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更新日:2017年3月13日

郷土食

山梨の各地域には、地域の歴史や文化に彩られたおいしい郷土食があります。どの郷土食も清らかな水に育まれながら栄え、伝え継がれ、今も県内外の多くの人に食されています。

鮑の煮貝

山梨で古くから食べられている、鮑を醤油ベースのタレに漬け込んだものです。海のない山梨では昔、駿河湾でとれた鮑を醤油漬けにして木の樽に入れ、馬の背に載せて運んでいたところ、背で揺られることで醤油が鮑にほどよく馴染み美味しくなったそうで、それが始まりといわれています。

ほうとう

太い平麺をカボチャなどの野菜をたっぷり入れた味噌仕立ての汁で煮込んだ山梨の郷土食。家庭でもよく食べられています。戦国時代には武田家中の陣中食として食べられていたともいわれています。

吉田のうどん(富士吉田市)

富士吉田市を中心とする郡内地域の郷土食で、太くてかたく、とてもコシが強い手打ちのうどんです。シンプルで素朴なスープに大盛りのキャベツ、スリダネと呼ばれる唐辛子ベースの薬味が特徴です。郡内地域には100軒近くの店がありますが、店主の自宅をそのまま店にしていたり、のれんの出ていない店も多いです。

鳥もつ煮(甲府市)

鶏の砂肝、ハツ、レバー、きんかん(産まれる前の卵)などを甘辛く濃厚な醤油ダレで照り煮した甲府独自の料理です。昭和25年ごろ、甲府市内のそば店で考案されたといわれ、現在では、そば店をはじめ、甲府市内各地の飲食店で味わうことができます。“B級ご当地グルメ”として注目を集めています。

みみ(富士川町)

富士川町の十谷という集落に昔から伝わる郷土食です。小麦粉を練って薄くのばし、小さな正方形にして2つの角をつまんでつけた形が特徴です。農具の箕(み)に似ていて、福をすくいとるという意味を込めて福箕(ふくみ)となり、これが転じて「みみ」になったといわれています。

おつけだんご(大月市)

大月市で古くから食べられている郷土食で、みそ汁の中に旬の野菜と小麦粉を水で溶いた団子を入れた料理です。大月市には「大月桃太郎伝説」という伝承があり、これが料理として伝えられたという説もあります。町おこしとしてB-1グランプリにも出展しています。

ゆば(身延町)

日蓮宗の総本山である身延山久遠寺のある町として知られている身延町のゆばは、日蓮上人が身延山在山中に、弟子たちが大切な師の栄養源として作り、それが現在に伝えられたものといわれていて、700年の歴史があります。精進料理に欠かせない食材です。