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ページID:107219更新日:2022年12月27日

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山梨県の取り組み 強靱化計画について

 

山梨県の強靱化計画とは?

自然災害の多い日本では、豪雨や豪雪、地震などの大規模自然災害に常日頃から備えておく必要があります。山梨県下では、地震や風水害のほかに富士山の噴火などが想定されています。こういった自然災害が発生しても、「致命的な被害を負わない強さ」と「速やかに回復するしなやかさ」をもった安全・安心な地域を構築するため、「県土の強靱化」を推進し、インフラを強化しておくことが課題となっています。

災害に備えるために、山梨県では「強靱化計画」を進め、災害に強い県土作りを進めております。具体的には交通網の強化や治水事業、富士山火山防災対策などの取り組みを、毎年安定的な予算を確保しながら進めています。

皆様に安心して暮らしていただけるよう、いざというときに県民の皆様の暮らしを守る「強靱化計画」について、取り組みの内容を解説させていただきます。

 

災害に強い県土づくり

山梨県は自然が多い地域である一方、周囲を山々に囲まれており、険しい地形や地質が弱いエリアが多いという特徴を持っています。その中で災害リスクをできるだけ低くし、県民の皆様に安心して生活していただけるために、山梨県では強靱な交通インフラや安全を確保できる地域づくりを行っています。

 

山梨が抱えていた課題

山梨県に被害をもたらした自然災害として、記憶に新しいのは令和元年東日本台風でしょう。東日本の広範囲に大雨・暴風・高波をもたらした台風により、東京と山梨を結ぶ主要道路も被災してしまいました。道路の寸断は約1週間におよび、その間、県内沿線地域の経済活動や生活・観光に大きな影響を与えました。交通の大動脈が寸断された際にいかに迅速に交通インフラを復旧させるか、また地域が孤立しないようあらかじめ対策を練っておくかが山梨県の交通における課題です。

さらに、県土の約8割を森林が占める山梨県では、水害に備えた治水対策や、土砂災害を防ぐための対策を講じることも大切です。森林は適正な整備・保全を行うことで洪水を防ぐなどの多面的な機能を発揮します。山梨県ではインフラの整備とともに、自然のもつ公益的機能を活用した県土づくりを行う必要がありました。

 

災害に強い県土をつくる取り組み

災害に強い県土をつくる取り組み

交通インフラの強靱化としてまず挙げられるのが、東京〜山梨・長野間の交通強靱化プロジェクトです。関係都県市へとつながる主要な交通手段において、脆弱だった場所の強靱化や復旧作業の効率化、災害が発生したときの交通マネジメントの強化などが行われています。さらに広域迂回路も整備され、一部の道路がもし被災したとしても、災害時に孤立してしまうリスクが軽減されています。

また、水害・土砂災害対策として、これまで治水や砂防事業を行い、現在は流域治水対策などに取り組んでいます。森林では、公益的機能を発揮させるための森林整備や林内路網の整備、治山対策も進められています。

災害に強い県土をつくる取り組み1

災害に強い県土をつくる取り組み2

参考リンク:防災・減災、県土の強靱化(概要)

 

電力供給体制の強靱化への取り組み

災害は電力供給などのライフラインにも影響を与えます。令和元年の台風15号では千葉県を中心に最大で約93万戸が停電する被害が発生し、住民の生活に影響を与えました。山梨県もいざというときに生活に必要な電力が不足しないよう、強靱な電力供給体制を整えておく必要があります。

山梨県では県民の皆様の生活を守るために、次のような取り組みを行っています。

 

インフラ被害を最小限に

山間地を抱える山梨県では、ひとたび暴風を伴う台風の直撃を受けた場合の倒木による電柱等への被害は相当な規模になる恐れがあります。そこで、変電所周辺など、倒木被害により広範囲の停電につながる恐れがある配電線周辺や、変電所から市町村役場・病院等の重要施設へ給電する重要な配電線周辺など、優先的に取り組む必要がある地域を選定し、市町村、森林所有者、東京電力PGなどの関係者が連携して、倒木の恐れのある樹木の事前伐採を行っています。

また、地震や台風により電柱が倒壊すると、停電はもとより、災害時の避難や救助活動等に大きな障害となる恐れがあります。これを防ぐため、国や市町村、電力会社等と連携して、電線類地中化事業に取り組んでいます。

さらに、強風でトタンやテント類が飛来し、電柱や電線に引っかかることで、電柱倒壊の恐れや、停電の原因につながります。このため、台風が来る前に点検・補修・補強や取り外しなどの飛来物防止対策について、県民の皆様への注意喚起を行う活動も進めております。

 

