を活用した学習効果の高い授業の導入を進めることとし、1人1台環境の早期実現に向けて、その一部を公費で整備するなどの準備を進めるとともに、全ての普通教室へのプロジェクタや実物投影機の設置、教員を補助するICT支援員の配置を行うなど、教育環境の充実を図るための経費を計上致しました。

このほか、県民の皆様の利便性の向上や、行政運営の一層の効率化を推進するため、全ての行政手続きについて電子化を検討するための経費を計上致しました。

次に、県内経済の安定化・反転攻勢に向けた対策についてであります。

5月に創設した「新型コロナウイルス感染症対策関係融資」については、8月までの融資件数が約6500件、融資額が約1040億円と、非常に多くの申し込みをいただいていることから、再度融資枠の大幅な拡大を行い、引き続き、個人事業主や中小・小規模事業者の皆様の資金繰りを強力に支援し、もって県民生活全体をしっかりと支えて参ります。

また、本県経済を反転攻勢の流れに導くためには、裾野の広い観光産業を活性化させることが不可欠であります。

このため、本県への誘客を促進することを目的に、本県の観光資源の更なる磨き上げに取り組んで参ります。

具体的には、県内の坂道を活用した本県独自のサイクルツーリズムや、神社仏閣等の文化財をつなぐ「歴史の道」を活用したツーリズムの推進、屋外や自然の中で安心してリフレッシュできる「家族・グループ向けアクティビティ」商品の開発支援等を行うとともに、県内周遊を促進するため、二次交通の連携・強化を図る「やまなし観光MaaS」を整備することとし、所要の経費を計上致しました。

更に、外国人旅行者の利便性と満足度を向上させるため、県内観光資源の案内板について、統一したデザインによる分かりやすい内容への更新や、多言語表記を推進して参ります。

また、ウィズコロナ時代を迎え、テレワークやワーケーションの浸透など、企業や人の活動に大きな変革が生じており、更には安全・安心な地方との二拠点居住に対するニーズも急激に高まってきております。

本県では、これまで進学や就職をきっかけとした隣接する東京都への転出の流れが定着しておりましたが、国の統計では、今年度に入り東京都で転出超過の傾向が現れ始めております。

本県の豊かな自然環境や、近い将来に訪れるリニア中央新幹線の開業など、他県にはない優位性を生かし、一極集中から分散への流れを確実につかみ取り、人口流出から人口流入に転換させていくことが、将来の山梨県のために非常に重要な取り組みとなります。

このため、東京圏で働く方が、最終的に山梨の地を二拠点居住や移住の地として選択し、安心して仕事や生活を送ることができるよう、様々な施策を一体的に推進して参ります。

先ず、二拠点居住に興味や関心がある方に対する情報発信を強化するため、新たに「やまなし未来創造ポータルサイト(仮称)」を構築し、二拠点居住に関する施策・支援策をPRするとともに、企業ニーズの把握や現地視察ツアーなどを実施して参ります。

また、二拠点居住、移住への流れのきっかけづくりとなるよう、訪問・滞在型の施策を充実させることとし、ワーケーション体験プログラムの造成や人材育成に取り組むとともに、宿泊施設やキャンプ場をワーケーション導入の場として活用するための改修経費等に対して助成して参ります。

そして、こうした訪問・滞在を通じて最終的には、本県への二拠点居住、移住につなげるべく、誘致企業に対する支援策である産業集積促進助成金制度に、新たに小規模オフィスや社宅の取得、借り上げなどに対する助成メニューを新設するとともに、廃校舎や公民館をサテライトオフィスとして活用するための改修経費への助成、空き家をコワーキングスペース等として活用するための改修経費への助成など、様々な支援策を展開して参ります。

今後も県議会の御意見や、やまなし自然首都圏構想研究会、山梨県デュアルベースタウン研究会での検討を踏まえ、二拠点居住の取り組みを強力に推進して参ります。

次に、9月補正予算のその他の事業について御説明致します。

先ず、人と動物の共生社会の推進についてであります。

県では平成25年度に「動物愛護管理推進計画」を策定し、犬や猫の適正飼育や動物愛護思想の普及啓発、殺処分の減少に向けた取り組みを推進して参りました。

その結果、昨年度の犬や猫の引き取り数は923頭と、計画策定前の平成24年度の2368頭から3分の1にまで減少するとともに、殺処分数も224頭と平成24年度の1669頭から大幅に減少しました。

