トップ > 組織案内 > 県教育委員会の組織(課室等) > 埋蔵文化財センター_遺跡トピックスNo.0119 甲府城跡(平成19石垣補修工事)
ページID:4386更新日:2016年2月1日
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県指定史跡甲府城跡一覧
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県指定史跡甲府城跡(鍛冶・数寄屋曲輪)甲府城跡は山梨県に唯一築城された近世の城で、甲府市の中心地、県庁の東側にあります。かつては20ヘクタールほどの広さを誇っていましたが、現在史跡として保護されているのは約6ヘクタールほどです。 甲府城跡について、詳しくは甲府城研究室 今回、修繕工事を行なった石垣は赤枠内の場所です。 400年間の風雨に耐えてきた石垣石垣の補修工事は、歩行者・車両等の安全確保と石垣の保全を目的に実施しました。補修工事は詰石の補充や石材の補強といった緊急的な措置で、積み直しのような改修工事とは異なります。 工事前の石垣と事前の測量調査の様子 約400年ぶりのメンテナンスとなるため、痛みの状況などを調べたところ、大気汚染で石垣は黒ずみ、太平洋戦争時の甲府空襲により火を受けたことによる石材の変色や剥離、山梨の厳しい気候に耐えてきた証でもある破断や割れ、地下水などの影響による土の流出や空洞化など、とても危険な状況が確認されました。
次に、その状況について一部紹介してみましょう。 破断した石材(補強が必要):円の中 石材のひび割れや、詰石の消失、コンクリートによる補強のあとなどが見られます。 (接着等の補強、詰石の補充、コンクリートの除去などが必要) 石垣内部の空洞化(栗石の補充と詰石が必要) 石垣補修工事の手順今から約400年前に造られた甲府城(舞鶴城)は、各時代において大小さまざまな修理が行なわれながら、今日の姿を維持してきましたが、明治時代に入ると城としての機能を維持する必要性が無くなったことから、荒廃が進みました。郷土のシンボルであり、大切な文化財であり、また県民の憩いの場となっている舞鶴城公園の整備事業について、山梨県では1990(平成2)年に着手し、安全性の確保、文化財の保護、利便性の向上などを目的に工事を行なっています。今回の工事内容は次のようなものです。 (左)石垣の清掃作業(中)施行方法の検討(右)石垣の診断 (左)詰石の空洞化(右)詰石を充填し補強 (左)ひび割れ(右)接着剤等による補強 割石作業(詰石素材をつくる) 割面の調整 詰石作業…石垣の崩壊を防止しながら、文化財である現在の状況を極力維持するために実施します。 工事が完了して…今後も引き続き、緊急性のある場所から工事を行なってい予定です。あくまでも‘文化財'という前提を配慮しながら、安全性を最優先に工事を行なっています。
今後ともご理解とご協力のほどお願い致します。
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