トップ > 組織案内 > 県教育委員会の組織(課室等) > 埋蔵文化財センター_遺跡トピックスNo.0394上コブケ遺跡C区
ページID:60646更新日:2017年6月16日
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上コブケ遺跡は平成23~24年度にわたって発掘が行われました。遺跡は大きく4区画に分かれて調査され、A~C区では平安時代の集落跡が、B区では縄文時代中期後半の集落跡が発見されました。 今回はその中でも、縄文時代や平安時代の資料ではなく、1点の石器について取り上げます。 発見された石器写真に写っているのは、平安時代の集落跡があったC区から出土した黒曜石製の石器です。しかし、黒曜石が使われていたのは弥生時代前期の終わり頃までで、平安時代は既に使われておりませんでした。 おそらくは雨に流されていたなど、二次的な移動で遺跡内に入ってきたと考えられます。当初は縄文時代の石器かと思われましたが、石の加工から旧石器時代のナイフ形石器であることが分かりました。 ナイフ形石器は「ナイフ」という名前が付いていますが、その内の多くは、現在の「ナイフ」のように使用したのではなく、槍の先に付けて獲物を狩るのに使ったと考えられています。 石材となっている黒曜石は透明度が高いことから、長野県産だと考えられます。この石器が作られたと考えられる約2万年前は、長野県産黒曜石が関東一円で広く使われていました。 なぜ1点だけ単独で出土したのかは分かりません。狩りの途中で落としてしまったのか、あるいは居住地が近くにあったのでしょうか。 旧石器時代の石器の発見は、山梨市内では初になります。残念ながら居住地は発見されていませんが、当時の人々が県内各地を移動していた証拠の一つとなりました。 所在地:山梨市北、南地内 時代:旧石器時代 調査期間:2011年5月19日~2011年9月30日 報告書:山梨県教育委員会2014『上コブケ遺跡』山梨市埋蔵文化財センター調査報告第296集 関連トピックス
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