ページID:2683更新日:2023年3月30日
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クレソンが日本に渡来したのは明治時代といわれ、その後各地に分布し、きれいな水が流れる川や沼に自生するようになりました。南都留地域では昭和49年頃、忍野村で水田に作付けされたのが初めで、その後昭和53年に道志村に導入されました。2戸の農家が5aを試作して出荷したところ、市場から高い評価を受けました。この翌年には3戸に増えて30aが本格的に栽培されるようになりました。道志村では、クレソンは水田転作作物としても推進され、昭和55年には栽培農家11戸で「道志村クレソン出荷組合」が設立され、栽培面積は50aとなりました。
当初の需要はホテルやレストランでの料理の付け合わせに使われる程度で、特定の買い付け業者による委託販売が行われていました。その後、クレソンが栄養豊富な香辛野菜として注目され需要が増えると、栽培農家や面積も増加し、年間を通して需要に応じるため、契約による周年出荷が行われるようになりました。このため夏季は、標高が高く冷涼な道志村や富士吉田市、忍野村、都留市で、冬季は、標高が低く比較的温暖な静岡県や神奈川県で栽培し、一年中出荷が行えるような体系をとっています。
近年は消費の多様化・大衆化を図るため、粉末にするなどして様々な利用方法や加工品の開発に取り組んでいます。平成11年にオープンした「道の駅どうし」では、クレソンを利用したうどんや煎餅、ケーキなどが販売され観光客にも好評を得ています。