大規模停電からの早期復旧を目指して

大規模停電からの早期復旧には、設備の被害や停電の発生状況をできるだけ早く把握することが大切です。山梨県は東京電力とともに、消防防災ヘリコプターの運営や被災情報収集における連携強化を図り、得た情報を迅速に発信できるよう総合防災情報システムを整備しています。

さらに、復旧作業を行う際にはスムーズに自治体や電力会社、自衛隊とも協力できるよう、災害時を想定した連携体制を構築・強化します。また、早期復旧のために必要な現地復旧拠点の確保や停電時の応急電源の確保についても併せて進めております。

 

災害に強いエネルギーシステムを導入

系統からの電気の供給が途絶したときに備え、再生可能エネルギーなど、自立・分散型電源の導入を進めることは、災害への適応力を高めるだけでなく、二酸化炭素の排出削減にもつながります。

住宅等の屋根に設置する太陽光発電設備は、停電時に自立運転を行う機能により、発電した電気を使用することができ、蓄電池を併設することで、発電した電気を蓄え、停電時の夜間でも電気を使用することが可能になります。太陽光発電設備や蓄電池の導入には、多額の初期費用が必要であるため、設置希望者を広く募集し、一括発注する共同購入とすることで、スケールメリットによる費用低減を図る取り組みや、リースなどの初期費用をゼロとすることが可能な導入方法の認知度の向上を図る取り組みにより、導入を促進しています。

また、平時は地域の再生可能エネルギーを有効活用しつつ、災害等による大規模停電時には、電力会社等と繋がっている送配電ネットワークを切り離し、自立して電力供給が可能な地域マイクログリッドの導入を検討します。

 

富士山火山防災対策の取り組み

富士山は世界文化遺産にも登録され、国内外から多数の観光客が訪れる日本の象徴的な存在です。同時に、富士山の広大な裾野では多くの人の生活や経済活動が営まれています。

しかし、もしも大規模噴火が起こった際は、甚大な被害が発生する可能性があります。幸い富士山は300年以上沈黙を保ってはいますが、いざという時に備えて住民や登山者・観光客の皆様の命を守れるよう取り組むことが山梨県の責務です。

参考リンク:富士山火山防災対策

 

富士山ハザードマップが改定!

ハザードマップとは、災害による影響が及ぶおそれのある範囲を地図上に示し、視覚的に分かりやすく示したものです。富士山における火山ハザードマップは2004年に策定されましたが、その後新たな科学的知見が蓄積されたことから、2018年以降3年間の月日をかけて改定が行われました。

富士山ハザードマップには、溶岩流・火砕流などの個別の火山現象について示したドリルマップと、ドリルマップを重ねて網羅的な被害予想を示した可能性マップの2種類があります。改定されたハザードマップを踏まえて、富士山火山広域避難計画の改定作業を行っているところです。富士山の噴火が万が一発生した際、県民の皆様には溶岩流や火山灰などの火山現象の特徴に応じた避難行動を行うよう周知しています。

 

防災バックアップへの取り組み

他の地域と比較して、山梨県は災害が少ない地域です。いつか必ず発生すると言われる首都直下地震でも、ほとんどの地域で震度4以下にとどまるとみられており、過去20年間の水害による被害額も関東エリアで最少というデータがあります。

もちろん、山梨県が絶対に安全であるとは言い切れないため、しっかりとした防災対策を行っていく必要はあります。その上で、もし近隣地域で大きな被害をもたらす災害が起こった場合、その時、山梨県にできることは何だろうか、どのようなバックアップができるか一生懸命考えています。

山梨は東京から1時間強でアクセスでき、近い将来リニア中央新幹線が開通すれば東京都心からの所要時間は約25分と、きわめて高い交通利便性があります。もし東京で大きな災害が起こったとき、弱まってしまった東京の都市機能のすべてを肩代わりすることはできませんが、一部の機能をサポートしていくことはできます。

そのサポートの1つとして、いざというときに備え山梨県への移転を検討される企業に向けて、山梨県は防災バックアップ・サポートデスクを設置して、移転の適地や支援策など企業の皆様の様々な相談を防災バックアップコンシェルジュが一元的に対応することとしています。

 

山梨県は強靱化計画を進めてまいります!

山梨県は比較的災害の少ない地域ではあるものの、内陸県特有の物流・人流にかかわる被害や水害、土砂崩れなどに備える必要があり、さらには富士山の噴火とも向き合っていかなくてはなりません。

被害を少しでも減らし、災害が起こった時に迅速な復旧作業が行えるよう、強靱化の取り組みをより進めるために、今後も県民の皆様のご理解とご協力をいただければ幸いです。

県民の皆様一人ひとりが安心して生活できる環境を整えるため、山梨県では県土の強靱化計画を今後も進めてまいります。

 

その他の重点施策

 

コラム

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