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ページID:70890更新日:2017年5月19日

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遺跡トピックスNo.0433狐原遺跡(きつねっぱらいせき)-平瓶-〔笛吹市〕

 

笛吹市の遺跡

  • 0014経塚古墳-復元古墳-
  • 0217経塚古墳-内部構造-
  • 0251経塚古墳-石室の石積み-
  • 0280経塚古墳-列石-
  • 0396経塚古墳-八角形の意味-
  • 0019桂野遺跡-石皿・磨石-
  • 0100桂野遺跡-陥し穴-
  • 0111桂野遺跡-前期土偶-
  • 0262桂野遺跡-縄文時代前期の住居跡-
  • 0265桂野遺跡-土器に描かれた物語-
  • 0020四ツ塚古墳群-玉類-
  • 0235四ツ塚古墳群-装身具-
  • 0022狐原遺跡-墨書土器-
  • 0059平林2号墳-副葬品-
  • 0079平林2号墳-青銅鏡-
  • 0102平林2号墳-ガラス玉-
  • 0202平林2号墳-馬具類や装身具類-
  • 0240平林2号墳-勾玉-
  • 0337平林2号墳-勾玉-
  • 0081身洗沢遺跡-田んぼと木製品-
  • 0230身洗沢遺跡-プラント・オパール-
  • 0339身洗沢遺跡-農具の今と昔-
  • 0125水口遺跡-柄鏡形敷石住居跡(1号住居跡)-
  • 0355水口遺跡-敷石住居跡(3号住居跡)-
  • 0135花鳥山遺跡-エゴマ種子塊-
  • 0194花鳥山遺跡-縄文時代の食生活を知る遺物-
  • 0199花鳥山遺跡-世界最大級の縄文土器?-
  • 0406花鳥山遺跡-耳飾り-
  • 0145竜安寺川西遺跡-発掘調査速報-
  • 0155竜安寺川西遺跡-発掘調査速報2-
  • 0165竜安寺川西遺跡-発掘調査速報3-
  • 0179竜安寺川西遺跡-ミニチュア土器-
  • 0147境川中丸遺跡-発掘調査速報-
  • 0157境川中丸遺跡-発掘調査速報-
  • 0181境川中丸遺跡-S字状口縁台付甕-
  • 0148一の沢遺跡-縄文時代中期の住居-
  • 0293一の沢西遺跡-ヒトをモチーフにした土器-
  • 0307一の沢遺跡-縄文土器-
  • 0350一の沢遺跡-みんなで応援しよう!「ミュージアムキャラクターアワード2012」のいっちゃん-
  • 0150稲山遺跡-発掘調査速報-
  • 0160稲山遺跡-発掘調査速報2-
  • 0170稲山遺跡-発掘調査速報3-
  • 0209稲山遺跡-常滑甕-
  • 0229稲山遺跡-すり鉢-
  • 0288稲山遺跡-かわらけ-
  • 0151三光遺跡-発掘調査速報-
  • 0166三光遺跡-発掘調査速報5-
  • 0171三光遺跡-発掘調査速報6-
  • 0186三光遺跡-耳飾り他-
  • 0173二之宮遺跡-食材をふかす道具-
  • 0284二之宮遺跡-置きカマド-
  • 0219亀甲塚古墳-盤龍鏡-
  • 0264亀甲塚古墳-碧玉製管玉-
  • 0234御坂中丸遺跡-縄文時代早期-
  • 0275馬乗山2号墳-甲府盆地最後の前方後円墳-
  • 0331地耕免遺跡-斎串と馬の歯-
  • 0354中丸東遺跡-縄文時代前期の土器と古墳時代の住居跡-
  • 0356石橋条里制遺構-古代の土地区画整理-
  • 0371太鼓畑遺跡-調査概要-
  • 0382六ッ長遺跡-調査概要-

遺跡概要

狐原遺跡(きつねっぱらいせき)は、笛吹市一宮町竹原田地内に位置する遺跡です。笛吹川の支流である金川によって形成された扇状地の中央部に立地しており、周辺には四ツ塚古墳群や甲斐国分寺・国分尼寺跡といった古墳時代から平安時代にかけての山梨県を代表する遺跡が多く分布しています。

県立山梨園芸高等学校(現:笛吹高校)の農業機械実習場の建設に伴い、1994年4月~10月にかけて発掘調査が実施されたもので、平安時代の竪穴住居跡や人骨を伴う墓の他、200点を超える墨書土器などが出土しました。参照→遺跡トピックスNo.0022狐原遺跡

0433狐原遺跡_全景

狐原遺跡全景

 

遺跡名:狐原遺跡

時代:平安時代

所在地:笛吹市一宮町竹原田

報告書:山梨県埋蔵文化財センター調査報告書第120集『狐原遺跡』

調査機関:山梨県埋蔵文化財センター

 

9号住居跡から出土した土器

下の写真は9号住居跡から出土した平瓶(ひらべ)(「ひらか」、「へいべい」ともいう)という須恵器で、古墳時代の後期(6世紀末)から平安時代にかけて生産されました。9号住居跡から出土したものは須恵器ですが、平安時代の平瓶には、釉薬のかかった灰釉陶器緑釉陶器もあります。

0433狐原遺跡_平瓶1

9号住居跡から出土した平瓶(1)

0433狐原遺跡_平瓶2

 

9号住居跡から出土した平瓶(2)

何に使われたものだろう?

この平瓶ですが、ちょっと不思議な形をしていますね。何に使用されたものだと思いますか?

実を言うと用途については、はっきりとは分かっていません。酒を入れたとする説、尿瓶としていたとする説など色々な意見が出ています。ただ、一様に須恵器や灰釉陶器のような粒子間の隙間が細かい、保水性に富んだ焼き物で作成されていることから、なんらかの液体を入れて使用していた可能性が高いと思われます。

 

さて、狐原遺跡からは多くの墨書土器が出土しており、この平瓶が見つかった9号住居跡からも、「玉井」と記された墨書土器が見つかっています。(「玉井」とは当時の郷名である「山梨東郡玉井郷」を示しているとみられます。)

また狐原遺跡は、古代甲斐国の中心地であった甲斐国府や甲斐国分寺・国分尼寺に近接しており、このような立地から役人のような役割を担った人物がいた可能性が考えられます。もしかしたら日常的に墨をすって文字を書いていたのかもしれません。

墨と筆で文字を書くには、当然ですが硯で墨をすらなくてはならなくて、墨をするとき水が必要になります。

9号住居跡からは残念ながら硯や筆は見つかっていないので想像の域を出ませんが、ひょっとしたらこの平瓶は、墨をする際の水差しのようにして使用していたのかもしれませんね。みなさんはどう思われますか?

0433狐原遺跡_墨書土器

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住所:〒400-1508 甲府市下曽根町923
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