柄鏡形敷石住居跡(えかがみがたしきいしじゅうきょあと)
都留市小形山中谷の中谷遺跡では、縄文時代中期から晩期(約4,000年前~2,500年前)の集落が確認され、多くの住居跡や配石遺構が調査されました。

【検出された柄鏡形敷石住居跡】
上の写真のように石が敷かれた敷石住居は残りがよく、当時の生活を知る上で貴重な遺跡です。
遺跡の概要
山梨県の東部は、御坂山海により甲府盆地と隔てられた地域です。この地域は、古くから相模地域と交流があるなど、甲府盆地とは違った文化圏もっています。
中谷遺跡は、山中湖を水源として相模湖へそそぐ桂川流域の河岸段丘上、標高約420m地点に位置しています。遺跡は、中央自動車道や農業道路、リニア新実験線に伴って、都留市教育委員会や県教育委員会等により、昭和39年以降4回の発掘調査が行われました。
調査の結果、縄文時代中期~晩期(約4,000年前~2,500年前)の集落跡が確認され、これまで多くの住居跡が確認できました。今回は、縄文時代中期末~後期の住居跡を紹介します。
所在地都留市小形山中谷
時代縄文時代中期~晩期
報告書山梨県埋蔵文化財センター調査報告書第116集
調査機関山梨県埋蔵文化財センター

【調査区全景】
柄鏡形敷石住居跡(えかがみがたしきいしじゅうきょあと)とは

【検出された柄鏡形敷石住居跡】

【検出された柄鏡形敷石住居跡】
上の写真は、中谷遺跡から発見された柄鏡形敷石住居跡です。柄鏡形敷石住居跡とは、円形の区画に張り出し部が付く柄鏡のような形で床面に石が敷かれた住居跡で、縄文時代中期末から後期にかけて関東・中部地方に分布しています。
中谷遺跡からは、上の写真のようにほぼ全面に扁平な石を敷きつめた住居(写真左)と、壁際の縁に石を巡らして奥の壁に石を敷きつめた住居(写真右)の2種類が確認されました。また、外側の壁部分に柱穴が配置している住居(写真左)と竪穴式住居のように中心部に近い所にある住居(写真右)などがあります。
中谷遺跡の発掘調査により、敷石住居の構造にはいくつかの特徴があることがわかりました。
柄鏡形敷石住居跡については、遺跡トピックスNo.0013(塩瀬下原遺跡)、No.0063(大月遺跡)、No.0089(宮の前遺跡)、No.0095(塚越遺跡)、No.0125(水口遺跡)を参照してください。
次の遺跡トピックスへ|遺跡トピックス一覧へ|一つ前の遺跡トピックスへ
山梨県埋蔵文化財センタートップへ
|