トップ > 組織案内 > 観光文化・スポーツ部 > 山梨県埋蔵文化財センター > 埋蔵文化財センター_遺跡トピックス一覧 > 埋蔵文化財センター_遺跡トピックスNo.0286村前東A遺跡
ページID:37217更新日:2017年5月24日
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村前東A遺跡(むらまえひがしえーいせき)村前東A遺跡の古墳時代前期の住居跡群 村前東A遺跡は、甲府盆地の西部、標高280m前後の御勅使川扇状地(みだいがわせんじょうち)に位置しています。国道52号(甲西バイパス)と中部横断自動車道の建設に伴い、1990~1996(平成2~8)年にかけて5回にわたり調査が行われています。 所在地:南アルプス市(旧櫛形町)十五所・(旧若草町)十日市場 画期的な薄さと軽さ-S字甕(えすじがめ)-わが国に巨大な古墳が造られ始める3世紀の中頃、列島の各地で、ある地域の特徴をもった土器が別の地域で発見される「土器が移動する」現象が活発になります。とはいっても、土器が勝手に動く訳ではありませんので、土器を持って人が動く、あるいは別の地域へ行って作る、さらには別の地域の人がマネをして作る、ということになります。 村前東A遺跡出土のS字甕
口縁部のアップ
東海地域の濃尾平野で誕生した「S字甕」と呼ばれる薄い甕は、名前の由来となったアルファベットの「S」字状をした口縁部の屈曲と表面のハケ目が特徴で、東日本では静岡県・群馬県と並んで、甲府盆地でも村前東A遺跡をはじめたくさん発見されており、古墳時代前期を通じて盛んに作られていたことがわかっています。かたちの変化が追いやすく、ここで紹介したS字甕は、表面の横方向のハケ目がなくなった新しい段階のもので、甲斐銚子塚古墳の周溝からも同じタイプのものが出土していますが、甲府盆地では口縁部に文様のある古いタイプも多く、東日本ではいち早く当時の生活スタイルに取り入れられていました。厚さは2ミリほどで、縄文時代の深鉢や弥生時代の甕と比べるとはるかに薄く、昭和初期のアルミ製鍋の登場と同じくらいの画期的な薄さと軽さがあります。 お知らせ村前東A遺跡から出土したS字甕は、現在考古博物館で開催中の春季企画展「古代の台所~縄文土器から圧力鍋まで~」で展示されています(6月26日まで)。また、常設展示でも見ることができます。
※この企画展は終了しました。 |