カーボンフリー農業の取り組み
従来の化石燃料からの脱却により農家経営を守る!!!
- 日本一の果樹生産量を誇る本県では、果樹園を中心に「4パーミル・イニシアチブ」による栽培を通じ、地球温暖化の抑制に取り組んでおります。
- こうした取り組みと併せて農業分野におけるカーボンフリーを将来的に実現するため、全国に先駆け農業機械の電動化や農業施設での水素利用などによる、カーボンフリー農業モデルの実現を目指す取り組みを2025年度より開始いたしました。
- 従来の化石燃料からの脱却は、昨今の円安やエネルギー価格の高騰に直面する農家の経営を守ります。

EV軽トラックやEV農機による検証
ブドウ園での発電と電力利用による実証
農業用ハウスでのグリーン水素加温による実証
EV軽トラックやEV農機による検証
スマート農機や電動農機は知っているけど、実際どうなの?
- 農業で使用している農作業機械類は、化石燃料を利用しており、二酸化炭素を排出し続けております。
- 農業で使用している機械には、既に電動化されている機械もありますが、県内農家さんへの理解は、まだまだ十分ではありません。
- また、急速に開発が進むスマート農業機器は、電動機器が多く販売されています。



農家さんでも太陽光発電
- 農家さんにはご自宅や作業場、農機具舎庫など屋根がある建物が多く、太陽光パネルを置いて発電されている農家さんも、県内にも多くいます。
発電した電気で農機を充電
- 昨今の円安や国際情勢の不安定化等の影響を受け、ガソリン価格の高騰が続いており、農家さんの経営へも大きな影響を及ぼしています。
- そこで県では、農家が自家発電した電力の利用を想定した、軽トラックや農機などの電動化を検討しています。
- まずは、県果樹試験場などにEV軽トラックやEV農機を導入して、作業効率や操作性の検証を2025年10月から開始しました。
EV軽トラックやEV農機による検証の状況(PDF:1,110KB)
ブドウ園での発電と電力利用による実証
畑での太陽光発電を考える
- 畑での太陽光発電と言えば、しっかりした支柱に支えられた真っ黒い太陽光パネルでの営農型太陽光発電を見かけます。
- 従来の太陽光パネルは重量があり、しかも光を通さないため、その下で栽培できる作物を選ばなければなりません。
- そこで、本県農業の主力である果樹を栽培しながら発電する方法を検討しました。
有機薄膜太陽電池と公立諏訪東京理科大学
- 検討の結果、次世代型太陽電池の一つ「有機薄膜太陽電池」を選びました。この太陽電池はインクのような触媒を利用しており、軽量で曲がり、光を通し、しかも透過する光の色を選択できるので、その下で農作物を栽培することが可能です。
- 次世代型太陽電池と言えば「ペロブスカイト太陽電池」が有名ですが、素材に鉛が使用されていることから、畑での安全性を考えて「有機薄膜太陽電池」を選択しました。
- しかし「有機薄膜太陽電池」にも課題があることから、この分野で最先端の研究を行っている公立諏訪東京理科大学(渡邊 康之教授)との共同研究契約を締結し、この分野の専門家が加わることとなりました。

LEDでブドウの品質向上
- 有機薄膜太陽電池の特性を最大限に活かした山梨県らしい取り組みは何か、県果樹試験場の研究員からの提案により2025年7月より実証試験を開始しました。
- 有機薄膜太陽電池の下で光が決め手のブドウ「サンシャインレッド」を育て、日中に発電して蓄えた電力を使い、夜間にLEDライトで果実に光を当て着色を向上させる実証です。

ブドウ園での発電と電力利用による実証の状況(PDF:902KB)
農業用ハウスでのグリーン水素加温による実証
ハウス栽培の暖房費 を考える
- ハウス栽培を行っている農家さんは、原油価格の高騰や国際情勢の変化によって暖房費が膨らみ、経営は常に不安定な状況に置かれています。
- その解決策の一つとして、県では、太陽光で発電した電力を米倉山の電力貯蔵技術サイトで製造した「グリーン水素」を燃料にして農業用ハウスを加温する「水素暖房機」の開発を開始いたしました。
- この化石燃料をグリーン水素に置き換えた「水素暖房機」により、コスト削減の実現が期待されます。
株式会社 桂精機製作所との共同開発した水素暖房機
- 「水素暖房機」の開発には、農業用ハウスで使用する暖房機を製造・販売して実績のある「株式会社 桂精機製作所」との共同研究契約を2025年5月に締結し、開始されました。
点火式により実証スタート
- 開発された「水素暖房機」は、果樹試験場のシャインマスカットのハウスに設置され、2026年2月9日の点火式により実証を開始しました。
- 実証は、2026年から3年間、2月から5月までの期間に生育に適した温度を加温し、ハウス内の温度管理や水素の使用量、ブドウ生育への影響などを確認します。
- また、この実証に使用する「グリーン水素」は、米倉山にて「カードル容器」と呼ばれる水素ボンベ集合体に高圧で充填され、果樹試験場に定期的に運搬されます。