一方、殺処分のうち、約9割は飼い主のいない猫から生まれた子猫であり、殺処分を減少させるためには、地域との連携による取り組みが重要であります。

現在、市町村が実施している犬猫の不妊・去勢手術への助成制度は、飼い主のいる場合のみが対象となっており、殺処分の多くを占める飼い主のいない猫は対象外となっております。

そこで、飼い主のいない猫への不妊・去勢手術に対する市町村の取り組みを促進するため、新たに市町村への助成制度を創設するとともに、動物愛護指導センターの手術室を整備し、獣医師会と連携して手術にかかる費用負担を軽減することとしております。

これらの取り組みにより、できるだけ動物の殺処分を減らし、小さな命を大切にする運動を進めて参ります。

世代を問わず、人間自身が動物と向き合うことで大きな癒しと成長を享受する時代にあって、動物との適切な距離感を築くために地域社会自身が向き合うことも、山梨における新しい「地域価値」や「将来価値」を創出する大切なきっかけとなる。そのように考えております。

次に、モモせん孔細菌病の防除対策についてであります。

昨年、県下全域で多発したモモせん孔細菌病については、日本一のモモ産地を維持していくために全県的な対策を講じることとし、JAや市町と連携し、一斉防除を実施するための経費を助成したところであります。

本年については、防除の効果もあり、昨年に比べれば被害は少ないものの、引き続き県下全域で発生が見られ、加えて長引いた梅雨の影響により、翌年の発生源となる病原菌のまん延も懸念されております。

こうした状況や、県議会からの要請を踏まえ、本年も引き続き、JAや市町と連携し、一斉防除を実施するための経費を助成して参ります。

最後に、林業の担い手の確保・育成についてであります。

本県の豊かな森林資源を有効に活用し、林業の成長産業化を進めるためには、生産性の向上を支える担い手の確保・育成が重要であります。

このため、昨年度設置した「林業の担い手育成あり方検討委員会」において、有識者などの御意見を伺いながら、本県の実情に即した人材育成の在り方について検討を進めて参りました。

その結果、高度な知識と技術を備えた即戦力となる人材を計画的に育成するためには、就業前に一定期間、林業を学ぶことができる2年制の専門学校を設置することが望ましいとの意見集約が行われたところであります。

これを受け、専門学校山梨県立農業大学校に林業に関する学科を新設するための手続きを進めることとし、令和4年度の開講を目指して準備を進めて参ります。

以上の内容をもって編成しました結果、一般会計の補正額は、898億円余となります。

次に、当面の県政課題について御説明致します。

先ず、気候変動を踏まえた県土の強靱化についてであります。

7月3日から31日までの間、梅雨前線の停滞は、全国各地で記録的な大雨を引き起こすとともに、熊本県の球磨川や山形県の最上川などの河川の氾濫や土砂災害の発生を招きました。

被災された方々に対しまして、衷心よりお見舞いを申し上げます。

国においては本年7月、洪水の発生を前提に、氾濫をできるだけ防ぐ対策や被害を減少させる対策、更には早期復旧・復興のための対策について、流域の関係者の協働による流域治水への転換を打ち出したところであります。

本県には、球磨川、最上川と並び日本三大急流の1つに数えられる富士川が流れており、今回の豪雨で甚大な浸水被害が出た熊本県人吉市と地形が類似していることから、同様の災害の発生が懸念されております。

このため、過日、国・県・流域の市町を構成員とした富士川流域治水協議会が設置されたところであり、今後は協議会において、富士川流域の治水対策を検討して参ります。

また、洪水から身を守るためには、市町村域を越えた避難を検討していく必要があることから、市町村の広域避難計画の策定に向け、本年度、全ての市町村に参加いただく中で、広域避難検討会を設置したところであり、県民の皆様の避難行動につなげるための取り組みを進めて参ります。

加えて、災害時における電力供給体制の確保も喫緊の課題となっております。

令和元年房総半島台風では、千葉県を中心に長期間にわたる大規模な停電が発生し、住民生活や経済活動に多大な被害が生じたところであります。

電力供給は最も重要なライフラインの1つであり、災害時においても、電力会社や自治体などが連携し、その確保に万全を期すことが極めて重要であります。

このため県では、昨年の台風被害後、速やかに送配電事業者とのワーキンググループを設置し、更に市町村や関係機関も含めた検討を重ねて参りました。

その結果、過日、樹木の事前伐採等による停電被害の最小化、停電からの早期復旧、災害に強いエネルギーシステムの3本柱からなる「山梨県電力供給体制強靱化戦略」を、東京電力パワーグリッド株式会社供給区域内の都県で、初めて策定致しました。

今後は、戦略に基づき、同社や市町村など関係機関と連携し、災害時における電力供給体制の強靱化に向けた取り組みを着実に進めて参ります。

次に、水素エネルギー社会の実現についてであります。

最先端分野で常に技術革新が求められる水素・燃料電池産業は、先端的な研究機関による製品の評価や研究に関する業務などを集積し、技術交流や人的交流を促進することが重要であります。

このため、我が国を代表する水素・燃料電池の研究・評価機関である技術研究組合FC-Cubicについて、私が先頭に立ち誘致を進めて参りましたが、今般、本県への移転が決定し、去る9日に移転に関する合意書を締結致しました。

産業技術の先端的研究を行う技術研究組合の誘致は、本県にとって初めてのことであります。

移転場所は、P2Gシステムをはじめ、水素エネルギーに関する企業・事業者が実証事業を展開している米倉山電力貯蔵技術研究サイトを予定しており、FC-Cubicをはじめ、多様な研究機関が入居するための新たな研究開発拠点を整備して参ります。

これにより、水素・燃料電池産業の国内屈指の研究開発地である本県の地位を更に強固にするとともに、国内外の多くの研究者と県内企業や大学などとの交流の促進が期待され、リニアやまなしビジョンが目指すテストベッドの一大拠点化に向けて、大きく一歩を踏み出したところであります。

次に、提出案件の全体につきまして御説明申し上げます。

今回提出致しました案件は、条例案5件、予算案5件、その他の案件5件となっております。

条例案のうち、山梨県県税条例の改正についてであります。

法人県民税につきましては、資本金1億円を超える大規模法人等を対象として超過課税を実施しておりますが、来年3月にその期限が到来致します。

本県におきましては、社会福祉の充実及び教育文化の振興を図ることが要請されている一方、厳しい財政状況が続いておりますので、引き続き5年間、その期間を延長するための改正を行おうとするものであります。

その他の案件につきましては、いずれも、その末尾に提案理由を付記しておりますので、それによりまして御了承をお願い致します。

最後になりますが、改めて、今後の県政運営に臨む上での決意を申し上げます。

重ねて申し上げますが、本県のみならず日本、世界において、新型コロナウイルス感染症はなお収束の先行きが見えません。

生活・社会のあらゆる局面が感染症対策を基軸としたものへと、変更と修正を余儀なくされてしまっております。

自由な意思・自由な活動が、生命への恐れがゆえに妨げられる。

そのような時間を、私たちは第二次大戦以後に、ここ日本で、山梨で経験したことがあったでしょうか。

しかしながら私、そして県庁の全職員には、この国難のまさに先頭を切り拓く決意と覚悟がございます。

この歴史的な危機にあっても、決して「停滞」ではなく「前進」させる。

山梨から日本を前進させる。

その覚悟のもとに、県政におけるあらゆる現場にあっては拱手傍観を徹底して排し、県民目線に寄り添い、生活者の日常感覚に心を砕く。

県下自治体と、強く心をひとつにして、まさに一心響音のもとに、悩まれる方、不安な方、困難を抱えた方、全ての県民の心をひとつとして取りこぼすことのないように、努める決意です。

山梨を、このコロナ禍による閉塞した状況から最も早くに突破させ、生活と経済の跳躍を果たす最初の地域にしたい。

このように心に期しております。

ここ、山梨県議会こそが、その決意に力を与えていただき、その覚悟に希望を与えてくださる、常に立ち返るべき山梨跳躍の最源流でございます。

なにとぞ、よろしく御審議の上、御議決あらんことをお願い申し上げます。

令和2年9月17日

山梨県知事 長崎 幸太郎 

このページに関するお問い合わせ先

山梨県知事政策局広聴広報グループ 
住所:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1
電話番号:055(223)1336   ファクス番号:055(223)1525

山梨県総務部財政課 
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